東京薬科大学“薬草園”で見られる「シボリミヤマアキギリ(絞深山秋桐)」。シソ科アキギリ属の多年草でアキギリとキバナアキギリとの自然交雑種。「シボリアキギリ(絞秋桐)」とも呼ばれる。アキギリは中部地方~近畿地方に分布しておりキバナアキギリは本州~九州に分布している。関東地方はそもそもアキギリは分布域外で交雑種は存在しないが、この薬草園ではアキギリも生育しており、自然では出会うはずがない場所で出会ってしまった。職員に伺うとキバナアキギリの群落の中にポツポツと増え始めているとのことだ。交雑の具合によって花色は様々で典型的なものはまるで“絞り染め”のような色合いになるとのことで名付けられたようだ。
余談だが、今年の早春にこの薬草園の高木にオオタカが度々飛来し営巣を期待させた。この日、その後の様子を職員に伺うと、ここはカラスの陣地のようで結局オオタカは追い払われてしまったとのこと。普通に思えばオオタカVSカラスならオオタカのほうが強いと考えるが、実際はそうではないようだ。
シソ科アキギリ属の「キバナアキギリ(黄花秋桐)」。本州、四国、九州の低山のやや日陰に生育する多年草で8~10月に長さ2.5~3センチの淡黄色の唇弁花を輪生させ段状に付ける。花冠の外に長く伸びているのは雌蕊で雄蕊は花冠の中に隠れている。
大栗川遊歩道脇に出現した「ヒロハフウリンホオズキ(広葉風鈴酸漿)」。ナス科ホオズキ属の一年草で熱帯アメリカ原産。8~10月に淡黄色の花を咲かせ花後に萼片が袋状になり中の液果を包み込む。写真は株の下に落ちていた果実を集めて並べたもの。袋の幅は1.5~1.8ミリで液果の直径は1センチほど。