けっこう笑える映画である。本作はパート3ということになっているが、前二作は私は未見。それでもこの登場人物達はTOHOシネマズの“上映前のマナー周知画像”で頻繁にお目に掛かっているので、初めての映画版鑑賞でも違和感なく付き合えた。もちろんギャグのパターンも承知済で、上映中に置いて行かれることが無かったのは有り難い(笑)。
世界征服を企む秘密結社・鷹の爪団のメンバーが休暇を終えてアジトに戻ってみると、何者かに事務所内は荒らされていて、しかも組織のメカ製造担当であるレオナルド博士が行方不明。折しもアメリカのオババ大統領が突如核兵器の放棄を宣言。軍需産業の大手「サドルストーン・コーポレーション」はこの方針に激しく反対し、勝手に独自で新型兵器の開発に着手してしまうのだが・・・・。この国際陰謀めいた大きなネタと、鷹の爪団の侘びしい四畳半的世界が巧みに絡み合うところが脚本の妙であろう。演出はもちろん製作やキャラクターデザイン、声の演出なども一手に引き受けるFROGMANの実力は侮れないと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/ba/9ba506728fc4d5bb2643cfa9a498dfd5.jpg)
前作から取り入れられて好評だというバジェットゲージ(予算増減メーター)が画面の右端に挿入されるのが笑える。このバジェットゲージは映画が進むにつれ低下していくが、スポンサーの露骨な宣伝行為を行うと一気に上昇するのだ。さらに映画の途中で眠ってしまった観客のために、それまでの“あらすじ”が中盤に出てくる。しかし、当然ながらそれは何のフォローにもなっておらず、ただのおちゃらけだというのが(観る前から分かっていても)面白い。
個々のギャグの切れ味は鋭く、特に作者の出身地である島根県をおちょくったネタの数々には“ここまでやるか!”とばかりに呆れて笑ってしまう。鷹の爪団以外にも、アメリカの特殊部隊TTTT(何の略かは言わぬが花 ^^;)のエージェントのジョン・ジョロリンや、敵の首魁など、かなり濃いキャラクターが揃っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/ad/077d1cbf605c5a3105321da5edc137e2.jpg)
ただし、いくら練られているといっても所詮はお手軽なFLASHアニメ。劇場でカネ取って見せるのはちょっと辛いと思われるのだが、今回は大きな仕掛けが用意されている。何と山崎貴率いるSFXユニット“白組”が全面協力。敵のメカのデザインと活劇シーンを担当しているのだ。FLASHアニメとの落差が凄まじいハイ・クォリティな画面だが、これ自体をもギャグに昇華してしまうのは天晴れである。
それにしても、終盤近くの展開はいかにも“ありそうな話”で、時事ネタをしっかり押さえた求心力の高さが印象付けられる。たぶんこういう事態になっても、劇中で描かれたように日本の政治家達はボーッとしているだけなのだろう。政権が変わっても、外交のイニシアティヴが取れない我が国の状況には、考えただけで暗い気分になってしまう。
世界征服を企む秘密結社・鷹の爪団のメンバーが休暇を終えてアジトに戻ってみると、何者かに事務所内は荒らされていて、しかも組織のメカ製造担当であるレオナルド博士が行方不明。折しもアメリカのオババ大統領が突如核兵器の放棄を宣言。軍需産業の大手「サドルストーン・コーポレーション」はこの方針に激しく反対し、勝手に独自で新型兵器の開発に着手してしまうのだが・・・・。この国際陰謀めいた大きなネタと、鷹の爪団の侘びしい四畳半的世界が巧みに絡み合うところが脚本の妙であろう。演出はもちろん製作やキャラクターデザイン、声の演出なども一手に引き受けるFROGMANの実力は侮れないと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/ba/9ba506728fc4d5bb2643cfa9a498dfd5.jpg)
前作から取り入れられて好評だというバジェットゲージ(予算増減メーター)が画面の右端に挿入されるのが笑える。このバジェットゲージは映画が進むにつれ低下していくが、スポンサーの露骨な宣伝行為を行うと一気に上昇するのだ。さらに映画の途中で眠ってしまった観客のために、それまでの“あらすじ”が中盤に出てくる。しかし、当然ながらそれは何のフォローにもなっておらず、ただのおちゃらけだというのが(観る前から分かっていても)面白い。
個々のギャグの切れ味は鋭く、特に作者の出身地である島根県をおちょくったネタの数々には“ここまでやるか!”とばかりに呆れて笑ってしまう。鷹の爪団以外にも、アメリカの特殊部隊TTTT(何の略かは言わぬが花 ^^;)のエージェントのジョン・ジョロリンや、敵の首魁など、かなり濃いキャラクターが揃っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/ad/077d1cbf605c5a3105321da5edc137e2.jpg)
ただし、いくら練られているといっても所詮はお手軽なFLASHアニメ。劇場でカネ取って見せるのはちょっと辛いと思われるのだが、今回は大きな仕掛けが用意されている。何と山崎貴率いるSFXユニット“白組”が全面協力。敵のメカのデザインと活劇シーンを担当しているのだ。FLASHアニメとの落差が凄まじいハイ・クォリティな画面だが、これ自体をもギャグに昇華してしまうのは天晴れである。
それにしても、終盤近くの展開はいかにも“ありそうな話”で、時事ネタをしっかり押さえた求心力の高さが印象付けられる。たぶんこういう事態になっても、劇中で描かれたように日本の政治家達はボーッとしているだけなのだろう。政権が変わっても、外交のイニシアティヴが取れない我が国の状況には、考えただけで暗い気分になってしまう。