あんちゃんの気まぐれ日記2

仕事で行った場所の紹介や今の気持ちを素直に書き込みます。○○○○と思っているのは、私だけでしょうか??

絵に描いた餅

2016年06月03日 | 政治
焦点:骨太方針、子育て支援など財源盛り込めず

[東京 2日 ロイター] - 2日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針)では、子育て支援に必要な具体的な安定財源が盛り込まれなかった。政府関係者は8月末の概算要求締め切りまでの決着を模索しているものの、「アベノミクスの成果」として挙げられる税収増加分の定義もあいまいなままだ。

消費増税延期で空いた「財源の穴」をどのように埋めるのか、安倍晋三首相の手腕が早速問われることになりそうだ。

<恒久財源のめど、明記されず>

当初、経済財政諮問会議では今年の骨太方針発表までに「1億総活躍プラン」に盛り込んだ子育て支援の具体的な安定財源の結論を得ようとしていた。「子育て支援は恒久的な政策。それに見合うきちんとした財源が必要」と複数の政府関係者が述べていた。

財源として安倍首相が力説する「アベノミクスの成果の活用」についても、税収増などの活用を念頭に、その定義をはっきりさせるべく、「会議で議論して明らかにしたい」(政府関係者)としていた。

積極的に税収増を安定財源として使いたいという立場の政府関係者は「この3年間の税収増は消費増税分を除いても13兆円程度ある」と指摘している。別の政府関係者も、税収の上振れ分、つまり補正予算段階での税収と決算との差額に当たる部分について、上振れ分の目安とすればよいとしている。

一方で財務省関係者は「税収上振れ分といっても確たるものが定義できるわけがない」と話す。

この3年間の税収増は、円安・株高などの企業収益環境の変化に伴う法人税や所得税の増加が大方を占めるとみているためだ。その関係者は「たとえ上振れたとしても、債務返済が優先されるのが当然」という立場だ。

こうした議論が数カ月間続いたが、結論は出なかった。2日に発表された今年の骨太方針では、昨年と同じく「適切な安定財源」との抽象的な表現が盛り込まれた。

<アベノミクスの成果、定義づくりも難航>

骨太方針には、「アベノミクスの成果」として、経済再生の着実な進展による「税収の大幅増加」のほか、歳出面では雇用改善による「失業給付の減少」などと定義されている。

ただ、積極活用派からも「景気による変動分や特殊要因を考慮すると、税収増の全額を使えるとは思っていない」(諮問会議関係者)との基本的な考え方があり、いったい税収増の何割程度が「アベノミクスの成果」といえるかは不明だとしていた。

政府関係者の1人は、今回の決着に関し「骨太方針策定までにアベノミクスの成果と、その認識の共有、安定財源のどれも決まらなかった」と述べ、「来年度予算の概算要求が締め切られる8月末までには、何とか決めることになるだろう」との見通しを示した。

安倍首相は消費税率10%への引き上げを2年半延期することを表明した1日の記者会見で「赤字国債財源で社会保障を充実するような無責任なことはしない」と述べているが、予定されている充実策の財源は、増税延期により4兆円程度不足することになる。

さらに、新たに展開するはずだった子育て支援制度の財源確保に関し、赤字国債なしにどのように手当するかも、骨太方針に盛り込めなかった。

その点については、政府内にも「経済財政運営と改革の基本方針」と言えるのかどうかと、疑問視する声もある。

東京大学大学院の福田慎一教授は「アベノミクスの成功とは、10年後に期待が持てる政策かどうか、みなが見ていたが、現実にはそうなっていない」と指摘している。

今年に入って企業活動や個人消費が、停滞感を強めている。その結果、成長期待や税収が昨年までと同じトレンドで増えないリスクが高まっているとも言える。

子育て支援など将来不安の解消につながる政策も、財源難という状況を打破しなければ、かえって将来に対する期待が委縮する展開もありえる。


 どんなに巧みに描いてあっても、「絵に描いた餅」は食べられない。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする