2016年3月16日 ウミウシ

2016年03月16日 | 風の旅人日乗

朝の浜ランの後の雲
ただの曇り空の雲も
じっと観察すると
綺麗だな


本日も
ほぼ一日マリーナにて

修理に出すセールが
乾くのを待つ間

桟橋に寝そべって
春うららの海中を
覗き込む

でっかいウミウシが
何やら捕食活動中

その名の由来が
ずっと不思議だったけど

これだけデカいと
確かに
牛のように見えなくもない

それまで
のんびりとゆっくりと
海中散歩をしていた
ウミウシ君が

突然

まるで
電気に触れたかのように
体を激しく動かして
その場を
少しでも早く
逃れようとするかのように
もがくが

体は思い通りに動かず
ズルズルと
海底へと滑っていく

そして最後は
まるっきり動かなくなって
舞うように
海底に落下していった

突然の命の幕切れ

それまで
その大きなウミウシが這っていた
岩のくぼみに
小さな小さな
生まれたばかりのような
ガンガゼが

それを感知できなかった
ウミウシに覆いかぶされ
恐怖のためか
あるいは怒りの
毒針を発射したんだろうな

うららかな春の海中に
凄惨な光景を見てしまった

人間だけじゃなく
どんな生き物たちも
厳しい現実の中で
一所懸命生きているんだな

てなことを
一人でぼんやりと思った
平和なマリーナの桟橋の上


見えにくいけど
力尽きて海底に沈んでいく
ウミウシ

そのカラダの下から
若いガンガゼが見えてきた