かなり遅くなって、夫婦が自宅マンションにもどった。玄関のドアを開けると、コールが「ようやく、帰ってきた!」と待ち遠しかった顔をして出迎えてくれる。動物は人間とちがって、「遅すぎる!」とすねたり、かんしゃくを起こしたりしない。あくまで素直で、スリスリしてくれて、それが落ち着くと写真のように「もう安心だぁ」態度をしてくれる。この率直さが実にたまらない。
ところで人間の方も猫以上に素直で率直なものがある。それは「言葉」だと思う。「エーっ、言葉こそ当てにならず、ウソつくものはない」と思っていらっしゃる向きもあると思うが、これは対外的な、意図的な言葉でなく、自分が自然に口から出る言葉の意味である。
聖書に次の一節がある。
「良い人は、その心の良い倉から良い物を出し、悪い人は、悪い倉から悪い物を出します。なぜなら人の口は、心に満ちているものを話すからです。(ルカ 6:45)」
確かに自分の「口は、心に満ちているものを話」している。そしてその話している通りに物事は進んで行きやすいものである。さらに悪いことに、口で語っている言葉が、そのまま成就していくことが多いのである。希望を語リ信じ続けることができれば、それはいつか成就する可能性が高い。しかし絶望を語り続けていて、絶望から希望へと劇的に変わることはなさそうである。告白というものは、げに恐ろしいと思う。
たとえ現状がどんなに困難であっても、常に前向きにとらえ、最後の最後まであきらめてはならないと思う。それを自分の意思の力でしようとすると、まず成功しない。しかし、神に頼るならできる。日々のことばの告白を大切にしよう。良い言葉、よいものに満たされているように。 (ケパ)