花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

泣き笑い

2020年12月18日 | 研究
先月もご紹介した花壇用のブロックです。
今年、世界大会に出場した三和土の技術を応用して製作した
花壇や家庭菜園用の肥料供給機能を持ったブロックです。
ハンターズはこの作品を科学アイデアコンテストである
「テクノ愛2020」に応募し、なんと見事グランプリを受賞しました。
水大賞と違うところは、リン酸や窒素など入っている栄養成分によって
ブロックの色を変えているところ。それも人工的な着色料ではなく
赤土、黄土、浅黄土など天然土壌の色を利用しています。
世界大会では開発途上国のために機能性を追求しましたが、
テクノ愛のターゲットは園芸を愛する一般市民。
したがってビジュアルで機能性を表現するというファッション性も大切にしました。
肥料分を持ったブロックなんてどこにもありません。
今すぐにでも実用化、市販化しても良い完成した技術として
高く評価されたようです。今年は高校部門で約300件もの応募があったそうです。
決勝に残ったのはその中のたった9校。
しかし今年はコロナのため資料と発表映像での審査となり
テクノ愛ならではの質疑応答がないので、どうも受賞したという実感がありません。
もしこれがいつも通りの大会だったら、メンバーは世界グランプリのお祝いも兼ねて
きっと秋の京都で2度目の修学旅行を堪能していたはず。
そう思うと残念でなりません。なお決勝に残ったベスト9には
嬉しいことにハンターズJr.の女子も選出されしっかり奨励賞を受賞しています。
それにしても本当についていない可愛そうな人たちです。
かける言葉は「おめでとう!でも残念!!」。
今日の地元紙に大きく紹介されていますので、ぜひご覧ください!
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一発屋ではありません

2020年12月18日 | 研究
テクノ愛で久しぶりにグランプリを受賞したハンターズ。
受賞した園芸用ブロックの発表の中で、街路樹の根上り現象を抑制できる
新しい透水性コンクリート開発の可能性も示しました。
軽石など多孔質の小石を固めて作るコンクリートブロックは
雨水を通すうえ、三和土研究を応用すると栄養分の供給も可能になることから
水分と栄養不足で街路樹の根が上にあがり歩道を壊す根上り現象の
抑制につながるかもしれないからです。後輩への置き土産ができました。
磨けばお宝になるかもしれないので、どっかに穴を掘って隠しておきます。
さて今回のグランプリはなんと4年ぶり、7度目の栄誉でした。
テクノ愛への挑戦はフローラ結成の2009年に遡ります。ちょっと振り返ってみます。
2009年「白いリンゴ」、2010年「機能性食用菊」、2011年「光による柿の脱渋法」、
3年連続グランプリです。2013年「水質浄化バイオエンジン」、
2015年「雪国向きLED信号機」、2016年「サラダふき」、
そして今回2020年「機能性園芸ブロック」の7つです。
なかにはグランプリ、準グランプリとワンツーフィニッシュの年も数回あります。
ひとつひとつは確かに一発芸。しかしこんなに続くと一発屋とはいわせません。
そんなことからテクノ愛の世界では、名久井農業高校は有名高。
いつも北国からのチャレンジャーを暖かく迎えてくれます。
テクノ愛は毎年、京都大学の文化祭に開催されますが、
何度も参加していると面白いエピソードもたくさんあります。
ある時、昼食を模擬店で食べていたフローラ。
どこからきたのと京大生が尋ねてきました。素直に「青森」と答えるとびっくり。
「東北だったら東大の方が近いんじゃない?京大とは目が高い!」と
歓迎してくれたというのです。確かにキャンパス内には京大を受験する
見ただけで優秀な高校生がたくさんいます。
京大生はわざわざ青森からキャンパス見学にきたと勘違いしたのです。
後に引けなくなったフローラ女子。「頑張ります!」と答えたそうです。
来年こそはそんな楽しみをまた味わいたいものです。
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