もはや芸能人の不倫などは大したニュースにはならないが、政府の高官の不倫騒動は週刊誌ネタになっていた。
それでもオジサンは大して興味もなくスルーしていたが、7月6日発売の「週刊文春」のスクープで明らかになった、木原誠二官房副長官の夫人が5年前、元夫の不審死事件を巡り事情聴取を受けていたという衝撃的な事実が明らかになりながらもしかし程なくして捜査は突然の幕引きを迎えることとなっていたという、よくあるテレビドラマでの「上からのお達し」で現場の捜査員が悔しがってて見せる場面を思い出す。
すでに夕刊紙ではいくつかの記事がでていた。
「木原誠二官房副長官と本妻の超ド級『未解決事件』はヘタな推理小説より面白い」
「木原官房副長官の“文春砲"スキャンダル ドラマのような事件をウヤムヤにしたら日本はおしまい」
こんな核心を突く声もあった。 リュウチェルの報道も自殺と、判定させ、世間に流布させているが、日本の司法や警察は、ルフィ、フィリピン盗賊団なども同様に嘘八百で、捻じ曲げられた報道が常だ。 下町のトラさんたちは上手に、NHKの嘘の報道に乗っかって、飲み屋でさらに話を膨らませる。 庶民は特権階級のすることは、自分たちの手出しができないこと、口にしてはならないことだと、同調圧力をかけ、デビィ夫人のような、ジャニ―問題発言でもエリート層、金持層、上級国民層を更に、勢いづけている。 木原や、神奈川県知事黒岩などの行動も、だらしなく野放しにしてきた。 全国医師会、東京医師会の会長なんかも相当、異常な人たち。 |
しかし、元全国紙社会部記者の新恭は今回の「事件」をさらに深堀し、警察権力を握っている自民党内の実力者たちの暗闘を暴露していた。 「捜査も会見も突然中止。木原誠二官房副長官の妻「元夫不審死事件」をめぐる“忖度とタレ込み"の裏」 ■あからさまな忖度。木原官房副長官夫人の「元夫不審死事件」が捜査中止の裏事情 内閣官房副長官、木原誠二氏の妻の元夫が2006年に不審死した事件で、元夫の父親が7月12日に記者会見する予定だったが、直前になって、とりやめになった。 理由はわからない。わかっているのは、週刊文春がこのところキャンペーンを続けている元夫の死にまつわる木原夫人の疑惑について、元夫の遺体を発見した父親の口から、何かが語られるだろうと、メディア関係者が予想していたことだ。 木原氏は文春の記事に関し「事実無根の内容であるばかりでなく、私と私の家族に対する想像を絶する著しい人権侵害だ」とする「ご通知」なる文書を司法記者クラブ宛てに送付した。 言うまでもなく木原氏は岸田首相の最側近である。メディアにとっては、官邸の最重要な取材源でもある。文春砲の衝撃にもかかわらず、この件に関してこれまで沈黙してきたテレビ、新聞など主要メディアは、木原夫人の元夫の父の会見が行われた場合、内容しだいでは、木原副長官がらみの一大スキャンダルとして取り上げざるを得なくなるるところだった。 ただでさえマイナカード問題などで内閣支持率が急落している岸田政権に、壊滅的なダメージをおよぼす可能性があっただけに、会見中止の背後で何があったのか、気になるところだ。 週刊文春7月13日号の記事によると、その出来事は06年4月10日、風俗店勤務、安田種雄さんの東京都内の自宅で起きた。夜中の3時ごろ、種雄さんが居間で血まみれになって死んでいるのを、貸していた車を返してもらおうと訪ねてきた父親が見つけた。当時、種雄さんの妻だった木原氏の現在の妻、X子さんは、子供二人とともに隣の寝室で寝ていて、気づかなかったと警察に供述した。 種雄さんは、ナイフで頭上から喉元に向かって刺され、肺近くに達する失血死だった。体内からは致死量の覚せい剤が検出された。警察の当初の見立ては覚せい剤乱用による自殺で、その後、未解決事件(コールドケース)という扱いになった。
それから12年後の2018年春になって、警察が再捜査をはじめた。都内に100余りあるコールドケースを掘り起こすなかで、担当刑事が、ナイフへの血の付き方が自殺というには不自然なことに気づき、この事件に疑念を抱いたのだ。
X子さんは、種雄さんと死別した後、銀座の高級クラブで働いていたが08年、元財務官僚で衆議院議員の木原氏と出会い、14年に女児を出産し、結婚した。 18年春からの再捜査によって、事件は解決に向けて動き始めた。種雄さんが亡くなった当時、X子さんと親密だったY氏が、事件当日、自家用車で現場方面に向かっていたことがNシステムの捜査で判明したのだ。 覚せい剤事件で刑務所に収監されていたY氏に警察は粘り強く事情聴取を重ねた。その結果得られた供述は驚くべき内容だった。 Y氏が安田宅に行くと、種雄さんが血まみれで倒れており、X子さんは「夫婦げんかになって、殺せるなら殺してみろと夫に刃物を握らされたので切ってしまった」とワケを話したというのである。 ■二階俊博氏の「今のうちに別れておけ」発言が意味すること 警視庁はY氏のこの供述により他殺の可能性が高まったとして、特命捜査対策室に30人以上の精鋭を集めて内偵捜査を進め、18年10月、木原誠二氏の自宅を家宅捜索し、X子さんに任意同行を求めた。 木原氏とX子さんは生後間もない男児がいることを理由にいったん拒否したが、その後、X子さんが出頭。事件当日、Y氏に連絡したことを否定し、「事件には関与していません」「記憶にありません」「わかりません」と繰り返したという。 ところが、その後、事態は一変する。安田さんの父は、18年11月、自宅にやって来た捜査員の一人から意外な言葉を聞いた。「事件から外されることになった」。それから間もなく、警察に呼び出され捜査の縮小を告げられた。現在、X子さんは不審死事件の被疑者とされてはいないという。 逮捕寸前まで捜査が進み、突然、幕引きとなったのである。通常はありえないことだ。2015年6月に、当時の安倍首相と懇意だったTBSワシントン支局長、山口敬之氏が、準強姦罪の容疑で高輪署員に逮捕される寸前、中村格警視庁刑事部長(のちの警察庁長官)のツルの一声で、無罪放免になったことがあった。政治の力が働いたのは容易に想像できたが、X子さんの場合はどうだったのか。木原氏を忖度し、警察サイドが捜査を断念したということはなかったのだろうか。 週刊文春は、木原氏の愛人、A子さんが知人に話している音声を公開した。そのなかで、A子さんは、家宅捜索が入り「俺がいなくなったらすぐ連行される」と木原氏が言っていた事実を明かしている。木原氏の妻であるがゆえに連行を免れていると愛人に漏らしていたのだ。 これに関連して、記事にはきわめて重要な事実が書かれている。当時の二階俊博幹事長が家宅捜索などの事実を知り、木原氏に対し「今のうちに別れておけ」と離縁を促したというのである。これは何を意味するのか。 現首相、岸田文雄氏が自民党政調会長だった2018年当時、木原氏は政調会の副会長だった。と同時に、二階幹事長のもとで情報調査局長も兼ねていた。 情報調査局は、具体的な業務内容が一般に公開されていない。しかし、党に関係する情報については、首相直轄の諜報機関「内閣情報調査室」から入ってくるルートがあるはずである。 内閣情報調査室のトップは内閣情報官だ。このポストには警察庁警備公安畑のエリートが、創設以来、起用されている。2011年12月から2019年9月までの長期にわたって内閣情報官をつとめたのが北村滋氏で、木原氏の自宅にガサ入れがあった時期も在任中だった。 また、内閣情報官として北村氏の先輩にあたる杉田和博氏は第2次安倍政権が発足すると同時に内閣官房副長官に就任、2021年10月まで9年間もつとめている。 つまり、杉田・北村という警察官僚コンビが、安倍政権のもと、異例の長期間にわたって、この国の機密情報をコントロールしてきたのである。当然、政治家に対する警察の捜査情報は全て入ってくるだろう。党の要職にある木原氏の妻が容疑者として調べられているということになれば、危機管理上、自民党情報調査局に知らせて善後策を練るよう促すに違いない。 ■元夫の父親が記者会見をとりやめた理由 官邸、自民党本部、警察、検察が、この件について当時、どのようにやり取りしたのか、あるいは没交渉だったのかは全くわからない。推測の材料となるのは文春の記事に載った捜査員の声のみだ。 文春取材班は、安田さんの不審死事件の捜査に関わった10人を超す捜査関係者を訪ね歩いたという。そのうちの1人が話した中身を、以下に記事から抜粋する。 「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった。これで逮捕したら自民党がめちゃくちゃ大変なことになる。一般人よりもハードルが上がった」 「国の政治がおかしくなっちゃう。話が大きすぎる。自民党を敵に回すよ。最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が『やめろ』という話。GOを出すときは当然警視総監の許可もいる。普通のその辺の国会議員だったらまだしも木原だよ、相手は…」 一般人なら逮捕されるケースだが、捜査当局が自主規制して幕を引いたと聞こえる。だとしたら、捜査の公平性が疑われるのは当然だ。 安田さんの父親が記者会見をとりやめた理由はよくわからない。しかし、警察の要請に応じたとみるのが自然だ。安田さんの父が文春に話した内容、すなわち上からの命令で捜査員が泣く泣く捜査の継続をあきらめたことが語られるのは警察として不都合であるに違いない。 警察庁の露木康浩長官は「証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」と説明し、文春の報道を否定した。木原官房副長官は週刊文春の発行元の文藝春秋社や、記事の関係者を刑事告発する意向をちらつかせている。 新聞、テレビなど記者クラブに所属するメディア各社が、この件を報じようとしないのは、政治部は官邸に気を遣い、社会部記者は警察や検察の機嫌を損ねたくないからだろう。 そもそもこうしたメディアは「客観報道主義」をタテマエとしているが、その実態は、警察、検察、役所、政府高官といった「権威」「権力」からの情報の垂れ流しである。“官製情報"をいかに早く世間に伝えるかで特ダネ競争に明け暮れ、独自調査にもとづき自社や記者の責任において記事を掲載することを恐れる。名誉毀損などで損害賠償訴訟を起こされた場合に逃げ道がないからだ。 しかし、「権威」「権力」に属さない人であろうとも、メディア各社が集合する記者会見の場で、世間的に関心の高い事柄について話した内容は、“誰それがこう語った"という形で客観的記述がしやすい。週刊誌が先行したジャニー喜多川氏の性暴力報道も、被害者の記者会見があって初めて、主要メディアの後追いが始まった。安田さんの不審死事件についてもそうなる可能性が高かった。 ■誰が5年前のネタを週刊文春に持ち込んだのか 違う角度からこの一件を見てみよう。なぜ今になって、このネタが週刊文春に持ち込まれたのかという疑問について、想像をめぐらせてみたい。 5年前に木原夫人が捜査対象になっていたことを知っているのは、本人と木原氏を除けば、捜査関係者、安田さんの父親、Y氏、そして、再捜査が行われた当時の官邸、自民党本部の一握りの人々しかいないはずだ。 岸田首相の最側近を直撃する政治的陰謀という説がある。このタイミングでリークしてメリットがあるのは政敵くらいなもの、という憶測からだろうが、興味深い見方だ。 第二次安倍政権の時代、菅官房長官のもと、杉田・北村コンビを中心とした“官邸ポリス"による、不都合な人物のスキャンダル発掘がさかんだった。加計学園問題で安倍首相に不利な証言をした前川喜平・元文科省事務次官が、出会い系バーに出入りしていると読売新聞にリークして書かせたのは、菅官房長官の意を受けた杉田副長官ではなかったかと見られている。 当然、木原氏の妻への捜査についても、逐一、菅官房長官の耳に入っていたに違いない。当時、警察庁長官官房長だった菅氏のかつての秘書官、中村格氏からの情報ルートもあったかもしれない。 かりに菅義偉氏の周辺にいる人物が、その時に得た情報をもとに週刊文春にリークしたとすれば、その目的は、権力の奪回をめざす菅氏が、長期政権を期する岸田首相にダメージを与えるためということになるだろう。来秋に総裁選をひかえ、今年中にも衆議院解散が噂される。仕掛けるタイミングとしては不自然ではない。 いずれにせよ、岸田首相としては、木原氏をこのまま官房副長官にとどめておいてよいのかどうか、近く予定される内閣改造での判断を迫られることになった。 木原氏は岸田首相が頼りとする「軍師」であり、安倍元首相における今井尚哉秘書官のように「影の総理」とさえ呼ばれるほどの存在だ。今後、この件をめぐる報道がどう展開してゆくかは分からないが、二人の間柄に衝撃弾を打ち込んだだけでも、文春にリークした人物の目的は、ほぼ達せられたといえるのかもしれない。 |
第二次安倍政権時代、菅官房長官のもと、杉田・北村コンビを中心とした“官邸ポリス"は、安倍晋三亡き後も健在のようである。 今の国会では岸田文雄政権を追い詰めるほどの野党はおらず、「客観報道主義」メデアの「ペン」も頼りにならなければ、まだまだ「剣」より強烈な「文春砲」に頼ざるを得ないのが日本の実情なのであろう、とオジサンは思う。