新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

ファンダメンタルズは不安ダメ足らず

2019年06月07日 12時01分28秒 | 日本経済

参議院議員(1期)、衆議院議員(2期)を務めたが最後は公職選挙法違反(連座制)により失職し、昨年膵臓癌のため死去した都築譲という政治家がいた。
 
その政治家の政策担当秘書として勤務した経験のある自称安積明子という政治ジャーナリストがいる。
 
少々「うざったい」人物で、「会館の美女★フリーランスのあづみ」というツイッターアカウントで発信している。


この人物が、2か月ほど前に、あの山本太郎の行動に対して、「【新選組立ち上げ】山本太郎は最後の勝負に出たのか」という記事の中で、「山本氏の政治団体『山本太郎となかまたち』の収入は、2016年は2120万1146円で2017年には56万1510円。短期間に多額の寄付を集めるのは事実上困難と思われる」と書いていた。
 
しかし結果的には大方の「プロたち」の予想を大きく上回る寄付金が集まった。


いままでの組織に縛られた政治家ではでこのような運動は不可能だったかもしれない。

作家の山口泉が一貫して山本太郎を評価している理由を最近こう述べていた。
 
「2013年の『東京五輪成功決議案』という腐った踏み絵を衆参722人のうちただ一人、踏まなかった議員であった」

さて、いい年をした政治家ならば「恥」という概念を持ち合わせているのだが、その昔、踏襲を「フシュウ)、未曽有を「ミゾユウ」と読んで、大いに話題を提供していたが本人は読み間違えではないと居直っていた麻生太郎。

いまさらその国語力などにイチャモン付ける気は毛頭ないが、財務大臣としての麻生太郎が毎年のように口にする言葉が、「経済のファンダメンタルズ」という言葉。
 
これは、簡単に言えば「国や企業などの経済状態などを表す指標のことで、日本語では『経済の基礎的条件』と訳される。 国や地域の場合、経済成長率、物価上昇率、財政収支などがこれに当たり、企業の場合は、売上高や利益といった業績や資産、負債などの財務状況』ということを指す」のだが、個人のことは含まれてはいない。
 
麻生太郎の過去の発言を調べると、ナント11年前の、「夕刊フジ 『特別版』 緊急インタビュー」記事の中で、「日本の経済のファンダメンタルズは決して悪くはない。今回の世界同時株安にしても、サブプライム問題が弾けた米国の影響が大きいが、半年間で株価が3割も下がったことを政治家は極めて重く受け止めなくてはならない」と言っていた。
  
そして消費税増税を目前に控えた今年になっても、「消費税率、予定通り10%へ引き上げ=麻生財務相」の記事によると、麻生太郎財務相は14日の参院財政金融委員会で、世界経済動向などリスクに対する注意は必要だが、日本経済のファンダメンタルズはしっかりしており、消費税率は10月に予定通り「10%に引き上げさせていただきたい」といつもの調子で言っていた。

よほど財務官僚の度重なるブリーフィングが奏功したのであろう。
 
ところで、「アホノミクス」という言葉の「生みの親」といわれる、同志社大学大学院教授でエコノミストの浜矩子が、先月の参院金融委員会での麻生太郎の発言を受けて、ある週刊誌に「『ファンダメンタルズは健全』がでたらもうお仕舞」という記事を書いていた。
 
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・・・前略・・・
政治家が「わが国の経済ファンダメンタルズには問題がない」とか、「わが国の経済ファンダメンタルズは健全」などという形でファンダメンタルズに言及する時こそ、実のところは最も危ない。
 彼らはとんでもない事態が発生する前夜に、驚くべきブレなさをもって必ずファンダメンタルズは大丈夫だという。
 1929年10月24日にニューヨーク株が大暴落し、世界恐慌の幕が開いた。世にいう「ブラック・サースデイ(暗黒の木曜日)」である。この日に向けて経済的暗雲垂れ込める中、第30代アメリカ大統領のカルビン・クーリッジが「米国の経済ファンダメンタルズ健全そのものである」と言ってのけた。
 1987年10月19日にも、ニューヨーク株が大暴落した。「ブラック・マンディ(暗黒の月曜日)」である。この時にも、当日にいたる過程でレーガン政権の中から「経済のファンダメンタルズはまったくもって健全」というコメントが出た。
 日本のバブル崩壊時にも、それに先立って、宮沢喜一大蔵大臣(当時)が「日本の経済ファンダメンタルズは揺るぎない」と宣言していた。リーマン・ショック発生前夜にも、ジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)が「ファンダメンタルズは健全」発言をしている。
 こんあ具合だ。つまり、歴史的・体験的に見て、「ファンダメンタルズは健全」が出たら危ないと思え、ということである。もともと、経済ファンダメンタルズなるものに厳密な定義があるわけではない。だから他に確信をもって健全だと言えるものが何もない時に、政治家たちがファンダメンタルズを持ち出して逃げ切ろうとするのである。
 「ファンダメンタルズは健全」という言い方は、暗に、ファンダメンタルズではない部分は健全ではない、ということを示唆している。だが、その不健全部分はファンダメンタルズではないから心配しないでいい、というニュアンスもそこには漂っている。こういうのを、嘘をつかずに本当のことを言わない高等戦術と呼ぶべきだろう。この手の手法に引っ掛かってはいけない。
 グローバル経済も日本経済も、実は最もファンダメンタルなところで不健全化していると思う。
 次はトランプ大統領がファンダメンタルズを持ち出すかも知れない。
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「嘘をつかずに本当のことを言わない」という場面は、国会に招致された官僚によってたびたびお目にかかっている。
 
もっとも最近は「嘘を平気でつく」輩が、永田町の内閣村には多数生息している。
 
その筆頭は安倍晋三なのだが、この男は「米国のトランプ依存症」である。
 
そしてそのトランプは平気でフェイクメッセージを世界中に発信している。

今後、トランプがファンダメンタルズを持ち出した時、その真偽を推し量る日本の力量が問われることになる、とオジサンは思う。    
  


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