面白くないのは、原作には無いキャラクターを登場させているからだろう。それはかぐや姫の“幼馴染み”であり、彼女が想いを寄せる少年・捨丸である。
かぐや姫がイノシシに襲われるところを危うく彼に救われたことから、二人の距離が縮まってくるという設定だ。捨丸は“野生児”であり、リーダーシップがあり、たくましい存在だ。いわば素朴で住民同士の人間関係も濃密な“田舎暮らし”の象徴でもある。ヒロインは彼および彼の仲間達と過ごした日々を、かけがえのないものだと思っている。

対して、彼女がその後に直面する都での大邸宅暮らしと、周囲だけが勝手に盛り上がっているような“縁談”等は、生き馬の目を抜くような世知辛い“都会でのセレブな生活”(?)の典型的な表現パターンである。つまりここに“人情味溢れるカントリーライフ”と“殺伐としたアーバンライフ”という、判で押したような単純二項対立の図式が現出する。しかもそれは最後まで揺らぐことはない。そもそも、原作の竹取物語はそんな“語るに落ちる”ようなストーリーではないと思う。
本作のようにかぐや姫の内面を描こうとすることは、映画化に当たって理に叶ったことだとは思わない。しょせんは異星人だ。メンタリティがどの程度地球人と似ているかという時点から話を始めなければならず、そんなことをしても労多くして成果は少ないかと感じる。
それよりも突っ込んで描くべきは、彼女に振り回される周囲の状況ではないだろうか。無理難題を言い渡された5人の公達の苦悩や、帝(天皇)の屈託などに鋭く迫れば、それなりのポイントは上げられたと予想する。

技術的な面を評価する向きもあるようだが、私は本作のテクノロジーは大したものだとは思えない。鉛筆線をそのまま活かし、にじみや塗り残しを活かした水彩画風画面で統一したことが目新しいと言われるものの、見ようによっては画面がスカスカになる。少なくとも大友克洋の「火要鎮」(オムニバス映画「SHORT PEACE」に収録)には及ぶべくもない。
さらには(必然性のない)“静止した画像”が幾たびか挿入され、これは“手抜き”と思われても仕方がないだろう。高畑勲監督作品としては、原作マンガをそのまま取り込んだような前作「ホーホケキョ となりの山田くん」の方が方法論として革新的であった。また、キャラクターデザインがあまりにも不格好だ。別に“萌え”の要素を取り入れる必要もないが(笑)、もうちょっと魅力的な絵柄を採用して欲しかった。
一方で良かったのが声の出演で、主演の朝倉あきをはじめ、高良健吾、地井武男、宮本信子といった面々が的確な仕事をこなしていた(宮崎駿の「風立ちぬ」とは大違い)。なお、地井は製作中に他界してしまったため、一部は三宅裕司が担当している。
かぐや姫がイノシシに襲われるところを危うく彼に救われたことから、二人の距離が縮まってくるという設定だ。捨丸は“野生児”であり、リーダーシップがあり、たくましい存在だ。いわば素朴で住民同士の人間関係も濃密な“田舎暮らし”の象徴でもある。ヒロインは彼および彼の仲間達と過ごした日々を、かけがえのないものだと思っている。

対して、彼女がその後に直面する都での大邸宅暮らしと、周囲だけが勝手に盛り上がっているような“縁談”等は、生き馬の目を抜くような世知辛い“都会でのセレブな生活”(?)の典型的な表現パターンである。つまりここに“人情味溢れるカントリーライフ”と“殺伐としたアーバンライフ”という、判で押したような単純二項対立の図式が現出する。しかもそれは最後まで揺らぐことはない。そもそも、原作の竹取物語はそんな“語るに落ちる”ようなストーリーではないと思う。
本作のようにかぐや姫の内面を描こうとすることは、映画化に当たって理に叶ったことだとは思わない。しょせんは異星人だ。メンタリティがどの程度地球人と似ているかという時点から話を始めなければならず、そんなことをしても労多くして成果は少ないかと感じる。
それよりも突っ込んで描くべきは、彼女に振り回される周囲の状況ではないだろうか。無理難題を言い渡された5人の公達の苦悩や、帝(天皇)の屈託などに鋭く迫れば、それなりのポイントは上げられたと予想する。

技術的な面を評価する向きもあるようだが、私は本作のテクノロジーは大したものだとは思えない。鉛筆線をそのまま活かし、にじみや塗り残しを活かした水彩画風画面で統一したことが目新しいと言われるものの、見ようによっては画面がスカスカになる。少なくとも大友克洋の「火要鎮」(オムニバス映画「SHORT PEACE」に収録)には及ぶべくもない。
さらには(必然性のない)“静止した画像”が幾たびか挿入され、これは“手抜き”と思われても仕方がないだろう。高畑勲監督作品としては、原作マンガをそのまま取り込んだような前作「ホーホケキョ となりの山田くん」の方が方法論として革新的であった。また、キャラクターデザインがあまりにも不格好だ。別に“萌え”の要素を取り入れる必要もないが(笑)、もうちょっと魅力的な絵柄を採用して欲しかった。
一方で良かったのが声の出演で、主演の朝倉あきをはじめ、高良健吾、地井武男、宮本信子といった面々が的確な仕事をこなしていた(宮崎駿の「風立ちぬ」とは大違い)。なお、地井は製作中に他界してしまったため、一部は三宅裕司が担当している。