105ft.のマキシトリマランが転覆した

2008年02月19日 | 風の旅人日乗
ジュールベルヌ・トロフィー世界一周スピード記録に挑戦していた全長105ft.のトリマラン《Groupama3》が、2月17日23時過ぎ(GMT)、ニュージーランド南東80海里沖の海域で転覆したようです。幸いなことに乗組員は全員無事で、ニュージーランドのレスキュー隊によってヘリコプターで救出されたとのことです。

スキッパーのフランク・カマスによれば、スターボードタックへジャイブした直後に、左舷側(風下側)のフロート(アウトリガー)が崩れ波に呑まれて真っ二つに折れ、次にそれを支えていたビームが折れ、そして180度の転覆に至ったそうです。
転覆当時の海況は南西風、風速25-30ノット、波高は5-7m。クルー10名は全員怪我もなく、転覆からわずか3時間後にはニュージーランドのレスキュー隊によって無事に救助された。救出時に波高が2mに収まっていたのも幸いしたようです。


2006年に全長110フィートのトリマラン《GERONIMO》のクルーとして太平洋を横断しましたが、波の悪い海域では、モノハル艇では経験し得ないほど波にものすごく叩かれ、いつ壊れてもおかしくないと思いました。船体中央とトランサムにある脱出口からの脱出方法やサバイバルスーツの収納場所を全員で確認し合ったものです。