読み終わった。
あたしにしては読むペースが遅かった。
っていうか、極力抑えて読んだんですけどね。
でもやっぱ一気に読んだ方がいいかも。
気になって仕方ないんだもん。
ルールは越えられる。世界だって変えられる。
読書界を圧倒した記念碑的名作。文庫化にあたり改稿。
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。
家族には、過去に辛い出来事があった。
その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。
連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。
そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。
謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。
溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
ミステリーって言う程、ミステリーな感じではないけど面白かった。
登場人物がみんな魅力的。
兄・泉水(いずみ)、弟・春(はる)、共に英語で「スプリング」の兄弟。
徐々に真実に近づく中で、様々な人物が絡み合ってくる。
「オーデュボン~」に出てた伊藤や、
「ラッシュライフ」の黒沢出てきて
ファンには堪らないですね。
人は遺伝子を超えられるのか?
血の繋がりは重要なのか?
事件と同じくらい、いや、
それ以上にそこに焦点があるように思いました。
“春が二階から落ちてきた”
冒頭から一体何事なんだ?と思った。
そして最後もまたその文章で締め括られている。
まさに伊坂ワールドですかね。
「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」
って春が言った言葉に、そうなのかも・・・?と思った。
けど、それがなかなか出来ないのが人間なのだ。
「兄貴、ここで俺を許すと、もし今後、子供ができて、
『どうして人を殺しちゃいけないのか』って訊かれた時に、
きっと困ることになるよ」
春はそう言ったけど、春を許さなくても、
その質問を訊かれた時、何て答えて言いか分からないし、
・・・・・難しいと思う。
確かにいけないことだとは思う。
けど、その置かれた状況によって人間だから感情が左右する。
春の場合だったらあたしは許したい。
けど相手側の気持ちになれば、許せないのかもしれない。
“殺されて当然だった”って思ってても、
やっぱり引っ掛かるかも。
人間が生きていくルールの中で殺してしまうのは、
どんな状況であれやってはいけないことなんだと思う。
けどやっぱ難しいね。
今度は「アヒルと鴨のコインロッカー」を読みたいと思います。