がんになってもぽじぽじいこか

2012年6月食道がん発見、53歳でした。始めての体験で体当たりの治療とリハビリ。見つけたものも意外にあり!

腸ろうについて

2013-01-24 16:11:52 | 食道がん
腸ろうって
腸瘻って書くそうです。
瘻って字の意味はできもの、なんか他の命名はなかったんかい。
がん摘出、食道再建手術の際、一緒にみぞおち左下に瘻孔を開けて、細いチューブを体外に出す。
チューブは小腸の入り口に近いところに入っている。
ここから栄養を取るライフラインだ。
通常2~3ヶ月、お年寄りなんかだと半年近くラインを確保するそうです。
食事がすすんでも焦って抜かず、様子を見るようだ。
医師は「食べられなくなった時の保険」という言い方をしてた。
腸ろうがあってもシャワーはOK
最終的に引っこ抜くのだが、別に麻酔もなく、エイって抜く。
測っていないので正確ではないが、驚く長さが腹の中に入っている。
たぶん40cmくらい、腹から出すとピンとまっすぐにのびる。
こんなものが入っていたんだと驚く。

経腸用液を入れる

点滴でゆっくり小腸に栄養剤を入れる。
この栄養剤、基本的に味がついていて経口摂取も可能なもの、静脈に入れるととんでもないことになるけど。
写真はラコール400cc、コーヒー牛乳、バニラ香料のようなにおい、色はコーヒー牛乳を少し白っぽくした感じ。
手術直後はならすためにもう少し薄い、ポテトスープのにおいの栄養剤だった。

家庭に腸ろうをつけたまま帰宅
病院でレンタルの点滴台を教わり、自宅に宅配してもらう。
これはいくらでもない。安かった。
400ccを一日一本。
30秒で5滴だったと思う、早さを自分で加減する。
胃に入れるのではなく小腸に入るのでどうしても下痢気味になりやすい。
わたしは特にそうだったので遅くして、4時間くらいかけて落とす。
この時間は暴れ回るわけにはいかない、不自由さがつきまとう。
宅配が来て玄関にガラガラと点滴台を引きずっていったら配達のおじさんがびっくりして飛び上がった。
なぜかチューブは点滴台にぐるぐるヘビのように巻き付いてしまうし、つまずくと腹のチューブが引っ張られいやな感じ。
なかなか拘束される。
寝ているときにやれないかとも考えたが、終わってすぐに10倍に埋めた食酢を入れて洗わないといけない。
幸い、腸ろうというのは口に入れる程の神経質な衛生管理を必要としない。
言い方悪いが、日々の事だと助かる。
使う注入器も煮沸消毒じゃなくて台所洗剤で洗ってよし、ミルトン消毒も要らない。水道水を腹に入れてよい。
午前中に点滴を終わらせると午後は出かける事も可能だが、起きてすぐの元気な時間帯をつぶすのはむなしい。
あさから下痢しているのもつらい。
かといって午後取りかかると半日点滴をにらんでいるようで「シャワーあびたい、早く終わってくれ」と不満がつのるのであった。
家庭という自由な場で腸ろうの点滴をするのは、わたしにはストレスだった。わがままだけど。

腸ろうとったら栄養を取る努力を
その分、栄養を経口摂取しないとならない。
ラコールは総合栄養液だが、仮にカロリーのみで計算すると、400Kcal同じだけとるには
牛乳なら600cc、板チョコだと2/3枚、ナッツ60g、干しプルーン175g、クリーミードレッシングだとサラダ5杯分、おにぎりだと3こ。
チューブな胃袋で考えるときわめて大量なのです。
病人ぽいメニューでは野菜煮もの46Kcal/100g、レトルトお粥、雑炊55~88Kcal/1袋、ライフスタイルシリーズというレトルトカレー128Kcal/1食、ポタージュスープ70Kcal/1杯とんでもない量を撮らないと足らない。
経口の栄養液(ラコールと変わりないんだけど飲むのに適した容量)を、処方される。
保険が適用される。
エンシュアが処方された。ミルキー味。好きな人は好きかも。

売店でもいろいろ売っていてコーンポタージュ味、バナナ味、イチゴ味いろいろ。
あくまで栄養目的なのでドロドロして人が作った味です。
明治のブリック(手元にない)ゼリー、コーヒー味はわたしには比較的食べやすかった。
上記の計算を考えると残しても少しは飲もうという気になるかと思います。

腸瘻後、わたしはトラブル
抜いてから数日、激しい腹痛。
娘は腸閉塞を心配していたようだ。
痛み止めで過ごしてしまった。
だって腸ろう逆戻りなんてまっぴらだったので悪い患者は我慢して過ごした。
次のCTでは腸の一部に拡張が見られた。
詰まった先がパンパンにふくれている状態。
腹の上からでもまるでたまごが下に入っているくらいふくれているのがわかる。
が、動いて触れなくなる事もある。
結局、腸閉塞で入院した。
腸をよく動かす薬を飲む事と、繊維の多いものを避ける事で様子を見ることとなる。
腸閉塞を起こしやすいものは柿、食物繊維だそうだ。
これは、わたしのケースで、皆が腹痛になるとは限らないのでご心配無きように