自民党の裏金事件で、身内の処分は4日の党紀委員会を開催し、処分を決定するはずがその全貌がなぜか事前に明らかになっていた。
「【一覧表あり】岸田首相が責任とらない自民党の「処分」 二階俊博氏や森喜朗氏も「不問」で収まるのか」
肝心の組織のトップが責任を取らないという処分では、当然ながらこんな声があふれていた。
自民党が処分を求める裏金議員は39人。派閥幹部や不記載額500万円以上を基準としたようだが、岸田氏や二階氏は対象外。
— 山添 拓 (@pioneertaku84) April 1, 2024
政治責任を理由とするなら、時効となる5年以上前に遡れば不記載がもっと高額になる議員もいるだろう。
不十分な調査、曖昧な処分で幕引きなど許されない。https://t.co/iZLjJylDcq
政治資金パーティーだの裏金だの罪状をひた隠しにしているが立派な横領、国税法違反であり現行法に照らし合わせても直ちに牢獄へ送り込まなければならない罪。前にも述べたが中国では銃殺刑、米国では終身刑。党内の処分などと甘い措置で再び政治の場に舞い戻る事は許されない https://t.co/mGg8sgA8Kt
— 🇯🇵TR-3B ASTRA@日本第一主義🇯🇵 (@MJGA_Japn_First) April 1, 2024
党の多くの人がやってるからと裏金作って、バレて、党の幹事長による注意。
— 武田砂鉄 (@takedasatetsu) April 1, 2024
「5年間の政治資金収支報告書の不記載額が500万円未満で、派閥幹部でなかった議員については、幹事長による注意にとどめる」 https://t.co/oDam6VjDOQ
政治の世界は「一寸先は闇」であり「昨日の友は今日の敵」でもあり、まさに魑魅魍魎が跋扈している。
「週刊現代」2024年4月6・13日合併号の2つの記事で、そんな連中の跋扈ぶりを眺めてもらいたい。
「息子二人を国会議員に…二階元幹事長『引退会見』のウラにあった、岸田首相との『裏取引』の中身」
「自民党最後のドン」二階が自ら身を引くことを決断した。土の匂いのする政治家がまた一人去る。一方、厄介者を退場させたと官邸で小躍りする岸田。しかし、彼は重大な変化に気づいていない。 ■不出馬会見の真意 50年の長きにわたり政界に身を置き、「永田町の妖怪」と恐れられた男の最期は一見、あっけなく見えた。しかし、わずか10分の会見の中に込められた真意に気づいた者は一体どれだけいるだろうか―。 3月25日午前10時半、自民党本部4階にある会見場で元幹事長・二階俊博の不出馬会見が開かれた。次の衆院選には出ず、事実上の引退を決めた二階。うつむき加減でボソボソと原稿を読み上げる声はいつになく小さい。ところが中盤、突然背筋を伸ばしたかと思うとカッと目を見開いて、次のように語った。 「初めて国政に立候補したころ、名も無い私に、初めて会った人が朝ご飯を食べさせてくれました。私は大変感激をいたした次第であります」 何者でもない私に、ご馳走してくれた人がいる。そのことを生涯忘れない。「妖怪」がまだ人間でありし頃のエピソードを披露したのだ。二階派の中堅議員が言う。 「二階先生の信条は『どんな奴とも飯を食う』。分け隔てなく人と付き合うことで慕われてきました。 総理を輩出することがなかった二階派は『寄せ集めのガラクタ集団』と揶揄されることもあったけれど、みんな二階先生の人柄に惚れ込んで、鉄の結束を誇りました」 その言葉を象徴するかのように、懐刀である元幹事長代理の林幹雄が隣にピッタリと寄り添い、会見を支えた。 ■二階という男の本性 「記者に不出馬と年齢が関係あるかと聞かれて、『おまえ“も”その歳が来るんだよ、バカヤロウ』と叱りつけたのも二階先生らしい。ただキレて線を引いてしまうのではなく、『おまえも俺と同じ人間なんだよ』と懐を開いて見せる。 魑魅魍魎が跋扈する永田町で、あらゆる人を巻き込んで生き抜いてきた二階先生の手練を、短い会見の中で垣間見たように思います」(同前) 傍らでは、政界の荒波をともに乗り越えてきた総務会長の森山裕が、何か問題発言をしやしないかと気を揉みながら二階の姿を見つめていた。 裏金問題の渦中にあり、その去就に注目が集まっていた。党の処分が下される前に、「名誉ある引退」という花道を残す―官邸と二階派の間を取り持ち、調整役を担っていたのが森山だった。その森山の心配をよそに会見は幕を閉じた。 「『最強幹事長』の名を恣にした二階先生といえども寄る年波には勝てないということか。最後は非主流派に転落して力を失い、引退に追い込まれた。案外あっけないもんだな」 ある若手議員はこう腐す。しかしそうした評価は、二階という男の本性を完全に見誤っている。 故・安倍晋三は生前、二階を幹事長に起用した理由を問われ、「自民党で最も政治的技術を持った方だ」と持ち上げた。これは決してお世辞ではない。その後、二階は歴代最長の5年あまり幹事長として権勢を振るうことになるのだから。 ■二階との裏取引 政治のプロフェッショナルである二階が何の狙いもなしに引き下がるはずがない。引退にあたり、総理の岸田文雄との間で取引があったことは永田町では公然の秘密だ。 「岸田さんは森山さんを介して、『二階さん自ら身を引くのであれば、裏金問題の処分は見送る』と伝えていたのです。 二階さんとしても離党処分などが下されれば、党内での影響力は著しく低下してしまう。何より不名誉な最期を迎えてしまう。『派閥のドン』として責任を取ったという形であれば、格好がつくし、求心力も維持できる。岸田さんからの取引の申し出は、二階さんにとってはプラスしかなかったのです」(自民党関係者) 今年85歳になった二階にはこれまで何度も引退説が流れた。それでも本人が引退を決めきれずにいたのは、後継者問題があったからだ。 次の衆院選で二階が立つ予定だった新和歌山2区を巡っては、地盤の重なる安倍派の前参議院幹事長・世耕弘成が「鞍替え」を狙い続けてきた。一方、二階は息子に継がせるため、引退の時期を見定めてきた。 しかし、一連の裏金問題で火だるま状態になった世耕は、もはや身動きがとれなくなった。二階にとって、息子に地盤を譲る絶好のタイミングが巡ってきたのだ。 「二階家では、地元事務所の所長である長男の俊樹さんと、公設秘書を務める三男の伸康さんの2人が出馬に意欲を燃やし、一本化できずにいました。 ところが世耕さんが自滅したので、二階さんは新2区を本命の伸康さんに継がせ、さらには俊樹さんに参議院和歌山選挙区をあてがうという大胆な計画をぶち上げた。これも岸田さんと話をつけた」(同前) 二階は突然引退を決めたように見える。しかし、水面下ではこんな計画が着々と進んでいたのだ。 「二階さんは代替わりを確実なものとするため、裏金問題で矢面に立たされた政敵の世耕さんを徹底的に叩いた。3月8日、産経新聞が和歌山県連青年局主催の『セクシーダンス懇親会』をスクープ。会を企画した川畑哲哉県議は世耕さんの元秘書で、そこでチップを口移ししていた男性も世耕さんの現役秘書でした。 ■岸田の選択 こうした“世耕派”への集中攻撃は二階派が仕掛けたリークと言われています。政治倫理審査会を前に、世耕さんのイメージダウンを図ったのです」(安倍派中堅議員) こうして地ならしを済ませたうえで、二階は満を持してあの会見に臨んだのだ。会見後、二階は周囲にこう語ったという。 「こういうのはやっぱり自分で決めなきゃならん」 その満足げな二階の様子を、内心せせら笑って眺めている男がいた。 ―岸田だ。 会見の日の夕方、岸田は二階の根城である自民党本部5階の国土強靭化推進本部長室を詣でた。「党の功労者として、今後もご指導ください」 神妙な面持ちでそう言って二階を労ってみせた。 しかし官邸の自室に戻り、ドアを閉めると一転、拳を振り上げ、大きくガッツポーズを決めた。 〈これで邪魔者は消えた。俺の天下だ!〉 そもそも二階の処分については岸田も困り果てていた。二階の政治資金収支報告書の不記載額は3526万円に上り、立件された議員を除けば最多。処分は避けられなかった。しかし、相手は40人近くの議員を束ねてきた「二階派のドン」。9月の総裁選で再選を目指す岸田としては、敵にまわすのは避けたかった。 後編記事『岸田総理が食べた「毒まんじゅう」、そして二階元幹事長は嗤うー岸田さん、あんた”も”終わりだよ』ヘ続く |
「岸田総理が食べた「毒まんじゅう」、そして二階元幹事長は嗤う…岸田さん、あんた“も”終わりだよ」
■岸田総理が茂木幹事長に大激怒 さらに「ポスト岸田」を窺う幹事長の茂木敏充が謀反を起こして、事態をややこしくしていた。 「3月19日、毎日新聞の朝刊一面に〈岸田首相自身も処分検討〉の見出しが躍りました。つまり、二階さんや安倍派幹部に処分を下すと同時に、総理自身も処分を受け、責任を取るつもりだという報道です。 岸田さんはこれに仰天。『俺はそんなことは言っていない!』と大激怒した。書かせたのは茂木さんだと言われています」(自民党閣僚経験者) 激昂した岸田は21日に、茂木の古巣である読売新聞東京本社を訪れ、ナベツネこと渡邉恒雄代表取締役主筆にこの件を報告したという。その効果もあってか、茂木の態度は急変した。 「茂木さんもナベツネさんからお叱りがあるかもしれないと思ったのでしょう。出先の石川県金沢市で記者団の質問に答え、処分について『不記載がない議員を対象にすることはないと思っている』と説明。岸田首相は処分の対象にならないことを示しました」(同前) しかし時すでに遅し。「二階が責任を取るなら、岸田も取るべき」となぜか2人セットで処分という流れが既成事実化してしまった。 「茂木さんの狙いは岸田さんの解散を封じることです。岸田さんは裏金議員に厳しい処分を下すことで、世論を味方につけ、勢いそのまま解散するつもりだった。そこで茂木さんは、岸田さんも裏金議員の一員と見立てることでこれを阻止した」(同) ■裏金処分はあくまでパフォーマンス このままでは自分も処分対象となってしまう―万事休すの岸田がすがりついたのが、二階の盟友である森山だった。前述のように処分の見送りや後継者の公認を持ちかけ、二階が自ら身を引くように調整を頼んだのだ。 「二階さんと気脈を通じていた森山さんは、引導を渡すことに悔しい思いもあったでしょう。それでも党人派として首相のために全力を尽くしたのです」(森山派番記者) なんとか二階の引退にこぎつけた岸田は一人快哉を叫んだ、というわけだ。岸田の頭にあるのは自分がどれだけ長く「総理の椅子」についていられるかだけ。 「二階さんは次の選挙に出ないのだから、これ以上、処分を下す必要はない。ということはセットで考えられていた岸田も厳しい処分から逃れられる。あとは安倍派幹部の処分に集中すればいい」(全国紙政治部記者) 従来の計画通り、岸田は裏金議員に天誅を下そうとした。しかし、これも支持率上昇を狙ったパフォーマンスにすぎない。 「これまで安倍派に対しては、『5人衆』や『事務総長経験者』という線引きで責任を問うていたのに、ここへ来て突然、『キックバックの扱いを協議した4人』つまり世耕、元文部科学大臣の塩谷立、元政務調査会長の下村博文、元経済産業大臣の西村康稔に焦点を絞った。これは党内の反発を抑えるための極めて恣意的な線引きです。 岸田さんも安倍派全体を敵にまわすことはしたくない。そこで『安倍派のドン』森喜朗さんの一番のお気に入り、萩生田光一さんは処分から外した。一方、二階さんに恩を売るために世耕さんは狙い撃ちしました」(同前) ■解散に向け自信満々の岸田総理、しかし… もはや岸田にとって障害は何一つない。たとえ安倍派の処分で支持率が回復しなくても、政権浮揚策は他にもある。 現在、日経平均株価は4万円を突破。大手企業を中心に、春闘では大幅な賃上げが実現している。 4月10日にはバイデン大統領から国賓待遇を受け訪米。同日に日米首脳会談を行い、翌11日にはアメリカ議会で日本の総理大臣として9年ぶりに演説する予定だ。 6月には所得税3万円、住民税1万円、合わせて4万円の定額減税が実施される。 加えて総理直轄で交渉を進めている北朝鮮を訪問し、金正恩総書記との会談に臨む―。 議員の間では最近、岸田の答弁が力強くなったともっぱらの評判だ。岸田がどん底からの支持率回復に自信を深めていることは明らかだ。 しかし本当にそう上手く行くのだろうか。二階は不出馬会見の冒頭でこう謝罪していた。 「政治責任は、全て監督責任者である私自身にあることは当然だ」 二階は派閥会長として自ら落とし前をつけ、ひいては二階派の面々を守り抜いてみせた。それに比べると自分のことしか考えていない岸田はあまりに情けない。 ■岸田が食べた「毒まんじゅう」 そもそも自民党全体の監督責任者は誰か? それは総裁である岸田をおいてほかにいない。党内からはすでに「二階さんは不出馬で、総理は不問でいいのか」という声が上がり始めた。 一見、二階は不出馬を選んだことで、岸田に恩を売ったように見える。しかし、二階が岸田に手渡したまんじゅうには毒が仕込まれていたのだ。その毒は岸田が増長すればするほど、全身に回っていく。 「岸田さんは万能感に満ち溢れ、安倍派に安易に処分を下した。しかし、『排除の論理』を振りかざす者のもとに人が集まることはない。これは政治の基本です」(前出・自民党閣僚経験者) 岸田は前回の総裁選で、幹事長ポストを独占してきた二階を念頭に、「1期1年、連続3期まで」とする党役員の任期制限案を掲げて、総裁選を勝ち上がった。二階はあの日の恨みを忘れてはいない。 |
政治の世界で一般的に言われている「毒まんじゅう」とは、反対陣営からの「賄賂」を示す隠語であるのだが、その毒には即効性はないのだが、時間の経過とともにじわじわと効果が表れるものである。
「我が世の春」気分らしい岸田文雄だが、都心では今週末にはソメイヨシノが満開らしいのだが、満開とともに散り始めるのも早いということをわが身に照らして岸田文雄は肝に銘じていたほうがよさそうである、とオジサンは思う。