花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

誰一人取り残さない

2021年05月02日 | 研究
ここは連休直前の土肥実験室。
3代目環境班のフローラハンターズが分析に取り組んでいます。
よく集中して作業に取り組む姿を「黙々」という言葉で表現しますが
今の彼らはまさにその通り。6名のメンバーは無駄口をたたくことなく
黙って作業を行なっています。もちろん昨年、世界チャンプになった
トレジャーハンターズも無言で実験していましたが、
それはそもそも無口だから。普段からあまり話さないのです。
しかし今年のメンバーは元気でおしゃべりもします。
そんな彼らが喋らないのはなぜでしょう。
間違いなく理由は、各自テーマが違うから。
実験室の中に6名のメンバーがいますが、やっていることはみんなバラバラ。
したがって自分の作業は自分がやらなければ終わりません。
だからみんな夢中で目の前の作業に取り組んでいるのです。
この日も作業が多いので授業の予鈴がなる前から集まって実習スタート。
その甲斐あって早い人は開始1時間でゴール。すると遅い人のサポートに回ります。
そのおかげで遅い人も約20分遅れでゴールイン。
今回も全員授業の中で作業を終えることができました。
外務省が主催する日本SDGsアワードで、昨年唯一の高校生団体で
内閣官房長官賞を受賞した名久井農業高校環境班。
「誰一人取り残さない」というSDGsの合言葉は
自分たちの活動の中にも活かされています。
さて明日は3日。まだ連休のど真ん中ですが、
フローラハンターズは調査日なので全員出校。
さらに活動のプロモーションビデオの撮影も行われる予定です。
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なぜ二十日大根

2021年05月02日 | 環境システム科
環境システム科は名久井農業高校の中で最も新しい学科で、
電気や配管など工業技術も学べるユニークな特徴をもっています。
農業高校なのに農工融合というコンセプトが全国的にも珍しいので、
よく工業の学習が注目されますが、れっきとした農業の学科。
草花や作物栽培についても学びます。
このプランターに植えられているのはラディッシュ。
環境システム科2年生が栽培している二十日大根です。
もちろん二十日は短いというで意味で収穫には約1ケ月かかります。
さて二十日大根のイメージは小学生が栽培体験する際に用いる作物。
なんで高校生、それも農業高校生が育てているんだと
違和感を感じる方もいるかと思います。
実はこの二十日大根は同じ教材でも栽培ではなく
ビジネスを学ぶために育てているのです。
作物を栽培して販売するのが農業。今は6次産業化が叫ばれ
栽培だけ上手にできれば良いという時代ではなくなりました。
経営はコスト、労力と収益の関係が重要で、農業高校では昔から学んでいますが
どうも教科書だとピンときません。一番良いのは自分でやってみて
何がコストで何が利益なのか自分のデータを使って体験的に知ること。
そこで環境システム科では3年次に「起業チャレンジ」という全国に例のない
水耕栽培をベースにして農業生産者を体験する科目を設けています。
自由に作物を選択して自由に販売するのですが、初めてだと戸惑います。
そこで環境システム科では学科ができた時から、2年次の商業系の科目の中で
起業チャレンジの成功のため、事前にビジネスのノウハウを体験的に学ばせています。
作物は何でも良いのですが、早く収穫できるから今年は二十日大根が選ばれました。
ところで今は連休中。プランターを屋外に設置し雨を期待するグループもあれば
このように水を入れたトロ箱にプランターを設置し、底面吸水させながら
温室の中で育てているグループもいます。どんどんチャレンジしてほしいものです。
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