クサボタン･10～開花

　キンポウゲ科センニンソウ属の「クサボタン（草牡丹）」。日本固有種の半低木で本州の山野に分布している。花期は9～10月で茎先や葉腋から集散花序を出し萼片がカールした可愛い花を多数咲かせる。冬には茎の上部は枯れ落ちるので“草”の名前が付けられているが、茎の下部は木質化するので木本に分類されている。葉は3つの小葉からなりその様子をボタンに見たてて名付けられた。果実はセンニンソウの仲間らしく冠毛の付いた痩果になる。

ルコウソウ

　ヒルガオ科サツマイモ属の「ルコウソウ（縷紅草）」。熱帯アメリカ原産のつる性一年草で世界各国で観賞用に栽培されている。日本には江戸時代に渡来し人家付近に逸出している。花期は8～10月で直径2センチほどの星形の花を咲かせる。葉は長楕円形で線状に深裂している。同属のマルバルコウは葉が深裂せず全縁になる。ハゴロモルコウソウはマルバルコウと本種の交配で生み出された園芸品種。ハゴロモルコウソウは花色はルコウソウと同じ深紅色だが葉はルコウソウほど細かく裂けない。これは浅川沿いの民家の生け垣に咲いていたもの。

カゴノキ･3～花

　クスノキ科ハマビワ属の「カゴノキ（鹿子の木）」。関東地方以西の暖地の常緑樹林に生育する常緑高木で雌雄異株。樹皮が剥がれてまだら模様になる様子を鹿の子に見立てている。8～9月に葉腋に小さな淡黄色の花が数個固まって付く。花期は短いようで咲き始めの綺麗な状態の花になかなか出会えない。