キャットてぃるのサックス遊戯+ベース

42歳から始めたジャズプレイヤーへの道のり

サックスをはじめて吹いた日 その6

2009年06月23日 12時56分21秒 | 楽器購入計画
グリムスキーワード 食物連鎖


つづきです。



そう引越しだった。

それも40年以上も住み慣れた千葉県千葉市から、一度も行ったことの無い埼玉県のある町へ。
はっきりいって行きたくなかった。

せっかくフロントに可愛い女性のいるカラオケボックスに慣れていたのに、それに隣町のジャズのお店のセッションにもようやく慣れてきたのに、、。

でも引越しはやらなければならない。
私は、ちょっぴり反対しながらも、引っ越すことに同意した。

そして行った町でカラオケボックスで練習できるかどうかわからないので防音室を買うことにした。
もともと防音室は欲しかったので一石二鳥。
でも一番の問題は費用だったけど、それまで楽器を練習するためにスタジオを借りて、もしくはカラオケを借りて、一ヶ月平均、2、3万くらい練習のために使っていた。
つまり借り捨ての費用。ちょっともったいないと思った。
でも防音室を買えば、毎日練習しても5年くらいで採算が取れる計算だった。

そして、引越し。
今度は、同じ賃貸でも公団ではなく、一般の賃貸マンションだった。

そして、その防音室を買ったときから、ここのブログを始めた。

ちなみに防音室は、購入する2ヶ月前に、ヤマハの展示会場まで観に行って決めた。
「行くときは、楽器を持っていくといいよ!」と、ある人にアドバイスを頂いたので、サックスを持って行ったら、楽器を持っている人は私ひとりだった。(笑)
展示会は、約20名くらいの人が訪れていた。
実際にある防音室を観たり、振動や消音についての説明会とかあり、それらを貰った資料を見ながら聞いた。
安い買い物ではないので真剣だった。



それで、結局、箱型の防音室の一番中庸のものにした。
(値段は、ある筋の口ぞえでかなり安くしてもらった。笑)
タイプは、セフィーネの1.2畳、-35、このサイズだとエアコンが入れられた。
どこかのHPで箱型の防音室は、エアコンは必要だと書いてあったので、絶対に欲しかった。
それと天井も高いほうにした。そうすれば中の容量が増えるので、少しは中の空気が減るのをおさえられそうな気がしたから。
で、付属のエアコンやライトもあったのけど値段が高かったので、そのふたつは、自分たちで近所のホームセンターに行き、一番安いものを購入した。
それで実際に使ってみた感想は、やっぱりエアコンは有難い。
もし無いと夏や冬の練習では、一時間入っているのがやっと、もしくは30分で中にいるのが辛くなる日もあった。



それと音に関しては、かなりデッドにしているけど、それでも部屋が小さいのでかなり反響がある。
なぜか防音室の中からでも、多少、家の中の音が聞こえる。
逆にリビングに置いてある防音室からは、中の音ははっきりと聞こえるけど、音量的にはテレビ大くらいの音量なので、家族の理解があれば大丈夫みたいだった。
ちなみに防音室には、小さなギターアンプも置いてあって、それでエレキギターを鳴らしても、サックスほど音は大きく聞こえない。
つまり、それほどサックスの音って大きいと思ったり、、。
それからというもの、防音室で毎日練習することができて、サックスの練習もはかどるかのように思えた。
ところが、、、。

練習というものは、練習場所も大切だけど、練習の内容も大切だと知る。

だから、良い楽器、そしてモチベーションを維持するための指導者が必要だと感じていた。




で、楽器。

中古で一目惚れで買ったアルトだったが、買った当日、調整を見てもらった楽器屋さんでは、特に調整はしてもらわなかった。
なので、結局、買ってからの練習は、買った当初のままの楽器の状態だった。

そのまま家で鏡に前で構えてみたり、新規開拓したカラオケボックスで吹いたりすること一週間。
やっぱり楽器の状態が気になる。

このままでいいのだろうか?

調整もろくしてない楽器で練習していいのだろうか?

第一、楽器の状態が完璧じゃなくて、それで練習が捗るのだろうか?

疑問が1日ごとに膨らんでいった。

さらに、よくネットで、「調整されていない楽器、修理が完璧でない楽器で練習すると上達しない。」と書いてあるのを目にするといてもたってもいられなくなった。
それなので、一度、ちゃんと調整を見てもらうと思い、リペア屋さんをネットで探した。
その時、候補が何件かあったが、ネットの掲示板やHPの口コミで、なるべく良心的で低価格のお店を見つけた。
特に、良心的でそこを利用した人の感想が日記や掲示板にも掲載、数人の人がよかったと答えていたので、あるお店にターゲットを絞った。
それが東京、高田馬場にある個人営業のリペア専門店だった。



私は、さっそくHPを見て電話をした。
そしたら明るい声で、すぐに持ってきて下さい。というお返事。
なので、次の日、そそこくさと持っていった。

そのお店は、HPの写真で見るより小さかった。
入り口に入ると小さなテーブル、売り物の中古楽器が少し陳列してあって、横に小さなスタジオが2つ。奥がリペアルームだった。

私は、行くとさっそく持っていった楽器のケースをテーブルに置いた。
すると、またケースを見ただけで、A-50ですね、といわれた。
それから楽器をみてもらい、「状態はそんなに悪くないけど、古いのでタンポが硬くなっている。」といわれた。
そして、「どうします?」と聞かれたので、「オーバーホールをお願いします。」と、答えた。
そしたら、リペアの人が、「この楽器は古いけど、あまり吹き込んだ痕跡がないので、新品と同じくらい抜けていない楽器。だから修理すれば、新品同様の楽器になります。」といわれた。
そしてリペア代は最低価格で、全部込みでやってもらえることになった。
うれしかった。

そして入院すること、2週間。
たった一週間した手にしてないサックスだったけど、無いと寂しい時間が過ぎた。

そして、やっと約束の日。
朝から電車に飛び乗り、、、高田馬場のお店に向かった。

私、「あの~、楽器の修理終わってますか?」と、私は到着するなり尋ねた。
すると、

リペアの人、「はい、できてますよ~。そこの小さいほうのスタジオの中にあるので、みてたしかめて下さい。」というお返事だった。

私は、すぐにふたつあるスタジオの小さな部屋のドアを開け、中を覗いた。
ところが、、、無い?!、、、と、思った。

私はすぐに、「どこにあるのですか?」と、尋ねた。
そしたら、、、

リペアの人、「あれ、あるはずですが、、。」と、こっちにきて一緒に中を覗いて、指をさした。
そして、指された先にあったもの。
それは、、。

金色に輝くアルトサックスだった。

「うそでしょ~。」、、、心の中で叫んだ。

なぜなら、あまりに綺麗だったから。
なにしろ、楽器を買ったとき、埃にまみれて真っ白だった管体。
おまけに管の中は真っ黒、目立つシミもあったのに、、。

ところが、見渡す限り管はどこにも埃もなく、部品のひとつひとつが輝いていた。
目立っていたシミも、かなり磨いた後があり、目立たなくなっていた。

そして、これを見て気付いた。
「この楽器って、表面に傷がまったく無い新品みたいな楽器だった。」のだと、、。

そしたら、リペアの人が仰った。

「もう、これでこの楽器は新品同様です。」

私もそんな気がした。

そして、こう付け加えてくれた。

「この楽器は、僕が一生面倒をみます。」

私は素直にうれしかった。


つづく。
(、、、といいたいけど、とりあえず一旦、締めます。)

ご愛読ありがとうございました。m(_ _)m

次回から本題に入ります。(笑)


コメント (12)
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