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『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の感想

2009年09月23日 20時19分00秒 | 俺のそれ
かつての日本を知るには、良い教材となった作品。

熱病の如く日本を覆った学生運動とか、共産主義革命?志向とか、荒唐無稽な物語であったのだろうな、とは思う。

現在のテロ活動や騒乱にも似た状況は、日本で行われていたことなのだとは、にわかに信じられない。東南アジアのどこかの国の一つです、と解説されても「そうかもしれないな」と思うくらい。昔の映像資料が白黒なので、今とは違うなと感じる程度かな、と。


以前に「総括」というつるし上げみたいなのがあったのかな、と思って書いたのだけれど、まさか本当にそういう世界があったとは思いもよらなかった。ぼくはまだ小さかったから、よく知るはずもなかったけれど、いかにもそれっぽい人たちが日本人には多く存在したのだな、とは思った。


単なる狂気の集団、というのが、連合赤軍についての印象。闘争とか革命とか言うのも、妄想や洗脳の類ではないかとしか思えなかった。似てると思ったのは、まるで「オウム真理教」とかの狂信的集団とか。それとも、北朝鮮の洗脳教育みたいなものとか。近いものがあるように思う。


おぞましいリンチというか、集団殺人みたいなものは、日本人のイジメの基本構造をあまりぴったり反映しているように思われた。日本軍の軍人とかの、ああいう気質とかにも似たものがあるんじゃないかとも思えた。

自己批判せよ、総括せよ、そういう言葉の中に、狂信性みたいなものや極端に純化を求めるとか、他者との同調性とか、あまりに気味の悪い、到底思想とか哲学といったものと呼ぶことのできない、究極的「オタク性」っぽいものを感じた。


かつての日本人の若者たちが、どうしてあのような活動にのめりこんでいったのか、というのは、私にはよく分からなかった。
たとえて言うなら、現代の「アニメおたく」とか「鉄道おたく」とか「ネットゲーム中毒」とか、そういうのに熱心に取り組む代わりに、学生運動であったのかな、と。当時には、他の適したものがあんまりなかったから、ということなのかなと。

いずれにせよ、恐怖の狂信集団はいろんな時代に登場してくる、若者たちの中からそういうのに染まりやすくはまり込む人たちが出てくるのだろうな、と感じた。