新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

ポピュリズム」ゆ党の行く末は?

2024年11月03日 13時38分09秒 | 日本経済

自民党から未公認ながら裏では公認料相当の裏金が政党支部の口座に振り込まれ「迷惑している」とほざいていた裏金脱税議員が、言いたいことを言っていたらしい。
 
自民非公認で当選の萩生田光一氏『吹っ切れた。自分が前面に出てやらないといけない』
 

自民党の萩生田光一元政調会長は1日夜、インターネット番組「言論テレビ」でジャーナリストの櫻井よしこ氏と対談し、「権力には権力でしか抗えない。安倍(晋三)イズムを継承しないといけない」と述べた。さらに「一度も自民党を出たことがない『The自民党』の一人。いろいろな意味で吹っ切れたので、少しずうずうしく前面に出てやれることをやりたい」と語った。
■非公認基準「腑に落ちない」

先の衆院選で、萩生田氏は派閥パーティー収入不記載事件に関して政治倫理審査会に出席していないため、説明責任が不十分と判断され、非公認とされた。
萩生田氏は「われわれのグループ(旧安倍派)が党に迷惑をかけたことは事実。反論もせずに(選挙戦を)戦ったが、非公認にするにはそれなりの根拠が必要だ」と指摘した。政倫審出席を公認の判断基準にされたことに関しては「党の判断に委ね、派閥の運営に携わった事務総長経験者に(基準が)切られた。それを持って説明責任を果たしていないといわれたことは腑に落ちない。追加公認を受けるなら、そのことを申し入れようと思ったが、機会がない」と語った。
無所属で当選した後、自民会派入りを打診され了承したが、追加公認はされていない。
■「後ろで守っているわけにはいかない」
櫻井氏から「首相候補」と水を向けられると、「ただちにその宣言をするわけではないが、一度死にかけた。前面に出てやらないといけないこともたくさんあると思うようになった。残りの政治家人生がどれくらいか分からないが、最大限のパフォーマンスをしたい」と語った。
「間違った権力に立ち向かうには権力を持たないといけない。政策を遂行するにしても責任ある立場で行動するのは大事だ。人をかき分けて、との気持ちはないが、これだけ同志が議席を失った。『俺は後ろの方で守っているから、みんな前に出ろよ』というわけにはいかない」と語った。


 


 
この方の再選は公明党の支援の勝利です。八王子という土地柄で統一と裏でまたがけてた萩生田氏に公明もはらわた煮えくりだけど支援で恩をうった方がメリットある。だから候補者も立ててないし 宗教追及ジャーナリストが乗り込んできたので反野党の構図は決まった。事情通は最初から裏金でも萩生田氏だけは逃げ切れると知ってた。選挙区運。新聞が報じないだけ。でも今後この方は自民内部の公明議員になるようなもの。というか地元民はこのかたを前から公明議員としか思ってない。だから統一とつながっててびっくりしてる。器用にやりますなあと。今回なんだかんだで再選。
 
●はき違えてるとしか言いようがないな。参議院議員の中にも裏金問題に関わった安倍派議員は多数おり、来年の参院選においては再び裏金議員に対する対応が問われる事になる。そこで甘い処分を下せば自民党の支持率はより一層の下落を避けられない。萩生田氏をはじめとする安倍派当人らはそれまでの復権を狙っているのかもしれないが、世間はそう甘くはない。こうして表立って野心を語るような愚かな真似は極力控えて、西村氏を見倣い、喪に服すがごとく謙虚に来たるべき時を待つべし。今は焦らずともいずれ機会は必ずやってくる。
 
●八王子ってところはすごいな。あれだけマスコミに批判された人でも国会に送り込むんですからね。人にはいろんな価値観があるんでしょうが、この価値観はちょっと理解できませんね。
 萩生田さんは選挙の時に「国会議員になって八王子の為にいろいろ仕事しました。」って言ってたけど、そもそも国会議員は日本全体の為に働く人であって地元の為に働く人ではないんですよね。。まあ、萩生田さんは、これからも八王子にお金を落とすという理解でいいんですかね?
  
 ●何が吹っ切れたのでしょうか。
そう思うのは萩生田氏だけであり、多くの有権者は全く思っていない。裏金脱税し放題、旧統一教会とはいまだにズブズブの関係に…。良く平気な顔をして衆前に出てこれますね。まさに厚顔無恥そのもの。萩生田氏のどこをどう評価すれば当選するのか、甚だ疑問でしかないし、八王子市の有権者の民度良識を疑わざるを得ない。説明責任も果たさず逃げ回り、有耶無耶にし…。そんな人物が国会議員として資質があるようには到底思えないけどね!世も末と言うことか…。

 
さて、弱小政党ながらも4倍増の当選者を得て、一躍「時の人」みたいにメディアの注目が集まり、あたかも「順風満帆」の国民民主党なのだが、ジャーナリストの上杉隆は国民民主党の「影の部分」を解説していた。
 
既存の政党システムに与えた衝撃。日本の政治地図を大きく塗り替える可能性を秘めた国民民主党の躍進
 
衆院選で改選前の4倍増となる28議席を獲得した国民民主党。同党大躍進には、どのような力が働いたのでしょうか。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』ではジャーナリストの上杉さんが、その背景と急激な支持拡大により浮き彫りになった国民民主党の「影の部分」を解説。さらに今後同党が取り組むべき課題を考察しています。
■日本政治の新たな転換点。衆院選で大躍進の国民民主党
2024年10月27日に行われた第50回衆議院議員総選挙で、国民民主党が予想を大きく上回る躍進を見せた。選挙前の7議席から一気に28議席へと4倍増を果たし、政界に衝撃が走っている。この躍進の背景と今後の日本政治への影響を徹底的に分析する。
国民民主党の躍進は、単なる偶然ではない。「手取りを増やす。」という明確なメッセージと具体的な政策提案が有権者の心を掴んだ。特に注目すべきは、基礎控除等を103万円から178万円に引き上げるという提案だ。これは「103万円の壁」に悩むパート労働者や学生アルバイト、さらには収入が上がっても手取りが増えないサラリーマンや個人事業主の切実なニーズを捉えた政策と言える。
しかし、この躍進には影も見える。東海ブロックで2議席、北関東ブロックで1議席を他党に譲る結果となった。これは候補者擁立の不足が原因だ。急激な支持拡大に党の体制が追いついていない現実が浮き彫りになった形だ。
玉木雄一郎代表は「対決より解決」を掲げ、与野党を問わない政策協力を表明している。これは従来の対立型政治からの脱却を目指す姿勢だが、果たして実現可能なのか。過去の「第三極」政党の失敗例を踏まえ、どのように独自色を出していくのか。今後の動向が注目される。
国民民主党の躍進は、日本の政治地図を大きく塗り替える可能性を秘めている。自民党の比例票が過去最少を記録し、国民民主党が公明党や日本維新の会を上回る得票を獲得したことは、既存の政党システムに大きな衝撃を与えた。
この変化は、政策形成プロセスにも影響を及ぼすだろう。国民民主党が主張する「現実路線」が、どのように具体的な政策に反映されていくのか。特に、経済政策や社会保障政策において、従来の与野党の対立構図を超えた新たな合意形成が可能になるのか、注視が必要だ。
一方で、国民民主党の躍進は新たな課題も浮き彫りにした。当選者の中で新人の割合が最も高いことは、フレッシュな視点をもたらす可能性がある反面、政治経験の不足という弱点にもなりうる。また、若年層の支持を獲得したことは評価できるが、それを持続的な支持につなげられるかは未知数だ。
■歴史の大きな転換点に立ち会うこととなった日本国民
さらに、連合との関係も注目点だ。労働組合の支持を背景に躍進した国民民主党だが、今後の政策実現に向けて、連合とどのように連携していくのか。特に、経済政策と労働政策のバランスをどう取るかが課題となるだろう。
国民民主党の躍進は、日本の政治に新たな風を吹き込んだ。しかし、この風が一過性のものなのか、それとも日本政治の構造的な変化をもたらすのか、まだ判断するには早い。
今後、国民民主党がどのように政策を実現し、他党との関係を構築していくのか。そして、有権者の期待にどう応えていくのか。これらの点が、日本の政治の行方を左右することになるだろう。

政治ジャーナリズムの役割は、この変化を冷静に分析し、有権者に正確な情報を提供することだ。国民民主党の躍進が真に国民のための政治につながるのか、それとも新たな利権構造を生み出すだけなのか。今後も徹底的に検証を続けていく必要がある。


 
すでにまともなメディアはこんな検証記事を書いていた。
 
アンチ『年寄りの味方』で大躍進の国民民主党 家計に優しい政策…裏には「今回の選挙で見せなかった」顔が
 
◆比例は「358万票」増え前回比2.4倍
 衆院選で躍進した国民民主。有権者の目にどのように映っていたのだろうか。31日、東京都千代田区の日比谷公園で聞いた。
 昼時、ベンチでくつろいでいたのが埼玉県蕨市の男性(46)。「自民党に入れたくなかった」といい、投票先は立憲民主党の候補だった。対して国民民主は「自民に対抗するイメージは弱かった」。日本維新の会に投じた男性会社員(36)は「政治が何か変わればと思うが、国民民主では普通な感じ」。千葉県の男性会社員(40)も「国民民主のイメージ…あんまりないね」と漏らす。
 強烈なインパクトというわけではなかったようだが、それでも国民民主は勢いづく。議席数は選挙前の7議席から28議席へ4倍に。顕著なのが比例代表の得票数。自民が前回から533万票減で、立民はほぼ横ばいだった一方、国民民主は358万票増で、前回比約2.4倍となった。
◆若い層には2大政党への嫌悪感
 選挙のキャッチフレーズは「手取りを増やす。」。ガソリン代や電気代の値下げ、社会保険料の軽減、消費税の税率引き下げ、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」の178万円への引き上げなどを公約に掲げ、家計思いの姿勢を打ち出した。
 玉木雄一郎代表は公示日の第一声で「庶民感覚を持った政治家を選ぶのか、既得権益にしがみつく政治家を選ぶのか」とアピール。若い当選議員が目立ち、30〜50代が多くを占めた。
 政治ジャーナリストの鮫島浩氏は「20〜40代の有権者は2大政党は高齢者、経済界の味方と思っている。自民も立民も増税のイメージがあり、相当な嫌悪感がある。自民にも立民にも入れたくないという人の受け皿になった」と語る。似た見解を示したのが政治ジャーナリストの藤本順一氏。「現役世代の手取りを増やそうという訴えは、惰性で自民に投票してきた保守的無党派層にも訴求した」
◆電力など労組が基盤…「原発推進」
 国民民主の誕生のきっかけは2017年の衆院選。希望の党の立ち上げとともに、旧民主党の流れをくんだ民進党は分裂。立民に参加しなかった議員で結成した。希望の党を旗揚げした東京都知事の小池百合子氏とは今も関わりがあり、今年7月の知事選で支えた。

 その国民民主は、大手企業の労組が支援組織の中核をなす。電力総連もその一つ。原発は推進の立場だ。藤本氏は「玉木氏を中心に若い人が興味を持つ内容をSNSなどで配信した。今回の躍進は労組の影響力だけではない」とみる。
 衆院選で自民、公明党が得た議席数は215、立民は148。いずれも過半数の233に届かず、国民民主が政局のキャスチングボートを握ることに。一部で「連立なら玉木首相」説まで報じられた。
◆代表が「自民のアクセル役になりたい」
 では今後、どう振る舞うべきか。鮫島氏は「連立入りすると、自民に取り込まれ、一体化したとみなされる」と断言する。年末の税制改正、来年度の予算編成と続く政治日程の中で「自民に政策をどんどんのませて実現できれば、勢いは続くだろう」と予測する。
 今回の衆院選で国民民主は家計に優しい政策を打ち出したが、別の顔を持つ。
 例えば自民との近さ。そもそも玉木氏は同郷で自民党の大平正芳元首相を目標にする。トリガー条項凍結解除を巡って2022年、岸田文雄首相(当時)が解除を含めて検討する考えを表明すると、22年度予算案で賛成に回り、23年度補正予算案にも賛成。玉木氏は23年7月の党の集会で「自民党のアクセル役になりたい」とまで口にした。
◆日本会議の機関誌で改憲の「覚悟」主張
 軍拡もいとわず、玉木氏は22年に「原子力潜水艦を日本が保有するなど、適度な抑止力を働かせていくことを具体的に検討すべきだ」と発言。国民民主は同年の安全保障政策で、敵基地攻撃能力の保持や防衛費増額を挙げ、岸田政権がこれらを明記した安保関連3文書の改定に踏み切ると「提案した考え方がおおむね反映された」と歓迎した。
 改憲にも意欲的で、国民民主や維新などは23年、緊急事態時の国会議員の任期延長を可能とする改憲の条文案を発表している。
 さらに玉木氏は保守系団体「日本会議」と接点を持つ。同団体の機関誌「日本の息吹」が今年1月号で「今年こそ、憲法改正実現の年へ」と題した特集をした際には、他の国会議員らとともにコメントを寄せ「肝心の自民党に覚悟が足りない」と主張した。同会議事務総局に尋ねると「憲法改正に理解のある方に広く呼びかけた」と回答した。
◆保守色は「前原誠司氏がいたことが大きい」
 5月には広島市で日本会議の地元支部が主催する講演会に出席。支部の担当者は「玉木先生とは主義主張が一致しているのでお越しいただいた」と述べた。
 一方で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と関わりが深いとされる世界日報の元社長から過去に3万円の寄付を受けていたことも判明。ちなみに教団の関連団体「国際勝共連合」も、改憲を訴えている。
 一連の経過から浮かぶのは、国民民主の保守色だ。
 法政大の白鳥浩教授(現代政治分析)は「かつて民社党を支持した右派労組の系統の支持を受けていることに加え、昨年まで保守政治家の前原誠司氏(現日本維新の会)が所属していたことが大きい」と語る。
◆物価対策を争点化した「ポピュリズム」
 そんな国民民主が衆院選で議席を大きく増やした。白鳥氏は軸足の置き方に注目する。「政策集を見ても防衛費増大については中ほどに数行書いてあるだけ。手取りを増やすとか、生活対策が中心」と述べ「右っぽいことは、なりを潜めている。前回と比べても大きく違い、前原氏が抜けたのが大きいのでは」と話す。
 さらに指摘したのが、大衆の心を強く意識した姿勢だ。「今回の選挙では表の争点は政治と金だったが、実は争点はもう一つあり、物価高対策だった。その民意をうまくすくい取った。国民民主は本質的には、中道保守でポピュリズム的なところがある
 高千穂大の五野井郁夫教授(政治学)も「国民民主は中道保守のポピュリズム政党」と同じ見解を示す一方、「日本の右傾化」の影響も指摘する。「ロシアによるウクライナ侵攻後、物価高や移民難民の流入などで社会が不安定化する中、先進国で右傾化が進む。日本でも同様だ。玉木氏はそこまで極端な右派というわけではないが、かえって幅広い保守層を取り込むことに成功したのではないか」
◆「世論の波乗りで勢いは続くのでは」
 気になるのは今後だ。白鳥氏は「1強多弱から与野党伯仲の政治情勢になった。思惑が絡み、特定の政策が一気に進展する可能性は低いのでは」とみる。
 一方で五野井氏は右傾化が進む社会情勢を踏まえ「国民民主は世論の波乗りができる限り、勢いは続くのではないか。改憲が一気に進むこともありえるかもしれない」と危惧を強める。
◆デスクメモ
 最近、各紙の1面によく登場する国民民主党。「こちら特報部」は躍進する前から繰り返し紙面で扱ってきた。問いただしてきたのは、自民との接近ぶり。そして今、加速するか否かの局面に。この先、寄り添う相手が家計ではなく、権力にならないか。改めて目を光らせていきたい。

 
 
そしてこの「ポピュリズム」によって少数与党の今後について元大蔵官僚出身の一橋大学名誉教授の野口 悠紀雄はこんな悲観的な予想をしていた。
 
石破自公「少数与党」経済の悲惨な末路…!バラマキ政策連発の放漫財政でインフレが悪化、実質賃金の上昇は不可能に
 
今回の衆議院選で自民・公明連立与党が過半数割れになり、今後の政策運営は極めて困難になった。財政経済政策では無原則のばらまきが行われ、財政赤字が拡大する危険がある。その半面で、金融の正常化が進められなくなり、インフレが悪化するおそれがある。日本経済は、重大な危機に直面している。
■少数与党による部分連合
衆議院選における自民党・公明党の惨敗によって、日本の政治状況が大きく流動化し始めた。
石破首相は、連立の枠組みを拡大することを考えているという。しかし、これは、簡単にはできないだろう。事実、立憲・維新・国民の各党は、自公連立政権に加わることを否定している。
来夏に議議院選が予定されていることを考えれば、これは当然の判断だ。自民党への批判が高まっている状況で連立入りすれば、参議院選において票を失うことがほぼ確実だからだ。
そうだとすると、自公与党が過半数にならない「少数与党政権」が誕生する可能性が高い。
その場合には、政策ごとに野党の協力を求める形態をとらざるを得ないだろう。これは、「パーシャル連合(部分連合:partial coalition)」と呼ばれているものだ。日本でも、これまで何度か行われたことがある。
今回の場合は、立憲、維新、国民民主が、連立入りはしないが、個別政策で自公与党と政策協議し、合意した予算案や法案については賛成するという形態が考えられる。
なお、維新や国民は、連立は否定しているが、部分連合は否定していない。石破首相は、経済対策について国民民主に打診と報道されている。
■過去の非自民党内閣時より深刻
戦後の日本で、自民党が政権を継続できなかったことが2回ある。
第1回目は、1993~1994年の 非自民・非共産8党派連立政権だ。1993年6月の宮澤内閣不信任案が、自民党の反主流派・羽田派の造反によって可決され、衆議院が解散された。そして、1993年の総選挙後に細川内閣(93年8月~94年4月)が、続いて羽田内閣(94年4月~6月)が成立した。羽田内閣の後の、村山内閣で自民党は政権に復帰。これは「自社さ(自由民主党・日本社会党・新党さきがけ)連立政権」(94年6月~98年6月)とも呼ばれた。「1955年体制」における対立軸であった自民党と社会党が連立政権を作ったという意味で、画期的なものだった。
第2回目は、2009~2011年の民主党政権だ。自民党は公示前に300あった議席が119に激減し、1955年の結党以来、初めて第1党の座を失った。これに対して、民主党は公示前の115から308まで議席をふやし、単独過半数(241議席)を大きく上回った。民主党は、社会民主党・国民新党とともに、連立政権(鳩山内閣と菅内閣)を作った。
これらのいずれの場合にも、国民の側から見れば、新しい政治体制への期待があった(実際には、その期待は満たされなかったのであるが)。
しかし、今回の政治状況は、これらとは異なる。多数勢力が存在しない(あるいは、作れない)ので、重要な決定ができない。政策の中身によらず、どんな政策も実行が難しいということになってしまう。極言すれば、「何もできない」という事態に陥る危険がある。この意味で、現在の状況は、これまで日本が経験したことのなかった新しい事態だ。
こうした状況は外国ではしばしば見られるが、戦後の日本では初めての事態だ。日本はいま重大な危機に直面している。
■総花的政権運営になる
部分連合であれば、野党は、従来の路線を変更したという非難をかわすことができる。むしろ、党が従来から主張してきたことを政策に反映したと主張することができるだろう。その意味では、野党としても協力しやすい形態だ。
しかし、部分連合のためには協力党の主張を取り入れなければならないので、首尾一貫しない無原則で方向性のないばらまき政策が行われる可能性が強い。と言うより、ほぼ間違いなく、そうなるだろう。
まず、補正予算において、物価対策と称して、さまざまの給付金や補助金が支出されるだろう。とりわけ問題なのは、ガソリン代補助など、高額所得者や企業が受益する施策が延長される可能性が高いことだ。
また、2025年度予算においても、他方で様々な給付金が増えるだろう。
こうして支出は増えるが、その半面で、増税や社会保険料の引上げなどの負担増は進まない。場合によっては、見送りとされるだろう。
とくに問題なのは、防衛費増額のための増税だ。これはすでに決定されているにもかかわらず、具体的な細目や増税時期が決まっていない。これを決定し実行するのは、きわめて難しい課題になるだろう。このほか、医療保険や介護保険の保険料率引き上げや自己負担の増加も難しい。
金融資産所得の強化は、まずできないだろう。むしろ、減税が行われる可能性がある(国民民主は、大規模な所得税減税を主張している)。
バラマキ施策の財源を歳出削減や増税に求めるのは、ほぼ不可能だ。だから、国債増発に頼らざるをえない。
■財政赤字が拡大する可能性が高い
コロナ以降、様々な給付金などが行われて財政が膨張しており、特に補正予算において拡大的な施策が行われることが半ば慣習化してしまった。このため財政赤字が拡大している。
「中長期の経済財政に関する試算」(内閣府、2024年7月)によれば、GDPに対する国債残高 の比率は、2024年度 で175.8%だ。
将来を見ると、「成長移行ケース」では、今後低下し、2033年度には154.4%|になる。しかし、このようなシナリオが実現する確率は、極めて低くなってしまったと考えざるをえない。
「過去投影ケース」では、今後上昇して2033年度には181.8%になる。しかし、こうした水準に収まるかどうかさえ、定かではない。
財政制度が大きく違うので単純な比較はできないのだが、日本の公的部門の債務残高の対GDP比は、先進諸国に比べるとかなり高い。財務省の資料によれば、最近時点で、日本が257.2%であるのに対して、アメリカ120.0%、イギリス100.4%、ドイツ66.1%、フランス11.8%などだ。
このように、日本の財政赤字はきわめて深刻な問題だ。
■放漫財政がインフレを悪化させる
不完全雇用経済では、財政赤字が拡大しても、遊休資源があるので、それらが使われてGDPが拡大するだけであって、物価上昇を引き起こすることはないと考えられるかもしれない。しかし、そうは言えない。
財政赤字が増大すると、不完全雇用下ではGDPが増加するが、それだけでなく、金利も上昇することに注意しなければならない。なぜなら、GDPの増加に伴って貨幣に対する取引需要が増加するので、貨幣供給量が不変なら、金利が上昇して貨幣に対する資産保有需要を減少させる必要があるからだ(マクロ経済学では、このことを「LMカーブは右上がり」と表現している)。
ところが、現在の日本のように金利が上昇しないように制約されていると、あるいは、政府から圧力が加わって、日銀が本来取るべき政策を実行できないと、物価が上昇して実質貨幣残高を減少させるような圧力が加わる。このため、不完全雇用下でも、財政支出の増大が物価上昇をもたらすのである。
これは、物価高に悩む日本に、さらに困難な問題を突きつけることになる。そして、実質賃金の持続的な上昇という目標は、一層遠のくことになるだろう

 
選挙で「手取りを増やします」という公約には多くの非正規社員やパート・アルバイトの労働者たちは大歓迎であったであろう。
 
しかしこれは超大型減税であり「確かに手取りを増やす」効果はあるだろうが、毎年生じる10兆円の規模の税収減をどう埋め合わせするつもりなのか、国民民主党の玉木雄一郎は明らかにしていない。
確実な財源確保策を責任もって提案すrべきである。   
そうでなければ、「対決より解決」と言いながら責任ある解決を示さなければやっぱり「国民民主党はただの無責任「ゆ党」であろう、とオジサンは思う。
 

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