がんになってもぽじぽじいこか

2012年6月食道がん発見、53歳でした。始めての体験で体当たりの治療とリハビリ。見つけたものも意外にあり!

パジャマを脱ぐ時って

2013-01-10 18:12:09 | 心のリハビリ
手術から4ヶ月半が過ぎている。
パジャマがなかなか脱げない。
正確にはパジャマだけでは寒いからルームウェアで一日を過ごしている。
ほぼ似たようなものなので一緒にくくることにするね。
色はきれいめ、もこもこ素材。しかし干物女。

入院当初はパジャマで一日を過ごす事に抵抗感があった。
病院の窓は飛び降りられないように少ししかあけられなくなっている。
違う世界に来ちゃったな、と感じたものだ。

娘は「パジャマ、管理しやすいもん」という。
「だって、パジャマ着せないとお母さんみたいな人ってすたすた外に行って居酒屋でボトルキープしてタバコ吸って大騒ぎしてもわかんない。スリッパはいてパジャマの人がふらふら歩いていたらみんな気がついて知らせてくれる」
入院する程の患者ですものね。なるほど。

元気なうちはそういう心配もあっただろう。
すぐにあっというまに抗がん治療開始とともにパジャマはわたしの皮膚になじんだ。
退院後も永遠にパジャマが脱げない気分。
無気力ではなく、休んでいたい。
それにルームウェアはもうもう一体感で、オシャレなど意味がないと思える。
楽。これ以上の何がある?
鏡を見ても痩せた見たくない顔が映るから、やだ。
食べて寝るだけの闘いで精一杯。
パジャマからの脱却は意外とハードル高い。
飛び降りられない、あけられない病院の窓のよう。
当初、空けたい願望があったが、諦め感。
すごく隔たりがある。

きょうようやく、銀行に行く。
帰りにニトリでごろ寝用の新しいソファを買う。(未だごろごろ時間長い)
思い切ってアウトレットに足を伸ばし、奮発してバーバリーのコートを買う。
ユニクロでなく、いいコート。
いわゆるバーバリーってかんじじゃなく、普通のウールのコートに見える。
もの凄く細身で着ても貧相に見えない。
それにすごく暖かい。
パジャマじゃないものを着てみるきっかけを作ろう。
希望を買って帰ってきた。

以前、心の迷いで部分カツラ65,000円を購入。
これはどぶに捨てたような買い物だった。
このバーバリーの赤いコート(なんと赤!)はどぶ行きじゃなく表に出て行くパスポートになってくれ、と思っている。
けっこう悲願なんです。
まだまだリハビリは長い。
仕事復帰までは幾節あろう。
帰り道、いつもながら気分が悪くなる。これにも慣れてきた。

パジャマから普段着。
体調の改善は基本、必須。
それにそってか、気持ちも変わり始める。
背伸びして気持ちが街着をほしがった、それが嬉しくて買ってしまった。

わたししか着れない細いコート、元気になるしかないぞ。