義妹が育てている丹波黒大豆は順調に大きくなっている。あと2ヶ月もすれば早生の黒豆ができる。これを塩茹でした「黒豆枝豆」はそこいらで売ってるふつうの枝豆とはまったくちがい、コクと甘みのある味わいは一度食べたら病みつきになる旨さだ。義妹は6年まえに他界した母親の遺志をうけつぎ、無農薬で農作物を育てているが、害虫の駆除や雑草の刈り取りをすべて手作業でするのはなかなか骨の折れる仕事だ。
わたしは大阪在住であるが、月に2~3回は帰省して草刈りの手伝いをしている。手伝いといってもほんの3時間ほどであるから、大した仕事はしていないが。今回は草刈り用のノコギリ鎌と作業手袋を持参して作業にあたった。
雑草は根こそぎ抜いてしまった方がいいと思っていたが、じつは葉っぱの部分だけ刈り取って根はそのまま土中に残しておいてもいいらしい。むしろその方が光合成ができなくなって枯れてしまった根がクッション材のようなはたらきをして、土が締まらずに柔らかさや保水能力が保たれるという。
義妹にその話をすると、雑草にもいろいろあって根だけで繁殖するものがあるので、やはり根こそぎ抜いたほうがいいようなことを言われた。草刈りもなかなか奥が深い。
なにも考えず無心に草刈りをしていると、大げさだが自分が地球のうえにいることを実感できる。都会での生活はいのちの営みとか循環を感じる場面がすくないが、こうして畑仕事をすることで人間は自然のなかで生かされていることがよくわかる。