米国大統領選挙結果を受けて様々な論評を見かけるが、大きく分ければ「なぜトランプが圧勝したのか」とか「ハリスの敗北は当然」といった論調が大部分であった。
それをもっと掘り下げる記事として、今日はこんな記事を紹介する。
「トランプ快勝の裏側」
11月5日の米大統領選挙でトランプが快勝した。共和党は、連邦議会の上下院の多数派も取って圧勝した。開票は円滑で、選挙結果への不満や拒否も表明されていない。 2020年の前回大統領選や、2022年の中間選挙ではいずれも、投票日夜の開票作業中に各地の開票所で不可解な出来事が連続し、翌日になっても結果が確定しなかった。 だが今回は不可解な出来事がほとんど起こらず、投票終了から8時間ぐらい後の翌日の未明(PST)にはトランプの勝利が確定していた。米国にしては珍しく、開票時の騒動がなかった。やればできるじゃん(笑)。 トランプは、米国の上層部を支配する諜報界(深奥国家=DS)を潰すために大統領になった。諜報界には、こっそり米覇権を崩して世界を多極化したい勢力もいて、彼らが米上層を騙して2016年にトランプを初当選させた。諜報界や傘下の民主党やマスコミ権威筋はトランプの無力化を試み、激しい政争が続いた。 民主党など従来の米英エスタブは、ネタニヤフに加圧するためイスラエル野党の中道派・旧労働党を支援し、ネタニヤフは常に政争に苦戦してきた。 |
徹底的な米国の民主党批判であり、トランプの圧勝はマスコミやジャーナリズムという、米英覇権の傀儡も無力化していく。良いことだとも指摘している。
また、これまで戦争をしてきたのは常に民主党政権であり、共和党政権下では、ジョージ・W・ブッシュ大統領を除いては、戦争を引き起こしていないと最後の調停官 島田久仁彦も指摘しながら、今後の石破茂の対米外交での懸念材料も指摘していた。
「日本に覚悟はあるか?中国と北朝鮮を睨む米トランプ新政権に石破首相が呑まされる『要求』」
「全世界が注目する米大統領選で、圧倒的勝利を飾ったトランプ氏。今後の外交を巡っては各方面から早くもさまざまな懸念が噴出していますが、識者はどう見ているのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、トランプ新政権が国際社会にもたらすのは安定なのか、もしくはこれまで以上の混乱なのかを分析。さらに日本が迫られることになる「大きな決断」について解説しています。
■安定か混乱か。返り咲きトランプが世界にもたらすもの 「みんな忘れがちだが、これまで戦争をしてきたのは常に民主党政権であり、共和党政権下では、ジョージ・W・ブッシュ大統領を除いては、戦争を引き起こしていない。ブッシュ政権については、同時多発テロ事件があり、それに対する報復なしには国を一つにまとめることが出来なかったのでまだ理解できる。皆が恐れるトランプ前政権時にも、口撃は多方面に加えていたが、実際に武力行使に至ったのはシリアへの60数発のトマホークミサイルでの攻撃のみで、彼は戦争を引き起こしてはいないことを記憶しておくべきだ」 「確かにトランプ氏が何を考え、どのような行動を取るかは予測不可能だが、彼はとことん戦争嫌いな人物ゆえに、安全保障面でこれ以上の混乱を引き起こす引き金を引くとは考えづらいので、紛争の調停という観点ではいろいろと動きやすくなると考える」 トランプ氏が第47代アメリカ合衆国大統領に返り咲くことが確定した後、調停グループの皆さんと話しをした際に出てきた分析です。 確かに第2次世界大戦は民主党のルーズベルト政権時に戦われ、日本への原爆投下は同じく民主党政権のトルーマン大統領が行いました。その後、ベトナム戦争は民主党政権のケネディー・ジョンソン政権が引き起こし、共和党政権のニクソン大統領が撤退を決定しています。 そして例外があったとすれば、先述のようにブッシュ政権時にGlobal War on Terrorの一環でアフガニスタンへの空爆が行われ、その後、イラクのフセイン政権の打倒が行われました。20年の駐留の後、結局、民主党政権下で何も達成しないまま、現在のバイデン政権でイラクとアフガニスタンからの米軍の撤退が決定されますが、実はそのレールを退いたのは第1期トランプ政権であったと言えます。 ただの偶然で片づけてはいけない傾向だと思われますが、いかがでしょうか? ■ウクライナ戦争はロシアに有利な条件でまとめられるのか 大統領に返り咲くトランプ氏の公約の一つに【ロシアとウクライナの戦争は、自分が当選した暁には24時間以内に解決できる】というものがありましたが、実際には来年1月に正式に大統領に就任してからの作業になると考えるのが自然かと思います。 多くのメディアで「トランプ氏が次期大統領に就任することで、アメリカ政府からウクライナへの支援がキャンセルされるかもしれない。それ以上に、トランプ氏はプーチン大統領と近しいため、その24時間以内の戦争終結は、ロシアに有利な条件でまとめられ、かつすでにロシアに奪われたウクライナ東部と、クリミア半島の支配も恒久化する可能性が高い」という懸念が取り上げられ、報じられていますが、実際にはどうでしょうか?この懸念の内容も理解はできますが、判断にはかなり注意が必要な内容であると思われます。 ■下野時にもプーチンに何度も警告を発してきたトランプ もう10年も前のことですので記憶が薄れているかもしれませんが、2014年にロシアがクリミア半島を強制併合した際、当時大統領だったオバマ大統領とバイデン副大統領も、ロシア、プーチン大統領との関係改善を優先して、ロシアに不当に侵略されたウクライナにとても冷淡だったことを覚えてらっしゃるでしょうか? それに対し2017年からのトランプ政権は、ロシアによる武力侵攻からウクライナを守るために、ウクライナに武器供与を行い、かつウクライナ志願兵の訓練を(英国と共に)行い、結果としてコーカサス地域でロシアに次ぐ軍事大国に仕上げたことは、あまり報じられていません。 その後、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアへの対抗という観点からバイデン政権は積極的な武器支援を実施していますが、それは「ウクライナが負けない程度のレベル」であり、ウクライナがロシアに勝つためのレベルには及ばないことにも注意が必要です。 つまりバイデン大統領は、これまでの政治家としてのキャリアを通じて貫いてきているロシア嫌いとロシアを信じることが出来ないという思いに基づいた行動を取っていますが、かといってロシアとの関係を断絶し、再び冷戦期のように対峙し、安全保障上の緊張を高めるところまでは考えていないと見ることもできます。 トランプ大統領の性格上、そして前政権時にオバマ政権の方針をことごとく覆したこともあり、今回もバイデン政権の方針をことごとく覆すという可能性は決して否定できませんが、方法はともかく、トランプ大統領は本気でウクライナの戦争を終わらせようと考えていると思われます。 ただ、選挙中のパフォーマンスかもしれませんが、ウクライナがロシアの侵略に対抗し、2年半以上にわたって抗戦している状況に対して、それを「負け戦」と表現したのは気になりますが、トランプ政権の国家安全保障問題の幹部に加わると思われるE.C氏によると「トランプ氏は下野している際にも何度もプーチン大統領と話し、プーチン大統領に対してこの戦争はロシアにとっても負け戦であるので、早急に矛を収める手立てを見つけないといけない、と述べ、さらには核兵器の使用を脅しとして用いることは愚の骨頂であり、やりすぎるとそれはロシアおよびプーチン大統領を破滅に導くことになる、と警告してきている。明らかにロシア寄りの采配をするとは思えないし、そのような戦略を進めることもないと考える。まずプーチン大統領とゼレンスキー大統領が戦いを休止できる口実を作ることが大事と考えている」とのことで、トランプ新政権がどのようにこの問題の解決に向かおうとしているのかを垣間見ることが出来ます。 E.C氏がどのようなポストで新政権に加わるのか、そもそも政権に加わるのかは分かりませんが、政権移行チームには加わり、国防・国家安全保障問題の戦略立案の中枢を担うことになるらしく、同時進行中の複数の紛争案件の終え方について、今後、密接に協議することになるかと思われることから、トランプ新政権はongoing conflictsの解決に高い関心があることが覗えます。 ■すでにトランプ・シフトが引かれている北朝鮮 では北朝鮮問題への対応はどうでしょうか? トランプ大統領は前政権時に金正恩氏と3度面会しており、今回の大統領選中も「北朝鮮の脅威に対応し、話し合えるのは自分しかいない」と繰り返していました。ただ、3度の面会を通じて“合意”した内容が一切履行されていないこともよく認識しており、対北朝鮮政策についてはかなりのハードライナーであることには変わりありません。 厳しい対応を貫き、北朝鮮との対話のチャンネルも拒否したバイデン政権とは違い、トランプ大統領は、パフォーマンスも含め、また金正恩氏との対話の機会を設けるものと思われますが、すでに自らを「核保有国」と呼ぶ北朝鮮の対応に対しては不快感を示しているようで、大統領選間際に相次いでICBMの発射実験を行ったことに対しても不快感を示しています。 さらにロシアとの急激な接近も要注意事項としてすでに認識されており、ロシアの力を借りて核技術やミサイル技術が大幅に発展していることに対しては大きな警戒心を抱いているようですので、大統領就任後、直接対話に臨んで“危険性”を取り除くことに加え、プーチン大統領に働きかけて、北朝鮮の暴発を抑え込むように要求するかもしれません。 特に前政権時とは異なり、すでに北朝鮮はアメリカ全土を射程に収めるICBMの技術を確立していると思われることから、前政権時のようにニコニコとは対応しないかもしれません。 トランプ前政権で国家安全保障問題に携わっていた友人によると、「まずは対話を試みるだろうが、なめられていると感じたら、以前シリアに対して行ったように、トマホークミサイルなどを用いた一斉破壊を命じるようなケースもあり得ると考えている」とのことで、恐らく硬軟使い分けた対応で、早期の解決を図ろうとするのではないかと言われています。 北朝鮮当局はまだトランプ氏再選の祝意を表明していませんが、すでにトランプ・シフトが引かれているとされ、アメリカ通で、現外務大臣の崔氏にも近いチョ・チョルス氏をスイス大使に据え、以前米朝協議に参加していた努光鉄氏を国防相に任命する人事を行い、来る米朝会談・協議に備えていると言われています。 ■最大の懸念でありターゲットである中国との駆け引き 今後、どのような対応を北朝鮮に対して取るのか。その方向性を左右するのが、トランプ外交の最大の懸念でありターゲットである中国との駆け引きです。 前政権時にもそうでしたが、トランプ新政権は中国に対して非常に厳しい態度で臨むことが予想されていますが、それは貿易・通商問題はもちろん、台湾有事に対する毅然とした態度の表明も意味します。 選挙中の公言として中国に対する最大200%の関税措置の発動の可能性もありますが、前政権時と違い、経済が低迷している中国を相手に本気で関税カードを切ると、中国経済のみならず、アジア太平洋地域全域の経済、そしてグローバル・サプライチェーンへの多大な悪影響が及ぶ危険性があるため、来年1月以降、トランプ氏がどこまで本気でそのカードを用いるのかは要注意でしょう。 ■トランプ新政権サイドとコンタクトを始めた中国 トランプ氏の対中圧力のターゲットは、アメリカのビジネス界の保護と国内産業の再興がメインだと思われますが、中国の習近平国家主席が強引に台湾に対する威嚇を行わないこと、つまりアジア太平洋地域のデリケートな安定を崩さないように警告するための関税カードという側面もあるものと考えます。 中国サイドはそれを理解しており、中国政府もまたトランプ大統領のアメリカといかに“安定的かつ互恵的な関係を築くか”に外交的なフォーカスをシフトし始めており、聞くところによるとすでに駐米大使などを通じてトランプ氏サイドとコンタクトを始めているという情報も入ってきています。 それに加えて、中国の存在と影響力を違った側面で使いたいという思惑も見え隠れします。それが対北朝鮮の影響力です。 北朝鮮に対して圧力をかけるという目的で、中国を動かすためのカードとして用いることも考慮されているのではないかとの見方も存在しており、先述のプーチン大統領を通じてロシアからの対北朝鮮抑制と、中国から北朝鮮への圧力をセットで用いることで、トランプ氏は北朝鮮を取り囲み、実質的に動けなくするのではないかとも考えられます。 ■そう遠くないうちに石破首相が迫られる大きな決断 その際、より重点を置きそうなのが、前出のE.C氏曰く、駐日米軍の戦略的な配置であり、中国と北朝鮮をにらむ目的で規模なども拡大されることになるかもしれません。 その場合、元々E.C氏自身がそうなのですが、日本に対して国防費をGDPの3%程度にまで増額すべきだと要求されるかもしれませんし、自衛隊のさらに積極的な活動を要求されることになるかもしれません。 それに対して石破政権はどう対応するのでしょうか?石破総理は長年表明されてきた防衛に対する持論を突き通すのでしょうか?それともそこも曲げて日米関係の強化に舵を切るのか? 大きな決断が、そう遠くないうちに待っているものと思われます。 トランプ新政権が誕生し、始動するまであと2か月半ほどですが、今回の選挙の結果、大統領のみならず、議会上下院のマジョリティも握ってトリプルレッドを獲得したトランプ氏と共和党が、次の2年(中間選挙)から4年間、どのように振舞い、世界にどのような影響を与えるのか。 大きな期待と不安が入り混じった状態ですが、今はまず与えられた調停官としてのお仕事に邁進してまいります。 |
軍事オタクと言われて久しい石破茂なのだが、そもそも自衛隊を国軍化して軍法会議の必要性もかつては主張していたと記憶している。日本国民とって心配なのは、かつてトランプが初めて米国大統領として来日した際に、こんな記事があった。
「最近の米国トランプ大統領は、なぜ、日本国民に向かって「安倍氏の年齢は39歳だ」と言い放ったのか:安倍氏の年齢65歳に0.6を掛けると39歳となる」
当時の安倍晋三はこの程度であったのだが、石破茂が今後トランプと会談した時、トランプに何歳とみられるのかが楽しみである、とオジサンは思う。