元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」

2007-10-01 06:45:17 | 映画の感想(さ行)

 こういうネタを扱うにしては、上映時間が長すぎるのではないか。舞台は壇ノ浦の戦いから数百年経った日本のどこかの村で、そこでは源氏派と平家派が村の財宝を巡って対立しており、そこにさすらいのガンマンがやってきてどうのこうのといったセルジオ・レオーネの「荒野の用心棒」のパクリみたいな設定はもとより、出てくる連中がもろ西部劇のカッコで、セリフも全編英語という胡散臭さ。かようなキッチュさを売り物にした映画は、ボロの出ないうちにサッと切り上げるのが肝要だが、作者(三池崇史監督・脚本)はそのへんが分かっていない。

 マカロニ・ウエスタンにオマージュを捧げるのは一向にかまわないし、楽屋落ちか新劇調か何かの面白くもないギャグを入れるのも、まあ御愛敬だ。しかし、中盤のまだるっこしい展開はいったい何だ。二つの派閥それぞれの親分格の自己陶酔的なパフォーマンスなど切って良し。源氏の大将の情婦にまつわる因縁話なんぞまったく面白くなくてアクビが出た。

 しかも、ダラダラしている割には大切なプロットが全然描けていない。終盤に財宝の在処の“真相”みたいなものが示されるのだが、最初から財宝を(小出しにでも)有効利用していれば村が荒れ果てることもなかったはずだ。酒場のオバサンの“正体”も“なんじゃこりゃ”である。それならそうで彼女が最初から手を打っておけばここまで問題は大きくならなかったではないか。

 見た目がメチャクチャだから脚本もメチャクチャで良い・・・・とでも思っているのだろうか。ケレン味たっぷりのエクステリアだからこそ、大まかな筋は通すべきだし、その上でこそ破天荒なアクションは盛り上がるのだ。クエンティン・タランティーノもゲスト出演しているが、タラン氏だったら冗長な部分はカットし、ストーリーを煮詰めてあと30分は削るだろう。

 活劇部分は頑張ってはいるが、ラストの“刀vsピストル”の立ち回りを除いて特筆すべき物はなし。伊藤英明や伊勢谷友介、佐藤浩市などの濃いキャスティングも、よく考えてみたら別に彼らでなくてもこなせそうだ。ヒロイン役の木村佳乃は論外。良かったのは桃井かおりぐらいだ。印象的だったのは北島三郎によるエンディング・テーマ。往年の“ジャンゴのテーマ”のカバーだが、朗々としてカッコいい。年末の紅白歌合戦でも歌ってほしいものだ(^^)。

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