東京都立大学キャンパスの遊歩道脇に出現した「マヤラン(摩耶蘭)」。ラン科シュンラン属の多年性菌従属植物で草丈は10~15センチ。初夏と秋に花茎を伸ばし直径3センチほどの花を数個咲かせる。私が植物観察で初めてマヤランを見たのは11年前のこの辺りだった。その後、多摩ニュータウン界隈ではあちこちに出現するのを知り時には大群落もいくつかあった。しかし最近は大きな群落を見ることはなくなり、ここでは久し振りに見つけた。写真は花を拡大したものだが、何となくおちょぼ口の赤い牛の顔に見えないだろうか。
ウリ科ゴキヅル属の「ゴキヅル(合器蔓)」。北海道~九州の陽当たりの良い水辺に分布するつる性一年草で雌雄同株。花後に長さ1.5~2センチの楕円形の蓋果を稔らせ、熟すとパックリと2つに割れ中から黒褐色の種子を2つ零す。これを蓋付きのお椀を意味する“合器”に見立てて名付けられている。
下柚木の山道に蔓を伸ばしている「ヤブマメ(藪豆)」。マメ科ヤブマメ属のつる性一年草で日本全土の陽当たりの良い林縁などに生育している。9~10月に長さ1.5~2センチの薄紫色の蝶形花を咲かせる。果実は長さ2.5~3センチの豆果になり熟すと莢が乾燥して弾け中の種子を飛ばす。地中にも閉鎖花を作り球形の果実が出来る。