1月16日 東雲

2013年01月16日 | 風の旅人日乗
朝。目が覚めて、ベッドから降りて
床に足を伸ばして身体をストレッチしながら
ほとんど毎秒毎に色を変えていく東の空を眺める。



広大でかつ漆黒の宇宙の中にけし粒のような天体があって、
その天体は、無数の天体の中ではとても希有なことに
薄皮のような空気の層と水を持ち、
厳しい宇宙環境から
かよわくて、はかない生命を守ることができる。
その天体に、すごいばかりの幸運と偶然で生まれ落ちた生物である。

と、自分のことをイメージしてみる。

その天体に存在することが許されている時間はとても短いとは言え、
そんな幸運に恵まれるなんて、ありがたいことだなあ。

なんてことを数秒考え、
一秒後にはそんなことなどすっかり忘れて、
本日分の些細な懸案事項に頭を占領されつつ
朝のウォーク&ランへ。

今日一日働いたマリーナに、
グレッグ・エリオットの最新作E35SSが上架されていた。



来週のベイオブアイランド・レースウイークの準備だとか。



こんな、カッコいい黒のマット仕上げにするには
どんなペイントを使えばいいのか?

この艇を造ったグレッグ・ソルトハウスがちょうど来たので
聞いてみたら、
「ステッカーだよ。重いし、ぶつけると剥がれるしね。」
と恥ずかしそうに。

アメリカズカップ艇やTP52などのハイエンドのレース艇は
船体塗装をアンダーコートだけにして、
細目のペーパーで磨いてマット仕上げにしているけど
実際は毎日のメンテナンスが大変だ。

重くなるけれど、妥協案としてステッカーという手もあったわけだな。
本日もひとつ、いい勉強をしました。