元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「アムス→シベリア」

2013-12-27 06:32:00 | 映画の感想(あ行)
 (原題:Sibelia )98年オランダ作品。話の内容自体はマアマアだったように思う。アムステルダムを舞台に、無軌道な日々を送る野郎二人組と、素性の分からない女の子との青春群像を描いた一編。

 ヒューホとゴーフは、アムステルダムにやってくる若い女性観光客をナンパして金をくすね取ることを“生業”にしているロクでもない奴らだ。そんなある日、彼らのターゲットになったララにゴーフは惚れてしまう。勢いで共同生活を始めてしまった3人だが、ゴーフがララの出身地だというシベリアに彼女を連れていってやりたいと言ったのをきっかけに、ヒューホは“国籍の異なる女と15人先に寝たほうが貯えの全額を取る”というゲームを持ちかけ、状況はややこしくなる。



 要するに、奔放な女に振り回される男どもを描くという、昔から良くあるパターンだ。今回はヒロインの独特なプロフィールやアムステルダムの街の雰囲気といったものが効いていて、まあ退屈しない程度のドラマには仕上げられている。

 ロバート・ヤン・ウェストダイクの演出は、ストーリー運びに関しては無理はないが、チラチラとうるさい“画面処理”には閉口。公開当時に各誌の批評を読んでみると、カラーとモノクロを反転させたり、高速度撮影とコマ落としを繰り返したり、ちょっと変わったアングルで撮ったりすることだけが“若々しい新感覚の映像”だと勘違いする評論家が世の中にはけっこういるのだなあと実感したものだ。

 ゴーフ役のルーラント・フェルンハウトをはじめ出ている連中には全く馴染みはないが、そこそこ達者な演技は見せている。ラストの処理は作者のケレンか感じられるものの、けっこう面白く観た。
コメント
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