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行刷と予算削減のこと

2009年09月28日 18時18分33秒 | 政治って?
昨日の記事にも書いたけど、行刷の機能としては「削り」がメインになると思うので、年末までに予算の骨組みを固めなけりゃならないとなれば、時間がない。悠長に、「無駄だ、いや必要だ」みたいに腰を据えて議論している時間的余裕というのはあまりないのだ。ここはひとつ、「削り屋」の本領を発揮してもらいましょう、というようなことになるだろうね。

そこで、どうするか?

考え方の一例を書いてみるから。


まず、各省庁に必要な予算を出してもらう、というのは、これまで通りだね。で、ここからが重要なのだけれど、それぞれの省庁自身に「優先順位付け」させるのだ。人呼んで「生贄作戦」(笑)。

財務省にお願いに行くつもりになってもらって、全ての予算項目について順位を付けてもらう。ま、あんまり細かい部分までだとできないので、大項目~中項目という風にサイズを区切ればいい。言ってみれば、本の目次とか見出しみたいなもんだ。そういう項目を作って、序列を一覧で作らせる。

続いて、順位付けの目安とか、優先度のパターンによって色分けする。たとえば、赤は最重要項目で削減許容幅は最大で10%以下、とか。で、目安として、順位ランク(それとも、予算の項目ごと合計額)上位20%以内、次の20%、次の20%…という感じにするのだ。そうすると、こんな風になる。

(上位から概ね20%区切りくらいの順位)

・赤:削減幅~10%以下
・橙:同~30%以下
・黄:同~50%以下
・緑:同~70%以下
・青:同70%以上~(全廃も有り得る)

色分けは全てきっちり2割ずつじゃなくてもいいが、甘くすると霞ヶ関では「全部に赤(=ビタ一文削れない)」とかで返ってくるので、それを防ぐ(笑)。まずは自分たちの手で「生贄を差し出してもらう」、ということだ。あまりに「面倒くせー」と考える財務官僚とかであると、四の五の言わずに青を全部カット、とか言いそうかも。青は問答無用、みたいな。その場合、優先順位の低い青を全部カットすると、各省庁で持つ予算額のだいたい2割が自動的にカットできるという驚異の作戦なのである(笑)。

ま、そこまでいくと「乱暴だ」という非難も湧き起こってくると思うので、中身の精査は必要だから、青を全てカットせよ、ということにはしなくともよい。でも、赤の項目は切る額が少ないので、どうしても削減余地は小さいだろう、ということにはなるわけである。通常は必須的支出項目が該当してしまうだろう。そういう中からでも、3%なり5%なりをカットすれば、少額だろうとかき集めることは可能になる。予算額5兆円あるとして、赤の1兆円のうち5%カットで500億円が捻出できる、という寸法だ。

こうやって、自分の省庁の予算の順位を付けてもらって、青に向かう程切られやすくなる、ということにするわけである。

色で分かれると、分類がしやすく、紙に項目を書いておいて、青だけ集めてきて、その中から「優先順位の低いもの」というものを集めてゆくと、削れるものが見つけやすくなるんじゃないかな、と。

何たって、民主党公約によれば数兆~数十兆円もの金を捻出しなければならないので、尋常な削減手段を取っていても埒があかない、ということはあるからね。各省庁間で「そっちを削れ」とか乱闘になってもしょうもないし。
政治的には、例えば「防衛庁の黄」と「警察庁の黄」では重みに違いがあるかもしれないし、更には「農水省の橙」とか「国交省の橙」の方が優先順位ランクが低いかもしれないね、ということはあるから。そういう「政治的な部分」を行刷が仕分けをして、考える必要があるんじゃないですかね、ということです。


まあ、でも、実際には、「ブルー・ストリップ」を貼り付けられると、ほぼ絶望的というかアウトだな、みたいな愕然とした感じになるわけである。その分類に放り込まれた予算項目は、グッバイ、サヨナラ~~という終末っぽい感じが出ているわけである。
この順位を決める作業を通じて、各省庁内で悩み抜け、激しく争え、ということにはなりますわな。隣の部局の予算をいかに”青”に蹴落とすか、自分の予算をどうやって上位ランクに入れさせるか、ということが真剣に討議されることだろう(笑)。


あるとすれば、行刷に行ってからの、どこかの省庁の「赤」が大胆にカットされたんだってー!みたいな、あれだ、「○○建設工事中止」みたいな、超大胆な政治決断が発生したような場合、運良く他が救済される可能性がないわけではないかもね。行刷内にも官僚たちが入るだろうから、出来るだけ自分の出身省庁ではない、ヨソの省庁の項目の精査を担当した方がいいような気がするよね。思惑に縛られ難くなるから。例えば、警察庁官僚は環境省を、財務省官僚は国土交通省を、厚労省官僚は外務省を、金融庁官僚は財務省を、みたいに、違う分野の予算を担当すればいい。そうすると、ヨソではいかに「無駄遣いしているか」というのが、よく判るはずだから(笑)。心の中で、「コイツらが無駄遣いしているから、ウチの予算が減るんじゃないか」などと思うかもしれないよ。


こういう色分け以外には、是非とも取り組みたい新規事業の予算とか、そういうのは別立てで行った方がいいな。削りが大きい省庁の場合、そこから新規に回す分を増額してもらう、といった弾力性がある方がいいからね。節約を頑張る省庁ほど、青とか緑を増やすかもしれないので、そういう省庁には努力の成果として、別な新規予算を多く分配することがあってもいいと思うので。何か別な色をつけたければ、特定の色を決めてもいいかもしれません。



こういう具合に仕分けをして、削減ターゲットを絞り込んでいけば、かなり大きな金額であってもかき集めることは不可能ではないだろう。ただ、削られた項目が消えることによって、どのような事態が引き起こされるか、というのは、定かではないのだけれどもね。単に削るだけではなく、一応、なくなったら何が困るかということについては、よく検討しておいた方がいいだろうね。
かつてあったのは、障害者福祉に関する分野とかのように、反対勢力があまり強くない人たちばかりであると、障害者自立支援法みたいなのをサクッと通される、ということはある(反対の多数派が世の中に形成されにくい)ので、省庁が何を生贄に差し出してくるのか、というのは注意が必要な場合もあるからね。


いきなり初年度から全ての無駄の粛清を達成できるとも思えないので、今の時点では何とも言えないが、そこまで成果を急がないにしても、削りの方法はあるだろうと思う。




こういう時は、そっとしておくに限る(ちょっと追記)

2009年09月28日 13時23分05秒 | 政治って?
亀井さんの性格をもうちょっと読めばいいものを(笑)。

はてなブックマーク - 金融音痴を露呈した民主党 「返済猶予」が引き起こす深刻な副作用 JBpress日本ビジネスプレス


あのね、記者の質問とか、今後一切「モラトリアム」とか「返済」「猶予」とかには触れちゃだめだよ(笑)。禁句ね、禁句。

多分、亀井さんの性格としては、周囲の人間がこれは絶対に止めなさい、ダメだ、やるな、とか言えば言うほど、「よーし、やってやるぜ」と燃えるタイプなんだから。逆境に追い込まれれば追い込まれる程、「絶対に信念を曲げない、石に齧り付いてもやり遂げます」という風になるタイプの人なんですよ。こういう時に、周囲が騒ぎ立てると、余計に頑固にさせてしまうだけなんですから。


どうして、そっとして置くことができないかなー。
頭を使えばいいでしょ、頭を。

信念の人を、その人の信念を曲げさせるとか撤回させる、ということを試みるからダメなんだよ。そういう攻め手を使うと、失敗すると思うよ。

まず、優先課題を一つ与える。これは郵政問題に決まっているでしょうよ。
亀井さんは元々がそっちの方が大事で、好きだったのだから、担当大臣として取り組むべき目標とかテーマを与えてあげれば済むだけではありませんか。
例えば「できるだけ早急に、日本郵政の新体制についての人事、凍結法案等の取りまとめをお願いしたい、郵政民営化担当大臣だった竹中大臣の公社時代の問題も検証して下さい」とか、そういう「困難そうなテーマ」をあげると、喜んでやってくれると思いますよ。そっちの方がやりたかったことなんですから。どうせなら、そっちをクローズアップするように、雰囲気を盛り上げて下さいな。

で、返済猶予法案に取り組む、というのを、本人がどうしても頑張る所存と言っているのだから、「金融庁の方でまずとりまとめるまで待っています」というようなことで、周囲はそっとしておいて時間を稼げばいいだけ。そして、法案作成には「時間がかかる」という事実を固めてしまう、ということです。ステップとしては、専門の有識者委員会でまずたたき台を作るのを目標とすること、というのを掲げます。
そうすると、人選にまず困る、と。銀行や金融機関関係の「お断り」が頻発してしまい、中々決まらない、と。ここで暫く時間が稼げます。続いて、委員会での議論の紛糾、これは、ヤラセなしで激論バトルを本当にやってもらえばいいんですよ。反対が圧倒的に多くなる、ということになるでしょうから(笑)。道路公団の時だって、委員辞任とか、激しいやり取りがあったわけで、ああいう具合に時間がかかってゆくということは楽勝ですよ。

途中では、パブリックコメントなどの募集を、第一次から始まって、何回もやればいいんです。反対意見が集中的に集まってくるだろうし、消費者団体にも協力してもらって、預金者たちの利息を奪い取る気か!とか激しく抵抗してもらえるようにすればいい。そうすると、意見の取りまとめは極めて困難な状況が続くでしょう。それに、亀井さんの最大の関心事が「郵政問題」に向いてる時には、返済法案が直ぐに提出できない状況であったとしても、そんなに激しく文句を言わないでしょう。
なので、粘り強く時間を稼ぐということを考えてやっていけばいいんですよ。そうこうしているうちに、参院選挙が終わるので、連立の微妙な立場ということになっているでしょう。



ところで木村や池田の言い分なんだが、亀井大臣を非難できる資格なんかないわな。「上限金利引下げで借りられなくなった中小企業が増えた、黒字倒産の中小企業が増えた」とか言ってる時点で、大してかわらんでしょ(笑)。

倒産件数増加も、銀行融資減少も、中小が借りられないのも、みーんな上限引下げのせいだ、ですから。

因みに、ごくありきたりな「景気後退」といった考えはないみたいですな(爆)。07年11月からは後退局面入りだったと思うが、そういうのも関係なく、リーマンショックでもない、とか言い張るわけだ。


こうして見れば、亀井大臣も、木村や池田の発想とか言い分も似たり寄ったりですわな。



続・空港へGO!

2009年09月28日 11時42分56秒 | 社会全般
日航問題に端を発して、地方空港の不採算路線問題というのがクローズアップされてきたようだ。

そして、いずれは、空港整備特会の解体、ということだな。

空港へGO!

年貢の納め時、というところでしょうか(笑)>国土交通省

いよいよ、ケツに火がついてきたんだろうと思います。前原大臣は、こちらをまず頑張っていった方がいいと思いますよ。


離島などがあるので、必ずしも全てなくせばいい、ということにはならないだろう。代替性に乏しい地域には、鉄道などがない代わりに空港が必要、ということはあるからね。

しかし、問題は、その運営ということだ。
できるだけ効率的に運営する必要があるのと、利用料を大幅に引き下げる必要があるだろう。というか、収益性の厳しい島とか地域ほど、半公的に航路を維持する必要性があるだろうから。
不定期便みたいに、自由度を上げていく方がいいのではないかと思ったりもするけど、地域によって違うから何とも言えない。


ま、空港整備特会を食い物にしてきた連中はいると思うので、そういうのは縮小せざるを得ないだろう。

というか、今この時代になってすら、「空港作ってくれ」「新幹線作ってくれ」「道路作ってくれ」みたいなことばかり言い募る地方議会とか首長というのは、本当にどうかしている。他人の力を常にあてにするだけの、依存・タカリ体質。単に借金を増やして、一時しのぎにしたいというだけ。