花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

サーマルブランケット

2021年05月03日 | 研究
実験のための水耕栽培装置の製作に励んでいるフローラハンターズの男子。
プロトタイプは春先に完成したのですが、予定していた部品が調達できません。
そこで再度、容器を変更して作り直すことになりました。
とはいっても一度作っているので製作は慣れたもの。
手早く時間内で作り直しました。
前回と違うところはアルミシートで装置を覆うところ。
資料によるとゴールドは熱の吸収、シルバーは反射と違うようです。
彼の目的は小型の水耕装置内の養液の温度上昇を抑制するためなので
外側がシルバーになるよう容器を覆いました。
名前は人工衛星にならって「サーマルブランケット」としましたが
人工衛星によってはゴールドのブランケットを纏っているものもあります。
調べてみるとシルバーもゴールドも断熱効果。
難しいことはわかりませんが、打ち上げる軌道高度の違いによって
求める効果が違い、そのため色が違うということです。
それにしてもアルミ覆った容器。知らない人が見たら
とうとうフローラハンターズは人工衛星にも着手したかと勘違いされそうです。
でも彼らが取り組んでいる植物工場は、
そもそも宇宙に滞在するために開発された技術。
そんなにかけ離れた関係ではないのです。
さて今日は連休中ではありますが週1回の調査日。
ハンターズ全員集合です。
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おーいでてこい

2021年05月03日 | 研究
「おーいでてこい」は、星新一さんのショートショートの傑作ですが
フローラハンターズが、陸生植物の水中根の発生を促して
早いものでもう2週間以上が経ちました。
するとどうでしょう。鉢の底から何だか根が出てきました。
よく見ると真っ白い小さな根も見えます。
おそらく待望の水中根だと思われます。
植え付けるにはもう少し時間が必要だと思いますが、
これは期待が持てそうです。
ところがこれとは別の植物では葉が巻き始めました。
これは根が傷ついている証拠。
加湿のため吸水できなくなっていると思われます。
植物によって水中根が発生しにくいものもあるだろうと
覚悟はしていましたが、やはりこの植物はダメなようです。
このまま放置しても枯れるだけ。無理しないで
早めに土の入った鉢に植えてあげたほうがいいかもしれません。
植え付けは連休明けの予定です。
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クリーンルーム

2021年05月03日 | 生物生産科
ここは生物工学実験室の中にあるクリーンルーム。
おまけで併設したような小型ではなく10畳以上もある大きな部屋です。
見えている四角い装置はクリーンベンチ。この中に4〜5台も据え付けられています。
クリーンベンチは無菌操作に欠かせない設備。
さらにここは部屋ごと無菌にしたクリーンルームなので安心して作業ができます。
さて現在、生物工学実験室に入り浸りな環境班ですが
大先輩である2代目TEAM FLORA PHOTONICSも常連さんでした。
それもこのクリーンベンチをです。もちろん無菌操作などはしません。
なんと真空パックに詰めた渋柿である妙丹柿をクリーンベンチ内に入れて
UVCの殺菌灯を照射する実験です。目的は渋抜き。
渋は酸欠状態にすると抜けることがわかっています。
お湯や焼酎などで脱渋するよりも無味無臭の光の方が
絶対美味しく渋が抜けるはずと仮説を立てたのです。
初めての渋抜き実験。渋が抜けているかどうかがわからない女子メンバーたちは
恐る恐る食べては悶絶していました。
しかし肌が紫外線で黒くなった妙丹柿を食べてびっくり。
なんと渋が抜けているではありません。鮮やかな脱渋マジックです。
この紫外線で渋を抜く技術は、秋の京都大学で開催された
科学技術アイデアコンテストでグランプリを受賞。
今では地元の農産加工会社がこの原理を使って渋を抜いているようです。
それ以来、このクリーンルームに入ることもなくなりました。
今も印象に残る思い出の研究でした。


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