がんになってもぽじぽじいこか

2012年6月食道がん発見、53歳でした。始めての体験で体当たりの治療とリハビリ。見つけたものも意外にあり!

新しい年

2013-01-01 15:03:24 | 禁煙
あけましておめでとうございます。
風雨も治まり穏やかな元日を迎えています。
がん以来、生活が変わってしまったので正月でも酒を飲んでいません。
長く吸っていた煙草もやめてしまいました。
で、別に何も変わりがないのです。
つまらない事もない。
止めたつもりもなく止めていた、という感じでしたので、いかにがんのインパクトが大きかったのか。です。

抗がん治療中、喫煙のリスクをききました。
何故この病気になったかをくどくど言う人は周りにおらず、今後のリスクについてのみのアドバイスです。
手術後、喫煙者は痰がいっぱい出る。
これを吐き出すのはつらい事だという。
咳は痛い(確かに痛そうだと思った)
巧く出せないと内視鏡で吸引する。
胃の内視鏡よりつらいという人が多いらしい。
なので、手術が決まったら禁煙はした方が絶対にいい。
先に知っていた方が絶対いい。
確かに、術後はモルヒネのような麻薬の痛み止めを使うくらい大変な時で、
咳をするにも覚悟を決めてするようでした。


さて、年賀状を見て少し複雑なわたし。
「病気の事、ききました、ショックです。早くもとの元気な体に戻ってください、がんばって。」
などの文面。
悪意はなかろうが正月早々傷つくんだよなあ。
これを言ったのが10歳のこどもだったら優しい言葉に感激するだろう。
うん、がんばるね、心配かけてごめんね。
そう言葉を返すよ。
譲歩して30歳までこどもにしてもいい。
社会で中年、老年を迎えて幅を聞かせている人の言葉である。
むかっときます、心底。
あなたはいやでショックでも、もうもとに戻れないから受け入れて頑張ってきた。
だめはだめなりにいつも自分に負けずに笑える自分に出会おうとしてきた。
努力している人に頑張れとは普通は言わない、言えない。

一歩も歩かないでものごとを理解しようとする大人にだけはなりたくない。
りんごの樹を見た事がないけど人から聞いて、本で読んで
「白い花が咲いて赤い実がなるんでしょ」と言い放つようなものだ。
林檎の樹が生えているところまで足を運んでみようとする事が人を育てる。
その樹が立っているところの冬の寒さを知った人は林檎の赤を大切な色だと思うだろう。
大事に林檎を手渡してくれるだろう。
知らないでものを言い放つと高慢さだけが人を叩く。
経験しないとものを言ってはならぬという経験主義をかざしているのではない。
病気のひが目もあるかもしれないが、それを差し引いても言い方ってあるはず。
「大変だったのですね」でいいじゃん。
もとに戻るのはあなたの希望でしかないじゃん。

どうしましょ。
これって知らん顔をして過ぎてしまえばいいのだろう、受け流せばいいのだろう。
解っているが、しんどい。
大人になるのは本当に難しいことだらけだ。