「高山市民時報」という地域の新聞(のようなもの)があり、毎週金曜日には、地元の釣具店からの釣り情報が載っていたりして、いつも見ている。
先日同紙に、「市内を流れる或る川に3年頃前からヤマメが棲みついている。今年は大きくなったヤマメが産卵床を作りはじめた。近所の人がそれを見守っている。」といった趣旨の記事が載った。
訪ねてみた。
どんな、川かというと・・・
以下の写真のとおり、人間の居住地区を流れる、しっかりと護岸工事された小さな川だ。
おそらく、この川で釣りをする人は皆無で、また、釣りをすべきでは無いと感じる。
最初に目に付いたのは、大きなヤマメの死骸だった。
産卵行動の後に力尽き命を落としたものだと考えたい。そして、来年、このヤマメの子孫が元気よく泳いでいる様子が見られることを願いたい。
それに、まだ元気なヤマメもたくさんいた。
尾びれの傷が気になる。多くの個体がこんな状態だ。この狭い生息圏の中で、特に産卵期には争いが絶えず、互いに傷だらけになるのだろう。産卵床を作るときに付いた傷かもしれない。
眺めていたら、ライズした。
私に気付くと、護岸の下のエグレに身を隠した。
この橋の下にも、2匹いた。
(この近くに銭湯があるのだが)銭湯に向かう途中といった年配の方が来て、橋の下を覗いた。この方もいつもヤマメのことが気になっているようで、私と少しだけ言葉を交わし、通り過ぎた。
こういう光景を見ると、釣人が渓魚に与える影響の強さを、改めて意識する。
護岸工事され生活排水が流れ込むこんな川でも、釣人さえいなければ、渓魚たちは健気に生き、そして大きく成長することができるという事実がここにある。
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