ブロガーの宮武嶺弁護士が毎年4月29日に行われている「連合」のメーデーについてこう批判していた。
「岸田首相が連合のメーデーに出席し『今年の春闘は30年ぶりの賃上げ水準】と自慢←実質賃金は物価高で下がりっぱなし。連合の芳野友子会長は首相の出席に『非常に光栄だ』。こんなの労働組合のメーデーじゃない。」
岸田文雄首相は2023年4月29日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた労働組合の中央組織である連合が主催した第94回メーデー中央大会に出席したそうです。 首相の出席は2014年の安倍晋三氏以来、9年ぶりのこと。 そして岸田首相は「今年の春闘は30年ぶりの賃上げ水準となっており、力強いうねりが生まれている。このうねりを地方へ、そして中小企業へ広げるべく全力を尽くす」 などと述べたそうなんですが、これ、自民党の総理大臣がメーデーに来て言うことじゃないでしょう。 賃上げは労働者が資本家(使用者側)と闘って勝ち取るものなんだから。 それに今年の賃上げ分は物価高のせいで、全部物価高に吸収されて、実質賃金は1年間連続で下がりっぱなしです。 マルクス主義者でも労働弁護士でもない私が言うのも変かもしれませんが、自民党は経団連をはじめとする財界を最大のスポンサーとする政党で、いわば資本家側の権化のような政党です。 それなのに労働組合のナショナルセンターを自称する連合が、その自民党から出た内閣総理大臣をメーデーに迎えちゃって、しかもメーデーなのに5月1日じゃなくて4月29日の「昭和の日」(昭和天皇の誕生日)にやるとか、もういろいろダメさが凄くてツッコミどころが多すぎます。 そして、岸田首相はあいさつの冒頭で賃上げを最重要課題と位置づけているとしたうえで、 「賃上げの機運を盛り上げたいという思いで本日参加させていただいた」 「賃上げは若い方々にとって、結婚、子供、子育ての希望をかなえるためにも重要な課題だ。賃金が増え、子供が増える。そんな社会を次の世代に引き継いでいきたい」 と語ったそうなんです。 ううん、これは野党第一党である立憲民主党党首の泉健太氏が言うべき話ですが、そもそも泉氏はメーデーで話をさせてもらえたんですかね。 岸田首相は新年のあいさつをしたが、連合が支援しているはずの立民の泉健太・民民の玉木雄一郎両代表には話す機会さえなし。 |
連合のメーデーに参加した岸田文雄は大型連休中にアフリカ4カ国歴訪するという。
大型連休恒例の外遊は、20年に新型コロナウイルスの感染拡大で安倍首相(当時)と全閣僚が自粛した。21年も茂木外相(同)の欧州訪問のみだったが、国民に行動制限を求めなかった昨年は、岸田首相と閣僚の計11人が外遊した。
そして今年はかなりの閣僚が外遊を楽しむらしい。
「大型連休中に閣僚8人が続々外遊…林外相は中南米へ、岡田氏は欧州で大阪・関西万博PR」
【讀賣新聞より】
岸田内閣は大型連休の期間中、閣僚19人のうち8人が海外に出張する。海外要人との会談や視察などを通じて、2025年大阪・関西万博のPRや、日本の技能実習制度の見直しへの理解を深めてもらう機会にしたい考えだ。 林外相は29日、中南米歴訪に出発した。カリブ海のバルバドスや南米のペルー、パラグアイなど5か国を訪れる。アフリカを歴訪する首相と共に「グローバル・サウス」への働きかけの一環だ。林氏は28日の記者会見で「G7(先進7か国)議長国として国際社会の幅広い声を聞く」と述べた。 岡田万博相はフランスなど欧州4か国を訪れ、大阪・関西万博をPRする。加藤厚生労働相はフィリピン、ベトナム、シンガポールを回る。フィリピンではサラ・ドゥテルテ副大統領らと会談し、日本国内で進む技能実習制度の見直し議論を説明し、新制度の構築に向けた意見交換も行う。 |
さて、衆参補欠選挙や統一地方選では、立憲民主党をあからさまに「口撃」して「立憲民主党に代わり野党第一党」を虎視眈々と狙う維新の会は見かけ上は大躍進したのだが、その実情には寒いものがある。
「躍進の維新に死角…地方議員774人で目標達成も“お膝元"大阪の市長選で取りこぼし」
「維新の目標は、昨年の参院選が『ホップ』、今回の統一選が『ステップ』、野党第1党が『ジャンプ』です。ホップ、ステップはうまくいったけれども、次の国政選挙でジャンプするのは難しいでしょう。党勢拡大したとはいえ、地域にムラがあるし、地方組織は固まっていない。ある維新幹部は『今すぐに解散総選挙に打って出られたら困る』と明言していました。候補者の選定も今からですからね。今の勢いでも、よほど良い“弾"をそろえない限り、小選挙区で勝ちを重ねるのは厳しいと思います」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
「よほど良い“弾"をそろえない限り」どころかその内情はかなり酷いものがある。
「維新『全国政党化』どころかこれでは“ポンコツ"の巣窟に…公認候補が運動員買収で逮捕」
勢いに乗る「維新」から、また逮捕者だ──。9日に投開票された愛知県議選で、運動員に報酬を支払ったとして、県警は26日、公選法違反(買収)の疑いで維新公認で立候補した田畑和紀容疑者(53=美容会社社長)を逮捕した。 田畑容疑者は立候補した名古屋市中村区選挙区内にある事務所で7~8日、投票呼びかけなどへの報酬として、運動員3人に現金12万5000円を渡して買収した疑いを持たれている。 公選法は運動員への報酬支払いを原則禁止している。定数2の中村区選挙区には4人が出馬したが、田畑容疑者は最下位で落選。2011年には岐阜県瑞浪市議選、15年は名古屋市議選に出馬したが、いずれも落選している。 「維新は愛知県内で40~50人擁立の目標を立てていたが、なかなか集まらず30人程度にとどまった。目標達成にこだわるあまり“身体検査"が甘くなった可能性が指摘されています。実際、田畑氏は過去の選挙でもボロ負けしていて、実績はゼロ。公認には反対意見も上がっていたようです」(地元関係者) |
所詮は大阪という地域からの「ローカル政党」なので、すでに「ポンコツ"の巣窟化」していることは間違いない。
ポンコツ政党程度ならば大きな影響力はないのだが、日本に巣くう「カルト集団」の存在とその言動は「GBT理解増進法案」国会提出の機運に水を差す」行為であり 看過できない。
「神社庁が統一地方選候補に送りつけた「公約書」
全国8万社の神社を包括する神社本庁の政治団体・神道政治連盟(神政連)が、この4月に実施されている統一地方選挙で、LGBTQ(性的少数者)への理解増進や選択的夫婦別氏(姓)制度の導入に反対することなどを求める公約書(政策協定書)を各自治体の候補者に送っていたことがわかった。岸田文雄首相がLGBT理解増進法案を今国会に提出したい姿勢を示す中でのことだ。 公約書を受け取った自民党県議らが東洋経済に明かした。受け取った候補者のうち、公約に「同意」して神政連の推薦候補となった人の数は不明だ。 2月、首相秘書官が性的少数者や同性婚について「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」などと発言したことに各界から反発の声が上がると、岸田首相は即刻、秘書官を更迭した。 LGBT理解増進法について「今国会に法案提出して成立を図るべきだ」(山口那津男・公明党代表)という与党の声にも押され、首相自ら、自民党に法案提出の準備を急ぐよう指示した経緯がある。 ところが、高市早苗経済安全保障担当相など自民党内にも慎重な声があり、国会提出は統一地方選挙後に持ち越される運びとなった。しびれをきらした経団連の十倉雅和会長は3月の会見で「恥ずかしい。法案を出すことで差別が増進されるとか、わけのわからない議論がなされている」と苦言を呈している。 そんな中で実施された統一地方選挙で、神政連はLGBT理解増進法案の国会提出機運に水を差すような公約書を候補者たちに送っていた。 ■「伝統的な家族制度の崩壊」 神政連が統一地方選挙の候補者に送っていたのは7項目の公約(冒頭の写真)だ。女性天皇につながる「女性宮家」創設への反対や憲法改正、宗教的情緒の涵養、首相や閣僚による靖国神社参拝などが挙げられている。 家族にかかわる政策については「伝統的な家族制度の崩壊につながりかねない選択的夫婦別氏(姓)制度の導入に反対し、その対処策として、旧姓の使用拡大に努めます」、「各自治体におけるパートナーシップ制の制定等の動向を注視するとともに、民法で定める法律婚を大事にしてその意義啓発に努めます」などと記されている。 神政連の公約書を受け取った一人で、4月16日実施の埼玉県議会選挙で5期目の当選を果たした自民党の田村琢実埼玉県議は、「神政連から公約書が送られてきたのは今回の選挙が初めて。これまで一度もなかったのに、今回送られてきた理由はわからない」と首をかしげる。 埼玉県議会は2022年の議会で、性の多様性(LGBTQ)条例を可決した。可決前に実施されたパブリックコメントに際しては、神政連埼玉県本部の役員会で「事務局長が役員たちにパブコメで『反対意見を投稿するように』という趣旨の呼びかけをしていた」(埼玉県神社庁幹部)という。 条例制定に中心的な役割を果たした田村県議は、右翼団体の街宣車から「夫婦別姓推進の田村琢実は反保守活動家」などと“口撃"された。神政連の公約書にも同意しなかったため、推薦候補にはなっていない。 田村県議は「LGBTQの当事者たちは、(現行の)制度によって苦しんでいる。困っている人を助けるのが政治の役割なのだから、条例制定は政治家として当然のこと」と語り、こう続ける。「反対する人たちは、単に理解をしていないだけ。LGBTQを認めると国が壊れるという意見があるが、同性婚や夫婦別姓を認めている国が壊れたでしょうか」。 ■同性愛は「ギャンブル依存症と同じ」 神政連は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と並び、LGBTQに強力に反対してきた組織だ。2022年6月には、LGBTQの理解について大きな反発を受ける騒動があった。物議を醸したのは自民党の神政連国会議員懇談会で配布した「夫婦別姓 同性婚 パートナーシップ LGBT」と題した冊子に掲載された楊尚眞・弘前学院大学教授(当時)の講演録。 講演録には、同性愛について「後天的な精神の障害、または依存症」「同性愛行為の快感レベルが高くてなかなか抜け出すことができないのは、ギャンブル依存症の人が沢山儲けた時の快感を忘れられず、抜け出せないのと同じなのです」などと記されていた。 これに対してLGBTQ当事者らによる抗議署名は5万筆を超え、自民党本部が抗議を受ける格好となった。本件について神政連は東洋経済の取材に「抗議は冊子自体に対するものではなく、楊教授の講演録の一部の表現に対してではないでしょうか」などと回答している。 今回の統一地方選挙で神政連埼玉県本部など地方本部が自民党の公認候補らに送っていた公約書は、2021年10月に実施された衆議院選挙の際、神政連中央本部(打田文博会長)が自民党の国会議員と交わした公約書と同じ内容だ。神政連の資料によると、神政連の公約に賛同・署名をした234人の候補を推薦候補とし、うち202人が当選を果たした。 ただ、賛同・署名をした人が必ずしも選択的夫婦別氏(姓)制度に反対しているかといえば、そうとは言いがたい。 手元に「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟 役員一覧」(2021年7月)という資料がある。役員のうち、顧問に就いた甘利明氏や小泉進次郎氏、河野太郎氏、茂木敏充氏、副会長の小渕優子氏、幹事長の木原誠二氏、事務局長の井出庸生氏ら39人は、一方で、神政連の公約書に賛同・署名をして神政連の推薦候補にもなっていた。 選択的夫婦別氏(姓)を早期に実現すべきだと主張する国会議員が神政連の公約書に賛同・署名している理由は不明だ。主張の一部に賛同できなくても、自民党支持者の中で、とりわけ保守的な票の獲得を期待してのことかもしれない。 ■賛成・反対派の両方に「良い顔」をする 一方の神政連は、選択的夫婦別氏(姓)に賛同する議員であっても、政治への影響力拡大のためにはこの点に目をつぶるということかもしれない。今回、統一地方選に向け都道府県議員レベルにも「公約書」の対象を広げたのは、LGBT理解増進法案の提出を控え、組織の引き締めを図る狙いがあるとみられる。 どちらにしても上記39人の国会議員は先の衆議院総選挙において、選択的夫婦別氏(姓)に関して賛成派、反対派の両方の有権者に「良い顔」をして当選したことになる。 東洋経済は神政連に対し「全都道府県の、どのくらいの数の県議候補、市議候補に公約書を送っているのか」を尋ねたが、「回答は差し控える」と答えた。 旧統一教会問題については安倍元首相の死去後、多くの国会議員や地方議員が教団のイベントに出席したり祝電を送ったりなどする代わりに国政選挙や地方選挙で強力な支援を受けていたことが発覚した。 旧統一教会と主張が似通う神政連の公約書は、どれだけの候補者に送られ、どの候補者が「賛同・署名」をして神社界の支援を受けているのか。実態はベールに包まれている。 候補者に関する十分な情報が開示されているか。そこにウソはないか。有権者は、実態を慎重に見極める必要がある。 |
こんなカルト集団の選挙支援欲しさに自民党の国会議員は、賛成・反対派の両方に「良い顔」をする連中が決して少なくはない。
しかし、このような呼びかけはまさに「人権問題」であり許されることではない。
「神政連がLGBTQを『精神疾患』と条例反対呼びかけ」
2022年7月に施行された埼玉県の「性の多様性(LGBTQ)条例」について、県議会での審議を前に自民党埼玉県連が意見募集をした際、埼玉県神社庁の関連団体・神道政治連盟埼玉県本部が下部団体に反対意見を投稿するよう呼びかけ、「LGBTQは何れも、精神疾患であることが明らかになりつつある」などと記した文書を送付していたことがわかった。 LGBTQを疾患とみなす考え方は現在の精神医療では否定されており、科学的に誤った情報をもとに、投稿を促していたことになる。さらにLGBTQ当事者への無用な偏見や差別を助長しかねない内容で、神社関係者からも批判が出ている。 ■科学的に誤った説明 文書は、神道政治連盟埼玉県本部によって、2022年4月に県内各支部に送られた。 「埼玉県 性の多様性に係る理解増進に関する条例(仮称)の骨子案 問題点・疑問点(事務局作成)」とのタイトルが付けられている。自民党埼玉県連が作成したLGBTQ条例の骨子案に対する、神政連埼玉県本部の見解を示したものだ。 文書では、同性愛や両性愛について「生まれつき同性愛・両性愛である人はいなく、環境要因に基づくことが明らかになっている」と記載。 LGBTQについては「幼少期での虐待、性的虐待、家庭内暴力、両親の不仲、親の薬物依存、アルコール依存、思春期での同性愛行為など環境要因による精神疾患(統合失調症や双極性障害等)であることが明らかになりつつある」「行動療法や宗教などで『治癒』する」などと、科学的に誤った説明がされている。 ・・・中略・・・ ■LGBTQ当事者の神社関係者もあきれる 当たり前すぎることだが、神職や神社関係者、あるいはその家族にもLGBTQの当事者はいる。LGBTQ当事者である神社関係者は、文書を読んであきれかえったという。そしてこう話した。 「神政連は、『神道にはLGBTQを差別する考えはない』と公式には述べている。神政連は、明治以降の家父長的な家族形態を勝手に『日本の伝統』だと思い込み、明治の価値観にそぐわないLGBTQや姓名の多様なあり方をないものとして扱おうとしている。伝統であれば差別が許されるわけではないし、ましてや、いつの時代にもあったはずの多様性を無視した偏向的な伝統観にこだわって、差別を扇動するなどあってはならない」 LGBTQは個人の政治信条や価値観、宗教観によって、受け止め方がさまざまに違う。さらに当事者の権利擁護について法律や条例が必要かどうか、「賛成・反対」どちらの立場もありうる。 しかし科学的に誤った内容をもとに「精神疾患」だと決めつけ、条例反対の投稿を呼びかけるのは全国8万社の神社を包括する宗教法人の関連団体として適切なのかどうか。 折しも国会では、神政連と関係が深い自民党が「LGBT理解増進法案」の議論を本格化させている。2021年に実施された衆議院選挙の際、200人以上が神政連から推薦を受けている中、果たして法案成立にこぎつけられるのか。 |
神道政治連盟が、埼玉県LGBT条例反対のために「LGBTは精神疾患だと明らか」などの文書を送付と判明。「行動療法や宗教などで治癒する」と、国連でも"拷問"に相当と指摘の転向療法を肯定。文案作成は「神政連中央本部の幹部」。明確なヘイト。これがLGBT法案進まない背景。→https://t.co/zscTe80qwm
— 松岡宗嗣 (@ssimtok) April 29, 2023
問題は、こんな非科学的な意見を公然と世に晒すカルト団体が、いまの日本の政治、特に自民党に大きな影響力を持っているということである。
神道政治連盟の趣旨に賛同する国会議員の集まりである神道政治連盟国会議員懇談会のメンバーを見ればそれは一目瞭然で、2022年7月8日に銃殺されるまでは会長が安倍晋三だったというだけでも、どのような政治的理念のもとに結成された議連であるががわかるというものだろう。
戦後、国家神道は否定されたものの、実はより強固な形でその理念は神道政治連盟として復活しているということであり、統一教会も日本会議も同じようなもので、つまり、カルトとの親和性というものが今の自民党の政治を支えているということである。
こんなカルト団体が自民党議員に張り付いている限りは、LGBTQ法案や選択的夫婦別姓制度がいつまでたっても棚ざらしにされているのだろう、とオジサンは思う。