4月某日 東京・奥沢 ミルキーマン

2010年04月18日 | 風の旅人日乗
[photo/Tokyo Calender]

海とセーリングに親しむ次世代日本人が増えてほしいと願う活動に
水を差されたことがキッカケになって、
近頃なんだか、ココロが疲れているように感じたので、思い切って気分転換。
財布に少々無理をお願いして、東京の奥沢にある田島さんのお店に元気をもらいに行く。

[photo/Tokyo Calender]


ハートランドのビールのあとは、1年ぶりの再会でも喉が忘れていない藤娘。
四万十川の清流が、カラダの中に滲みわたっていく。
つい最近初めて飲んだ、広島の雨後の月の、透明な味にも驚かせられたが、
藤娘、おまえも変わらず、濁らずにいてくれたんだなあ。

[photo/K.Nishimura]

田島さんのごつい指が創り出す繊細な料理の数々。
紀伊勝浦から東名高速に乗って築地まで走ってきた本マグロ。
近況をやり取りする、どおってことのない会話。
そして、酌めども尽きなくどこからか立ち現れてくる藤娘。
久し振りに贅沢な時間を堪能させていただいた。

[photo/Tokyo Calender]

お仕舞いまでいて、翌日の東京湾でのセーリングに持って行けと、
竹の子ご飯をメインにした立派な弁当まで作ってもらい、
幸せな気分でお店を出る。

その弁当を持ってのんびりブラブラ奥沢の駅まで歩いていたら、
後ろからバイクが迫ってきて、追い抜きざまに無言で不二家のミルキーを五つ手渡された。
ヘルメットを被っていたが、家に帰る途中の田島さんだったのだろう。
そうじゃなかったら、コワイ。



4月某週末 相模湾

2010年04月18日 | 風の旅人日乗
土曜日。強くもなく弱くもない南東風が気持ちいい。

逗子マリーナから出て、葉山沖から江ノ島沖にかけての海をセーリング。
出航前に、初めて水に降りた艇にシャンパンのシャワーを浴びせ、初セーリングを祝福する。
同時に、これからのそのヨットの安全航海を祈念する。
将来のレースでの勝利も願って、シャンパンは、勝利のシャンパン(と信じられている)モエシャンドン2本を奢る。

さわやかな、いかにも春らしい南東風の中で思う存分セーリングしたあと、
艇を洗って、逗子の街に出る。
まだ陽は高いけど、今度はクルーたちが自分でお酒を浴びる番だ。
夕食の時間まで、みんなでたっぷり浴びました。

翌日の日曜日は、一転して、寒い北風の一日。
初めて一緒に乗せていただくチームで、5月のレースの準備を兼ねて、この日のクラブ・レースに参加。
シーボニアから出航して、長躯葉山沖のレース海面まで、1時間近く北上する。
その間、船内のテーブルを挟んで、その艇を設計したデザイナーから、
その艇の得意な部分、弱点、現在のところの問題点などについてのお話を聞く。

第1レース、別のレースのマークを自分たちのレースの第1マークと間違えて、
いきなりの大オーバーセール。意気消沈。
第2レース、第1レースよりも順位を上げたものの、なんだか、スッキリしない。

レースが終わった後にオーナーからステアリングを替わっていただき、
初めてこの艇のステアリングを持つ。
強さを増した北東風を使って、
スピネーカーを揚げたままシーボニアまで走ることにする。

ラダーブレードに、水が粘りついている感じ。例えて言えば、ゼリーの海を走っているような。
つい何日か前に乗ったフランス艇のアーシャンボー35でも、昨日のアウトラダーのレーザーSB3でも感じなかった、不思議な感触。

でも、スピードが悪いわけではない。艇の反応が悪いわけでもない。
日本を代表する一流のヨット・デザイナー2人が共同で設計したヨットだもの、問題があろうはずがないのだ。

でもこの感触は、不思議だ。
ブレードのバランスの特性? ブレードの形の特性? ラダーベアリングの特性?
不思議なラダーの感触の理由を一生懸命考えながら走っているうちに、
シーボニアに到着。

血統的には間違いなくサラブレッドなのだから、
オーナー以下チームの皆さんは、進水後これまで2年間のレース成績に
不本意な思いを抱えていることだろう。

5月のレースで、ある程度の結果を出すには、どうしたらいいか。
帰り道、考え考え車を走らせた。
レースまでに、自分にもっと乗り込むチャンスがあればいいのだけれど。