小笠原村父島2月無作為日記-5

2011年03月08日 | 風の旅人日乗
東京湾を出るときに、船の速度やら風向やらを頭の中で計算して、
八丈島の横で日没だな、と見当を付けていたら、
本当にピッタリと当たって、そのことが、
我ながら、可愛くも他愛ないことではあるが、
嬉しいことだった。



翌日は、小笠原群島北端、聟島列島のちょい手前で日の出。
これも見当どおりで嬉しい。ウフフ。
他愛ないね。


さてその太平洋の南東端のケープホーンでは、
フランシス・ジョワイオンが持つ単独無寄港世界一周記録に挑戦中の、
トーマス・コビルが奮闘中。

昨日3月7日現在で、コビルのペースはジョワイオンの記録に約750海里遅れている。
いい風が吹くと1日強の遅れに過ぎないけれど、
この先には風が不安定な赤道も待ち構えているので、
かなりのプレッシャーを感じていることだろう。

3月28日の午前0時ちょい過ぎ(GMT)までに英仏海峡入り口に着いたら、
コビルはジョワイオンの記録を破ることができる。

トーマス・コビルが、どんな激しい、限界ギリギリのセーリングで
世界記録&ジュールベルヌ・トロフィーに挑んでいるか、
スタート直後の怖ーい連続写真がDaily Sail電子版で紹介されている。

[photos from the Daily Sail]







[photos from the Daily Sail]


ピッチポール沈寸前まで行ったこの艇は、ディンギーじゃない。
後ろから撮っているから大きさが分かりにくいけど、
全長105フィート(32メーター)もの、マキシ・トライマランだ。
ホビーキャットのピッチポールだって、心臓が凍るのに、な。

しかも、その危機から立ち直ったあとの、ヒール角度も半端じゃない。
大型外洋マルチハルがここまで傾くことはあまりない。
そのままオーバーヒール沈してもおかしくないくらい、
復元力がほとんど残っていない状態だ。

いろんなヨットのセーリング試乗レポートを連載させていただいているヨット専門誌KAZIでは、
来月号は、かなり面白かった外洋トライマランについて書く予定なのだけれど、
マルチハル・セーリングのメカニズムは、モノハル以上にピンキリの幅が大きく、
書き出しの取っ掛かりに、往生している状態。