ガマズミ科(←レンプクソウ科←スイカズラ科)ガマズミ属の「オオカメノキ(大亀の木)」。亀の甲羅のような大きな葉が名前の由来。その冬芽は裸芽で個性溢れる姿を見せてくれるが、これはカメではなくウサギに見える。オオカメノキは葉が虫に食べられ易いため、“虫喰われ”から転訛して「ムシカリ」とも呼ばれている。
下柚木の雑木林に生育している「コクラン(黒蘭)」。以前、ランニング中に偶然見つけた株でその後時々生存を確認しに来ている。昨夏も開花したようで果実が出来ていた。写真の果実の奥に写っている細い線も花茎でここでは3株が開花していたようだ。今夏の開花がまた楽しみになる。
東中野公園の街路灯に絡んでいる「ノダフジ(野田藤)」。マメ科フジ属のつる性落葉木本で本州~九州の明るい林内などに生育している。単に「フジ(藤)」と呼ばれ、同属のヤマフジ(山藤)はノフジ(野藤)と呼ばれている。写真は冬芽と葉痕の様子で髭面のオジサンがいた。ノダフジとヤマフジは巻き方が左右異なる。蔓が巻き上がっていく様子を横から見た際に、ノダフジは左側が高くなる左巻きでヤマフジは右側が高くなる右巻きになる。この巻き方については真上から見た場合と根元から見た場合は逆になるので図鑑によっては反対に表現されていることがある。
長池公園“ながいけの道”で見られる「ヤブザクラ(藪桜)」。バラ科サクラ属の落葉高木でホシザクラと同様、マメザクラとエドヒガンの自然交雑種と考えられている。関東地方南部、特に多摩丘陵に多く自生している。染色体はマメザクラから16本、エドヒガンから8本で合計24本となり、3倍体のために種子は出来ない。冬芽にはわずかな毛が見られ、これはエドヒガンのほうの性質を受け継いでいるようだ。
上小山田みつやせせらぎ公園の塀に止まっていたシラサギ。サギはこの界隈では良く見掛けるが私はこれが何のサギかがわからない。10メートル先で周りに比べるものが無いが背丈は70~80センチだろう。首を伸ばしたとすると80~90センチなのでこれは「ダイサギ(大鷺)」と判断した。せっかくなのでサギについて少し調べてみると、コサギは全長60センチほどで嘴は一年中黒いがチュウサギとダイサギの嘴は非繁殖期の冬には黄色い。またダイサギの口の一番端の“口角”が丸い目の後ろのラインより更に後方になるのに対して、チュウサギの口角は目の後ろのラインとほぼ同じになる。嘴の長さは頭部全体の割合ではダイサギは長くチュウサギはやや短い。また白い頭の円弧から嘴に繋がる額のラインがダイサギは平たくなるのに対してチュウサギの額は丸みを帯びたカーブになるようだ。これらを覚えておけば次に出会った時にはすぐにわかるだろう。ダイサギは更に亜種のオオダイサギとチュウダイサギに分類されるようだが、私はこれがダイサギとわかるだけで十分。
大塚東公園の日陰の林縁で見られる「クラマゴケ(鞍馬苔)」。イワヒバ科イワヒバ属でコケの名が付いているが常緑シダ植物。鞍馬山で発見されたことで名付けられているが日本全土の山地の日陰のやや湿った場所に生育している。その葉を良く見ると2つの形がある。ひとつは“腹葉(ふくよう)”と呼ばれる卵型で長さ2~3ミリの葉が左右交互に付いている。もうひとつは“背葉(はいよう)”と呼ばれるもので茎の側面にやや小さい葉が茎に密着し茎と同じ方向を向いている。
奈良ばい谷戸の林縁で見られる「ホラシノブ(洞忍)」。ホングウシダ科ホラシノブ属のシダ植物で本州~九州の半日陰の崖地などに生育している。シノブはシダの古名であり洞窟などの湿った薄暗い場所に生育するシダという意味になる。冬緑(常緑)性だが寒い冬には綺麗に紅葉する。
松が谷高校付近の遊歩道に生えている「モミジバフウ(紅葉葉楓)」。マンサク科フウ属の落葉高木で雌雄異株。4月頃に葉の展開とともに開花し秋には紅葉が美しい。葉痕の維管束痕は3個で口を尖らせた顔が見える。
アオキ科(=ガリア科)(←ミズキ科)アオキ属の「アオキ(青木)」。東北地方以南の低山の照葉樹林内などに生育している常緑低木で名前の通り真冬でも青々とした葉を繫らせている。茎を取り巻く褐色部分が芽鱗痕で他の芽鱗痕との間が一年間の成長分になる。