昨日は全国各地でゲリラ雷雨や500円玉くらいの「雹」が大量に降ったというニュースに驚いた。
少なくともオジサンの住んでいる地域では最近ズット「秋晴れ」が続いているからだ。
もう来週は11月に入りまさに今年は「小さい秋」であったという実感が強い。
そんな10月の「総括」をいつもの「在野のアナリスト」氏の政治関連の記事の一部を引用する。
「10月4週の動き」
岸田首相の「経済、経済、経済」 臨時国会の岸田首相による所信表明演説、連呼という変わった形が注目を集めます。しかし中身はない話。安倍政権で外相だった岸田氏は、経済のことを知らないから安倍ノミクスに同意し、閣僚として強力していたはず。その安倍ノミクスの目指していた世界、インフレが実現し、国民が困っている。その立て直しを、インフレを推奨してきた人間たちが行おうとしている、うまくいくはずがありません。未だに東大の渡辺教授など、「インフレの好循環」と語りますが、インフレにしろ経済の一つの態様、と考える私などにとっては好循環も悪循環もなく、ただ様々な条件次第ではインフレになったり、デフレになったり、です。 岸田氏は「供給力の強化」「国民への還元」を二本柱としますが、まず「供給力」は、安倍ノミクスで海外移転をすすめた。その結果、円安で国民はより高いものを買わされる。それを今から国内に生産拠点をすすめるか? そんなことにはなりません。いくら円安で人件費が安くみえても、です。資源の調達のし易さ、治安、安保、内政、総合的にみて今の日本に魅力がない。より安いところでつくり、価格を下げてきた。そのデフレ構造が終わった途端、実質賃金のマイナスという景気悪化効果のもっとも高い状況に陥った。日本の富は海外へと放出され、もっとも重要な消費が目減りする未来がみえるような国に、投資はできません。 経済安保を達成した企業に減税などの特典、といった話もありますが、それなら真っ先に農水畜産業でしょう。しかし岸田政権は半導体やら、産業に注力します。何が経済安保か? という定義も曖昧で、単なる財界にとって都合よい制度にしかならないでしょう。自民党の経済政策はずっとそう。そこで国民の怒りが高まると、給付、減税といった付け焼刃をうちだしますが、恒久ではなく、あくまでご機嫌伺い程度。経済が何も分かっていないから、ここまでの日本の苦境、凋落という事態になりました。あまり大きな記事で扱われませんが、IMFの予測で日本は独国に抜かれ、世界4位になる。今経済は大苦境中の独国に、です。 いくら円安の所為、といってみたところで、その円安をここ10年以上ずっと日本は志向してきた。インフレにするため、輸出で稼ぐため、です。本来、その間に国力が増大し、円安に負けない成長をしなければいけなかった。それが達成できないから、円安の効果だけ残って独国に抜かれるのです。岸田氏も自民党政調として、それを主導してきた張本人です。経済とは経世済民、本来は政治のことであり、世を治めて民を救う。今さら供給力だの、増税分を還元したりだの、それで経済を語るのはおこがましいレベルです。 補選1勝1敗の功罪 長崎4区衆院補選は、自民新人の金子氏が僅差で勝利。徳島高知の参院補選は、無所属で野党支援の広田氏が大差で勝利となりました。注目は、両選挙区とも投票率が極端に低くなったこと。通常、投票率が下がると与党に有利です。浮動票が動かなかった、と判断できるからですが、今回は野党に追い風が吹いている。要するに自民がほこってきた基礎票の崩れ、というのが顕著なのです。確かに徳島高知は、与党議員の暴力による辞職、といった逆風があるとはいえ、岩盤といわれた長崎でも保守分裂ではありましたが、かなり追い込まれた。そもそも、最近では保守分裂、中央と地方の対立、など自民では日常茶飯事です。 実は、今回の4万円減税や、非課税世帯への7万円給付などは地方への負担もささやかれ、地方の評判も悪い。よく米共和党の保守強硬派、いわゆるトランプ派と、中道穏健派との対立も記事になりますが、自民内の対立も深刻です。それは安倍派、いわゆる統一教会系議員が増えて、幅を利かせているのが面白くない。逆に、自民の数が増え過ぎて、統制がとれなくなっているのが現状であり、保守のわがままぶりもそれを加速させている。未だに安倍ノミクスを否定するのを嫌がる、といった行動もその一つと言えます。 ここにきて、選挙期間中の木原防衛相による「自民候補の応援は自衛隊に報いる」発言が、特に悪質さを意識させます。論理が破綻していますが、自分たちこそ日本を守る、という意識が先走ったエリート主義。それは人の本質の問題であり、政策や能力以上に、政治家として大きな欠点といえます。茂木派ですが、安倍派に近い政策、思想を掲げており、同じ穴のムジナが、同じような行動と態度、といったところです。 盛山文科相も統一教会と関係が…といったところで、自民党では誰がどうなっても統一教会の息がかかっている。ただ、それなりに濃く息のかかった人を当てた、という印象です。岸田派なので、まだ岸田氏が統一教会をコントロールするぞ、との意思にも見えますが、そうなると逆に、岸田氏は板挟み状態となり、自分ガーの岸田氏がしゃしゃりでて結果的に自分がおいこまれる、といういつものパターンになりそうです。 衆院解散が取り沙汰されますが、年内にできなければ恐らく、岸田氏は追いこまれて来年の総裁選の前、という形が考えられます。支持率回復は世界的な大異変でもない限り、望めないでしょう。減税や景気対策の効果、といってみたところで、そんなもので支持率が上がるのなら世話がないのであって、それ以上に賃上げがインフレに追いつかず、実質賃金のマイナスがつづくと、国民の怨嗟は岸田政権に向かいます。よせばいいのに、自分たちで「賃上げ実現」と、本来企業がすべきことを口走っているからです。 この補選の基礎票の崩れは、岸田氏も気にするところでしょう。その一部に、馬車馬のように集票、選挙協力に動いてくれていた統一教会離れ、といった可能性もある。野党には期待していないけれど、それ以上に自民への失望が影響すると、これは長引きます。安倍ノミクスが不評なのに、その安倍ノミクスを見直そうとすると、反対の大合唱となる安倍派。それは空気を読まないトランプ氏と似るものです。 安倍系雑誌の動き 偶々、今週は安倍系雑誌2誌と、文春、新潮の2誌の新聞広告を掲載する日が重なり、そのレベルの違いに驚く人も多かったでしょう。元々がオピニオン誌の体裁ですが、子供が騒いでいるかのような見出しです。その中で、岸田首相には上から目線でお説教、という体。これが統一教会の動きに影響を与えている面もあるでしょう。日本保守党、なんていって百田氏は喜んでいますが、安倍亡き後の統一教会系が加わり、いつものメンバーが参加するだけのつまらない団体です。やること、実力、いずれにしろ高がしれます。 減税日本、という名古屋ローカル政党の代表が連携を表明しますが、愛知県知事のリコール問題でミソをつけた連中、との認識も広がる。いつも強気のくせに、都合悪くなると逃げ回り、かっこ悪いことになるのは日常茶飯事。その代表格である維新が、未だに距離をおくのも統一教会の動きが読めないからでしょう。もし仮に、日本保守党とやらが国政進出へと舵を切ったとき、全国政党を狙う維新にとっては競争相手になりかねません。日本保守党が大きく、力をつけてもらっても困るし、今は様子見なのでしょう。 米国の統一教会は、トランプ氏を担いでいたことでも分かるように、ユダヤ人、およびキリスト教原理主義と近い。だからイスラエル支持のようですが、これも世界の流れと乖離する動きです。一般市民、子供を虐殺するイスラエルは、今や悪。いくらテロリストが潜んでいるからといって、許されない犯罪です。元々、ヘイトや他人の迷惑を顧みない傾向ですが、人権意識の低さはこんなところにも見え隠れします。 少し前は、高橋洋一氏など安倍ノミクスを支えた経済学者? が記事をだしていましたが、今や高橋氏すら登場しなくなった。裏では安倍ノミクスは失敗だった…と感じつつあるのでしょう。むしろイスラエルなどへの態度をみると、米国のポチ、逆らうこともできずに尻尾をふるばかり、と揶揄された安倍氏と同様の、米国追従の論調をとるなら、日本保守党どころか日本ポチ党と名乗った方が、名は体を表すのかもしれません。残念ながら、こうした集団はより先鋭的で、声が大きいのでよく目立ちますが、そんな数が多いわけではない。でも、それこそ日本を動かすためならなりふり構わず、中央へと喰い込もうとする野心、野望だけは強いので、こうした集団はよく監視しておかないといけないことはしばらく続きそうです。 |
さて1か月ほど前にこんな記事が載っていた。
「黒岩知事が「神奈川版ライドシェア」検討を表明 『タクシー不足」深刻化の解決策になるか』」
黒岩祐治(神奈川県知事):今、タクシー業界を敵に回して「タクシーは黙っていろ」、「こうやるんだ」というやり方では絶対に物事は前に進まないと思う。私は神奈川版のライドシェア案。ただちょっと雑ではあるが、まとめて言う。1番のポイントは、タクシー会社を巻き込む、一緒にやっていくということ。タクシー会社にまずは運行管理をお願いする。だから、一般のドライバーの車も、運行管理はタクシー会社にやってもらおうということ。
そして、タクシーは不足しているのかと。我々がデータを調べてみたら、タクシーは別に不足していないというデータが出てきちゃう。ところが、何が不足しているかというと、時間帯。この時間帯に集中する。その時間帯に皆さんがタクシー捕まらないっていう思いを持つということ。ちょっとタクシーの車そのものが不足しているのではなく、タクシーの車はあるが、人が、ドライバーが不足しているという問題。そして、この神奈川県の中だけ見ても地域によって実情が全部違う。大きな観光地もあれば、もっとローカルのところもある。全部課題が違う。だから、地域ごとに分ける。 |
読んだ瞬間に「県知事が白タクを推奨している」と感じたのだが、臨時国会の所信表明演説で岸田文雄も“ライドシェア”解禁をぶち上げ、どうやらその背景には怪しげな利権に集まる輩が暗躍しているようである。
「菅前首相、竹中平蔵氏の影がちらつく『ライドシェア解禁』の裏事情」
「地域交通の担い手不足を解消するために方向性を示すーー」 岸田文雄首相(65)は23日の所信表明で、“ライドシェア”解禁に向けて、そう意欲を見せた。 ライドシェアとは、客を乗せて運ぶために必要な“第二種運転免許”を持たない一般のドライバーが、自家用車で営利目的のために客を運ぶこと。日本では“白タク”と呼ばれ、原則禁じられてきた。 アメリカでは、一部の州で米配車サービス大手のUber社などが参入し、ライドシェアが進んでいる。しかし、ドイツやフランス、イギリスなど欧州では、どこも禁止。安易に導入すると、性犯罪等が多発しかねないと懸念されているからのだ。 なぜ岸田首相は、ここに来てにわかに導入に舵を切ったのかーー。 政治ジャーナリストの鮫島浩さんは、「この背景には、大物政治家やアメリカの影がチラついている」として、こう分析する。 「以前からライドシェア導入を強く押していたのは、菅義偉前首相です。本来、岸田派(宏池会)は、規制緩和を積極的に行うような政治姿勢ではないのですが、ポリシーがない岸田首相は、ライドシェアを進めることで菅氏を味方に付けて、来年の総裁選で再選を狙いたいという思惑があるのでしょう」 さらに、「バイデン大統領のご機嫌取り」という目的もあるという。 「岸田首相はこれまで、防衛政策でも経済政策にしても、バイデン政権の言いなりに動いてきました。この間、アメリカからはずっと規制緩和しろという圧力をかけられていますから、ライドシェアを解禁することで外資に参入の道を開き、バイデン政権のご機嫌を取りたいという思惑もあるのでは」 つまり、ライドシェア解禁は、すべて“岸田政権延命のため”なのだ。 ■ライドシェア解禁の影にちらつく竹中平蔵氏 さらに気がかりなのは、菅氏の背後には、前パソナグループの取締役会長、竹中平蔵氏の影もチラついていることだ。 鮫島さんは、ふたりの関係性を、こう解説する。 「小泉政権下では、郵政民営化や派遣法の改正などが行われましたが、こうした規制緩和を主導したのが当時大臣だった竹中平蔵氏。菅氏も、同じく小泉内閣で頭角を現し、竹中氏の後任で総務大臣になっています。つまり菅氏は、“小泉・竹中”が進めてきた規制緩和政策の継承者なんです。今回のライドシェアも、タクシー業界が担ってきた運輸部分の規制を緩和して、民間に参入させようということですから、小泉・竹中改革の流れを汲んでいます。 竹中氏はいわば規制緩和派のドンです。ライドシェアが導入されれば、Uber社など米国資本に加え、規制緩和で急成長したパソナなど国内の人材派遣業界が参入する可能性は十分にあります」 実際に竹中氏は、2019年に開かれた政府の「未来投資会議」に出席。 「ライドシェア産業は近年最も成長した産業。日本では既得権益者の猛烈な反対で、この成長機会を逃してきた」などと発言し、ライドシェアを強力に後押ししているのだ。 竹中氏のほかにも、菅氏と近い河野太郎デジタル行財政改革担当相や、小泉進次郎元環境相も追随。 さらに大阪維新の吉村文洋大阪府知事も、今や開催が危ぶまれている大阪万博での導入を目指していた。 「管氏と維新は蜜月関係にあります。というのも、菅氏は長年、麻生太郎氏と犬猿の仲で、麻生氏はこうした規制緩和の流れに反対してきました。管・竹中だけでは自民党の中で勝ち抜けないので、規制緩和路線の補完部隊として起ち上げたのが維新なんです」 ■タクシーが庶民には手の届かない高級な乗り物に 郵政民営化や派遣法の改正など、これまで行われた規制緩和を見る限り、とても国民生活が豊かになったとは思えない。 実際に、“ライドシェア”が導入されたら、どうなるのか……。 心配なのは、治安の悪化だ。Uber社が22年6月に発表した安全報告書によると、アメリカ国内でコロナ禍の利用控えがあった2020年において、レイプ被害が141件、性的暴行被害が998件と報告されている。利用者数全体から見れば、わずかな割合だとしても看過はできない。 「価格競争が激化し、既存のタクシー会社が淘汰されるようなことになれば、タクシー自体が庶民には手の届かない高級な乗り物になってしまいます。そうなると、庶民はリスク覚悟でライドシェアを利用せねばならない、というおそろしい事態になりかねません」 岸田首相には、自分の延命のためではなく、真に国民の安全を考えて検討してもらいたい。 |
【速報】小泉進次郎氏「ライドシェア推進すべき」岸田首相「本格的に制度を考えなければ」 衆院予算委|FNNプライムオンライン
— 但馬問屋 (@wanpakuten) October 27, 2023
小泉氏は「皆さん、移動に困っているタクシーが足りない、バスが減便されている。まずはタクシーに対する不足感をいかに解消するかだ」と切り出した。
ーーー… pic.twitter.com/tDmBH89xSz
なるほど、ライドシェアの危険性がよくわかりました。 https://t.co/R0lFgiu3ZQ
— 前川喜平(右傾化を深く憂慮する一市民) (@brahmslover) October 22, 2023
このような動きに対して、2012年より2018年まで安倍内閣・内閣官房参与にて防災減災ニューディール政策を担当していた京都大学大学院工学研究科教授の藤井聡が、岸田文雄のライドシェア推進に対して徹底的に批判していた。
「岸田総理の「ライドシェア解禁論」がウンザリするほどに愚かしい代物である4つの理由」
『岸田さんの
— 藤井聡 (@SF_SatoshiFujii) October 20, 2023
「ライドシェア、解禁するのダ~!」宣言
がどれほど愚かなのかを、簡単に解説します。
ホンットうんざりするほど愚か極まりない話しです』 https://t.co/dOpzDEf7O8…
何度も繰り返しますが、ホントに愚か極まりない話…
心底、うんざりします。 pic.twitter.com/03NmUewjvq
■「賃上げする!」と言っておきながら 岸田総理が、所信表明演説でライドシェアの導入検討を宣言されました。 ライドシェアには様々な意見が飛び交っていますが、確実に言えることは、ライドシェアを今のタクシーに関する様々な規制を「緩和」することで導入すれば、「おカネをもらって他者を輸送する」という車(いわゆる、広義の「タクシー」)は増加することになる、という一点です。 したがって、その結果、「タクシードライバー」の収入が減り、「賃金」が下落することもまた、確実なのです。 岸田総理は「賃上げする!」と言っているにもかかわらず、これでは言ってる事とやってることが正反対だということになります。 しかも、所信表明で宣言された「担い手不足」(つまり、タクシードライバー不足)の解消が、ライドシェア導入の理由となっているのですが、ライドシェアの導入で賃金が下落すれば、ますますタクシードライバーのなり手が少なくなるでしょう。 そもそも、タクシードライバーの「減少」の最大の原因が、低賃金なのですから、この点から言っても、岸田総理は、「言ってることとやってることが正反対だ」ということになります。 以上の指摘だけでも、現下の岸田総理の「ライドシェア導入宣言」はまったくもって愚かしい「不合理」なものであることが明らかですが、その不合理性は以上の2点だけには留まらないのです。 ■タクシー不足は「賃金UP」のチャンスなのに 所信表明で、まず、ライドシェア導入の理由として「担い手不足」に加えて「移動の足の不足」、すなわち「タクシー不足」が挙げられていますが、これは実を言うと多くの場合、単なる「デマ」なのです。これが、岸田氏のライドシェア宣言が愚かしい代物であることの第3の理由です。 メディア等ではしばしば、京都駅のタクシー待ちの長蛇の列が紹介され「タクシー不足が深刻だ」と報道されていますが、こういう現象は、ごく一部の減少に過ぎません。 ここ最近(コロナ期は別として)京都には尋常ではない大量の外国人観光客が押し寄せており、あらゆるサービスが激しく混雑し、「観光公害」とも言われる状況となっています。そんな観光公害現象の一つに、京都駅のタクシー乗り場での長蛇の列があるに過ぎません。 そんな特殊な現象である「京都駅のタクシー不足」に着目し、今、日本ではタクシー不足があるんだからライドシェアすれば良いというのは、「東京ドームで人気外タレのコンサートがあるが、チケット不足が深刻だから東京ドームをもっと広げましょう」と言っているようなものです。 そもそも東京ドームは別に外タレのために作られたものではないように、いつ終わるとも分からない大量の外国人観光客の引き受けのためにライドシェアを導入するなぞという話は筋違いも甚だしい話なのです。 しかも現実にタクシー不足が存在しているケースにおいても、それはドライバーの「賃金」を引き上げるチャンス到来を意味するものでもあるのです。したがって、賃上げを目指している岸田氏は、ライドシェアなど導入せずにこの状況を継続させるべき時だとも言えます。 実際、タクシー行政においては、賃金を引き上げるために、「減車」といって、タクシー台数を(サービスレベルを維持しつつ)減らし、幾分のタクシー不足をあえてもたらそうとする取り組みを長年続けてきたくらいなのですから。 おそらく岸田氏はそういうタクシーマーケットにおけるこれまでの議論の経緯を何もご存じないのでしょう。 また、おそらくは岸田氏を含めた多くの人が「ライドシェア」って言う言葉でイメージするのが「ウーバー」という会社のシステムですが、実を言うと、この「ウーバー」、すでに日本に導入されているのです! 導入しているのは、一部の日本のタクシー会社。それはちょうどGoアプリだとかSライドだとかのアプリと同じなのです。だから、「ライドシェア」なる代物が仮に導入することになったとしても、ユーザー(利用者)にしてみれば、殆ど何も変わらないのです。 これこそ、岸田氏のライドシェア解禁論が実に愚かしい議論であることの、第4番目の理由です。 ■国民はその浅はかさを見透している ちなみに、ライドシェア導入なる取り組みを通して変わることがあるとすれば、それは、「政府が許可しているドライバーやクルマの枠が広がる」というだけの話。つまり、今回岸田さんが言ってるのは、本人が気付いているのかどうかは別として、「ウーバーを入れる」という話しじゃなくて、「タクシー事業の規制を緩和する」というだけの話なのです。 だとすれば、岸田さんはライドシェアをやるのだ、と言うのではなく、ただ単に「タクシー事業の規制を見直します」と言えばいいだけだったのです。 しかし、そうした諸規制は「乗客の安全」を守るために導入されているもの。仮に一部で客が少なくなってるから規制を何でも緩和すれば良いのだというなら、京都駅のタクシー待ち客の長蛇の列を解消するために、労働時間や免許種別や車両点検に関する規制を撤廃すればいいのだ、ということになってしまいますよね。 言うまでも無く、そんな議論は完全な暴論。岸田氏は、これまでの規制を一旦さておいて、兎に角、外国でやってるような「ライドシェア」を入れればいいのだ、と思っているのかもしれませんが、それでは乗客の安全を守れないのです。 ですから、ライドシェアかどうかは議論の本質ではなく、重要なのは、仮にタクシーの諸規制を緩和するにしても、ドライバーのなり手が維持できる程度の最低限の賃金を確保し、かつ、乗客の安全は守ることを前提として、どの規制をどういう風に緩和すべきかを丁寧に議論していくことが必要なのです。 こうした議論を踏まえれば、岸田氏はどうやら、ご自身が何をおっしゃっているのか殆ど分からずに、側近たちから言われたことを口ばしっておられる、という大変に情けなき実態が浮かび上がって参ります。 今、彼に求められているのは、ドライバーの賃金水準や乗客の安全性に配慮しつつ、タクシーにおける実際の需要と供給の実情を見据え、必要な対策を的確に推進するという理性的な態度なのです。 新しめのカタカナ言葉に踊らされて、「やってる感」を出すために「ええかっこしぃ」で適当なことを口走るような愚かな態度を続けているようでは、もたらされるのは単なる「混乱」だけとなります。しかも、国民にはその浅はかさが見透かされ、彼が喉から手が出る程に欲しがっているであろう国民の支持は得られるどころか失われ続けることになるのでしょう。 果たして岸田氏はこの問題について、一体、どのような落とし前を付けるつもりなのでしょうか。彼の采配をこれからもしっかりと注目したいと思います。 |
「ご自身が何をおっしゃっているのか殆ど分からずに、側近たちから言われたことを口ばしっておられる、という大変に情けなき実態」とまで酷評された岸田文雄。
「本来、岸田派(宏池会)は、規制緩和を積極的に行うような政治姿勢ではない」にもかかわらず、「以前からライドシェア導入を強く押していた菅義偉」を味方に付けて、「来年の総裁選で再選を狙いたいという思惑がある」とまで指摘され、タクシー業界やタクシーを利用する国民の利益を全く考えずに「総裁・総理」という地位にしがみつく岸田文雄の存在はそろそろ国民も気づき始めているのではないだろうか、とオジサンは思う。