7月に入り急に梅雨らしく雨が続いているが、今度は雨が降り過ぎて各地で水害や土砂災害への警報が出ている。
そんな中、大阪と東京でそれぞれの首長がメディアの前に現れた。
目立ちたがり屋のイソジン小僧こと大阪府の吉村洋文知事は、今までの無策ぶりを糊塗するかのような行動にでていた。
「大阪・吉村知事『ワクチンは大都市部に優先配分を』 政府に要望へ」
吉村知事は「供給量が足りないのであれば、戦略的なワクチン配分が重要になる」と述べ、東京都や大阪府などで再び感染者が急増すれば周辺の自治体にも感染が広まる恐れがあると指摘。その上で「全国一律に平等に配分する考えもあるが、消火器(ワクチン)が限られているのであれば、火元(感染が広まりやすい地域)を抑えるのが重要だと思う」と主張した。 |
そして2日に上京し、戦略的にワクチンを配分するよう菅義偉や他の政府関係者会い要望して回っていた。
そもそも現時点で当初のワクチン計画が瓦解し供給量不足という失態を招いている政府としては、大阪に優先的にワクチンを供給するという言質は与えなかったようである。
まあ、どう見ても「身勝手な言動」と言われても仕方がない吉村パフォーマンスであった。
関東のメディアは特に大阪府知事の言動には関心がなく、ほとんど取り上げることはない。
しかし、地元大阪では異常なくらいこのイソジン小僧をメディアは支えているらしい。
元神戸新聞記者で現在はフリージャーナリストの松本創が「女性自身」にこんなまっとうな批判記事を投稿していた。
「死者最多も“批判なし"吉村知事を支える大阪メディアの異常」
やっと全うな記事が出だしています。「雨合羽」「大阪ワクチン」「イソジン」「マスク会食」「朝令暮改の基準」「緊急事態宣言の遅れ」と大阪の医療行政の迷走は明白で、その結果多数の死者を出す事態に至っています。適切に批判するのが、民主主義政治という物です。https://t.co/gdCgy37tBe
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) July 1, 2021
「吉村さん、がんばってはる」 関西圏の昼のワイドショー。吉村洋文大阪府知事(46)がカメラに向かって、現在の大阪の感染状況や今後の見通しを語る。大阪のコロナ対策の総責任者である吉村知事だが、淡々としたその語り口からは、どこか当事者意識が希薄のようにもみえる。 その様子を聞きながら、ときどきちゃちゃを入れるのが吉本芸人を中心とした番組“コメンテーター"たち。もちろん批判的な質問などはほとんどなく、冒頭のような声でたたえることさえも……。これはコロナ禍でおなじみになった関西のテレビの現状だ。 「吉村知事と在阪メディアの蜜月ぶりは、とにかく異様です。昨年3月に、『大阪と兵庫県の往来を自粛してほしい』と吉村知事が突然発表したあたりから、吉村知事のテレビ露出が特に増えました。大阪府のホームページに掲載されている〈知事の日程〉欄には、吉村知事のメディア出演予定がいくつも並んでいます」 そう話すのは、元神戸新聞記者で大阪維新とメディアの関係に詳しいノンフィクションライターの松本創さん。本誌が調べてみると、2020年4月から2021年5月までの14カ月間で、吉村知事のテレビ出演は143回。多くは地元関西の情報番組だ。コロナ対応で多忙な時期に、週2回は出演していたのだ。 吉村知事がテレビ出演で忙しくしている裏で、地獄を見ていたのは、ほかならぬ大阪府民だ。 ■医療崩壊…「入院したときには母は手遅れで」 都道府県別の累計死者数は全国最多の2,668人(6月29日時点)。特に今年3月からの“第4波"では医療が崩壊。自宅待機者が1万5千人となり、在宅で亡くなる人が相次いだ。当時の様子を、大阪府堺市に住む50代女性はこう振り返る。 「4月下旬、80代の母とともにコロナに感染しました。入院できず、感染した私が在宅で看病しないといけない状態が2日続きました。母が入院できたときは、咳が止まらず話せないような状態で……。私も高熱が出て、一緒に病院に行ったのですが、解熱剤だけ渡されて帰されました。肺へのダメージが大きく、母はしばらくして肺炎で亡くなりました。私も症状が悪化して入院。結局、母の死に目に会うことも、火葬に立ち会うこともできなかったんです」 彼女は、前回の府知事選では吉村氏に投票した“ゆるい維新支持者"だったが、いまはワイドショーに出演する吉村知事を見るたびに、怒りがこみ上げるという。 「母が亡くなったのと同時期に感染した維新の議員さん(中谷恭典府議会議員)はすぐに入院していたんですよね。そもそも、この1年、大きなこと言っていただけで、何の成果もないじゃないですか」 前出の松本さんも、「吉村知事の1年半にわたるコロナ対策は、パフォーマンス先行と言われても仕方ないものだった」と指摘する。 「感染者数が一時的に減った昨夏には、松井一郎市長と一緒に道頓堀の飲食店に出向き、〈どんどん大阪に来てください!〉と吉村さん自ら“食のまち・大阪"再始動のパフォーマンスをしました。うがい薬で『コロナに打ち勝てる』と言い出したり、年内に“大阪ワクチン"の実用化を宣言したり……。いずれも信憑性や実現性に乏しい発言でした」 ■“バラエティー"のノリで知事を出演させる 昨年11月には“都構想"の是非を問う住民投票を強行。感染が広がるなか、このタイミングで行うことに疑問の声が出た。「一方で、吉村知事は感染者数が増加すると医療機関に対し、『ベッド数を増やせ。増やさない病院は名前を公表する』と、脅しのようなことを言い始めました。結果的に名前の公表には至りませんでしたが、ある民間病院の院長は『場当たり的な対応を繰り返して、最後は医療機関にだけ負担を押しつける』と憤っていました」(松本さん、以下同) 3月1日の緊急事態宣言の解除も、吉村知事が政府に働きかけて1週間前倒ししたものだ。それに伴い、すぐに対応できる重症病床の数も縮小したが、ふたたび感染が爆発し、“医療崩壊"を招いたと指摘されている。ところが、在阪メディア、特にテレビで、こうした知事の失政が正面から批判されることは少ない。 宣言解除前から変異株の危険性は指摘されていたにもかかわらず、吉村知事は“医療崩壊"に陥った理由を「変異株の感染力が予想以上だった」からと説明。テレビに出ても、無批判にその声は垂れ流されることが多かったという。 「知事が出演しているのは、主に情報番組。普通、政治を扱うのは報道局なんですが、情報番組はバラエティー番組をつくる制作局が作っています」 知事が頻繁に情報番組に出演する。そんな大阪特有の“伝統"を作ったのは橋下徹元大阪府知事(52)だと松本さんは指摘する。 「橋下さんは、知事になる以前からタレントとして頻繁に情報番組に出演していたので、当時から親しかった制作局が、府知事になってからも番組を作るようになったんです。制作局の人間からすれば“身内"の橋下さんが知事になったわけですから、権力者に対峙するというより、タレントに対し、〈がんばってや!〉みたいなノリになってしまうのでしょう。そんなメディアとの“共犯関係"を吉村知事も継承したんです」 そこに批判的な視点など、生まれようもない。 ■“恫喝"よりも持ちつ持たれつの関係を 本来、知事の行う政策を調査し、報道する立場にあるテレビの報道局や新聞記者の仕事の仕方も、維新府政で変わったという。 「橋下さんの時代になってから、知事は登庁時と退庁時の1日2回、庁舎の廊下で“ぶら下がり会見"を開くようになった。記者の本来の仕事は、現場に出て市民の声を聞き、それを首長にぶつけて問うことでしょう。でも、記者は知事の話を拾うことに必死になり、市民の声を聞くことがおろそかになった。いわば府庁の廊下が“現場"になってしまったんです」 知事に質問できる機会が増えること自体、悪いことではない。だが、肝心の内容は……。 「橋下さんは以前、自著『まっとう勝負!』に収録された爆笑問題の太田光さんとの対談で、“視聴者は話している中身なんて聞いていない"というような話に賛同したうえで、〈そうなんですよ。内容は別で、真剣に話してたことは分かったから、「ま、いっか」って雰囲気です〉と語っています。要は一生懸命な“印象"だけ伝わればいい、と。その傾向は、吉村知事も受け継いでいる。長々と一生懸命に話しているわりには、記者の質問にまともに答えていません」 橋下元知事は、気に入らない質問をする記者には個人攻撃で応えることもあった。2012年、府立教員の国歌斉唱問題について質問をしたMBSの記者を「勉強不足」「ふざけた取材すんなよ」と20分以上にわたって責め立てた。吉村知事は記者を“恫喝"することはないが、その手法を引き継いだのが松井一郎大阪市長だ。 「5月13日の記者会見で、大阪市のコロナ対応に何度も疑問をぶつけたMBSの記者を、松井市長は『不安をあおるようなことばっかり言って』『あんたの取材力がないからや』などと、責め続けました」 ■批判する記者を“ややこしい奴"とみなすマスコミ内の空気 毎日、2回も顔を合わせていれば、シンパシーも生まれる。一方で、批判をすると“恫喝"がかえってくることがある。メディア側に生まれるのは、維新と対立するより、持ちつ持たれつの関係を築いていこうという空気だという。 「会見などで厳しく批判すると、まわりのメディア関係者から、空気が読めない奴、突出してややこしい奴みたいな感じにみられる。極めて不健全な状態です」 その結果、量産されるのが知事や市長の発言を無批判にまとめただけの報道だ。 「基本的に、政治家は批判的な視点や疑問を持って検証する必要があります。取材の視点や軸足が権力側と一体化すれば、“吉村さん、がんばった"ということにしかならない。大阪だけ突出して死者が多いのはなぜなのか。それを検証するには、維新の言い分だけ聞いていてもダメなんです」 コロナ禍で1年以上にわたって繰り返されたパフォーマンス先行の場当たり的な対応。失敗を続けてもいっこうに改められないのは、維新と“共犯関係"にあるメディアによる“批判的な視点"の欠如が一因だと、松本さんは考えている。 ■批判の欠如が生む維新関係者の慢心 「維新は不祥事が非常に多い」と松本さんは言う。大阪維新の会から出馬した大阪府池田市の冨田裕樹市長は、簡易サウナやトレーニング器具を市庁舎に持ち込んでいたことが昨年10月に発覚し、翌月に離党した。昨年10月には日本維新の会の森夏枝衆院議員が、集めた党員の党費を肩代わりして払ったことが発覚。公選法に抵触する寄付行為にあたると指摘されている。 2月には大阪維新の会の岡沢龍一大阪府議が弟への傷害容疑で書類送検。6月29日には、大村秀章愛知県知事に対するリコール署名の偽造事件で、日本維新の会の衆議院愛知5区選挙区支部長だった田中孝博容疑者が、地方自治法違反の罪で起訴された。維新関係者の不祥事は枚挙にいとまがないという。 「松井市長も64回も公用車でホテル通いをしていたことが発覚しました。メディアの批判的な視点の欠如が関係者の慢心につながり、体質がいっこうに改善されない要因になっているのではないでしょうか」 政治とメディアの緊張感をもった関係を作り出す必要がある。 「とはいえ、今の大阪の空気は十年くらいかけて築かれてきたものなので、急に変わるものでもない。メディアのなかにも、このような報道のあり方でいいのかと、疑問に思っている記者はいます。もし、そういう視点から作られた記事や番組に接したら、市民の皆さんはエールを送ってほしい」 新型コロナウイルスが日本で流行し始めてから、もうすぐ1年半。行政が行うコロナ対策を批判的に検証し、おかしな点があれば遠慮なく報じる。そんな“あたり前"が府民の命を守るために必要だ。 |
大阪府知事の上京の日に、東京都の都知事が病床からの復帰記者会見をしていた。
「小池知事『五輪無観客も軸』『倒れても本望と思いやり抜く』 退院後初会見」
パフォーマンスにかけては吉村イソジン小僧などは足元にも及ばないほどの小池百合子なので、昨日の会見内容も、かなり「芝居がかっていた」ような印象を与えてくれた。
それでも、「病人」に対する日本人らしい気遣いを見せる声もあった。
「バタッと倒れても、それも本望」――。などと扇動的な発言も出ましたが、知事がと突然倒れては、誰よりも都民が困ります。
— 岡田 悟 (@occupy012123) July 2, 2021
コロナ感染者数が増加する中で五輪開催となれば、知事の業務はむしろこれから多忙を極めます。
完全休養するか、都知事を辞任してはいかがでしょうか。
「無観客」を自分からブチ上げて、政府とIOCを向こうに回す政治力は、もはや小池知事にはありません。
— 岡田 悟 (@occupy012123) July 2, 2021
会見の途中で10秒程度、目をきょろきょろ動かしながら沈黙する瞬間がありました。単純に、体調が不安です。都議選や世論に色気を見せず、静養、治療に専念すべきでしょう。
トップが倒れたら都民の不安の行きどころはどうなるのでしょうか。どうか万全に回復して健康で職務に当たられてください。。→小池知事が急きょ会見開催「バタッと倒れても本望」|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト https://t.co/PQDob3aibp
— 長野智子 (@nagano_t) July 2, 2021
「東京五輪」開催にはまったく関心がないであろう大阪府知事と開催都市の責任者とでは比較にならないほどの重圧があるのだろうが、数か月前には、「小池百合子都知事は、五輪中止を宣言し、都知事をやめて国政にでるのでは」というまことしやかな噂があったが、入院する前までは「五輪の開催可否」については際立った発言はなかった。
そして最近では政府主導で、観客数の上限や競技場内でのアルコールの販売云々がスポンサーメディアが積極的に取り上げて話題となり、本筋の「中止か、延期か、開催か」という議論がかすんでしまった。
ところで、すでに5月5日からオンライン署名サイト「Change.org」で宇都宮健児弁護士が五輪中止を求める署名を始め、35万筆を超える署名が集まった段階で、東京都知事に5月14日要望書を提出していた。
要望書は、小池百合子東京都知事宛として、オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部長・田中彰氏に手渡している。
その後も同署名の賛同者は7月1日現在、43万5千を超えているが、その後、署名がどのように反映されたのかが不明であった。
そんな矢先、“開示請求の鬼"こと「開示クラスタ」のWADA氏が、「開示クラスタの30代男性が小池百合子・東京都知事に対して5月24日に、以下の件名で開示請求を行った」とい情報を、フリーランスのライター田幸和歌子が「FRIDAY DIGITAL」に投稿していた。
「開示請求で発覚!35万人『五輪反対署名』を東京都が無視していた」
「宇都宮けんじ氏が5月14日(金)に小池百合子東京都知事宛の『人々の命と暮らしを守るために東京五輪・パラリンピックの開催中止を求める要望書』を提出したことについて、1、この要望書を提出を受けて開催中止についての検討プロセスや意思決定のプロセスや意思決定のプロセスなど(都知事への報告などやりとりを含む)一切の文書が図面や電磁記録」(原文ママ)に対して6月4日に「非開示決定通知書」が届く。そこで開示しない理由として書かれていたのが、以下の文言である。 「宇都宮けんじ氏からの要望書を受けて開催中止についての検討プロセスや意思決定のプロセスなどについては、実施機関では当該文書を作成および取得しておらず、存在しない」(原文ママ)
この文言について、WADA氏はこんな解説をしてくれた。
「"実施機関"とは、この署名を受け取ったオリンピック・パラリンピック準備局だけでなく、『東京都』のことなんですね。都では、検討プロセスや意思決定のプロセスなどの文書を一切作成及び取得していない。つまり、要望書を受け取ったにもかかわらず、都では要望書について何の検討もしていない、完全に放置していたということです」
発起人・宇都宮けんじ氏、憤りをあらわに
提出当時で35万人超の声を、受け取っただけで何の検討もせず放置していたのなら、あまりにひどい対応ではないだろうか。
この要望書について、 「東京都オリンピック・パラリンピック準備局広報担当」に質問書を送付したところ、
「当局ホームページで公表されていない公文書の開示については、個人情報保護の観点から回答は控えさせていただきます」
「都としては、現下のコロナ対策に全力を尽くすとともに、引き続き、安全・安心な大会の開催に向けて、国・組織委員会等、関係者と連携・協力し、着実に準備を進めていきます」
「(「署名」をもとにした要望書が提出された場合、一般的にはどのようなプロセスでその中身や要望の受諾・拒否等について検討がなされるのかについては)署名をもとにした要望書をはじめ、都にお寄せいただいた提言・要望等は関係各局等へ伝達されます。各局においては、関係部署に共有され、施策実施に向けた参考や検討など、都政運営に活用させていただいております」
という回答があったのみ。
国会でも会見でも具体的な回答は示されず、ひたすら 繰り返される「安全安心」のフレーズ。むしろ2021年7月現在では、最も胡散臭いフレーズと感じる人も多そうだが……。
こで、宇都宮健児氏にこの「結果」をお伝えしたところ、憤りをあらわにした。
「非常にけしからんことですよね。要望書の提出は代表して僕が行いましたが、背後にはあの当時で35万人の声があるわけですから。これは明らかに都民、国民の民意を軽視しているということだと思います。
アメリカでは、政府宛ての要望書が一定数超えたら必ず回答しなければいけないとか、要望の多い順に政府の広報やHPに掲載しなければいけないことになっています。同じことはソウル市でもやっています」
日本では、署名に対する法律や条例などないのだろうかと尋ねると、宇都宮氏は言う。
「請願署名や陳情であれば、議会に提出され、採択するかどうか諮られますが、これはオンライン署名で請願というかたちではありません。
しかし、何故オンライン署名にしたかというと、請願は一定の形式を踏まえる必要があり、今それをするには、街頭に出て接触を増やし、むしろ感染を拡大させるリスクがあるという矛盾した行為になるからです。
ただ、陳情とか請願という形式ではなくとも、数十万の人の声を代表しているのですから、きちんと検討するべきですよね。
今回、このように完全に署名を踏まえての要望書を無視した理由の一つは、おそらくきちんと検討を行ったら、専門家の意見を踏まえる必要が出てきて、世論も多くが反対している状態で、中止せざるを得なくなるからでしょう。
それに、法律的には『国民主権』で、官僚や政治家は本来、国民に対する奉仕者なんです。にもかかわらず、日本にはなぜか官尊民卑的な考えが昔からあって、この署名無視もまた『下々のものが何を言っているんだ?』といった考え方のあらわれではないかと思います」
「Change.org」の発表によると、開始3日目で20.6万筆を超えたこの署名は、史上最速のペースだったという。
「英語とフランス語、ドイツ語でも発信しており、海外のメディアの方が先に報道したり取材したりしてくれたんですよ。
現在までに41社の取材がありましたが、その3分の2が、イギリスやアメリカ、ドイツ、フランス、ノルウェー、スウェーデン、香港、シンガポール、韓国など、海外メディアです。
BBCではトップニュースとして扱われたと聞いています。ところが、日本はいわゆる五大紙(読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、産経新聞)がスポンサーをやっているから、五輪開催反対をなかなか報じない。
IOCバッハ会長やコーツ副会長が上から目線で日本人の国民感情を踏みにじるような発言を連発しても、菅首相は抗議もしない。そうした状況で、IOCって何なのかという感情が今、日本中に広がっていますよね」
「女性はいくらでもウソをつける」という杉田水脈氏のジェンダー差別発言に対する抗議署名が13万筆となった際にも、自民党は受け取りを拒否した一件は、記憶に新しい。
政府も都政も「民意を無視する」という体質が今の日本のスタンダードになってきてしまっているのだろうか。
では、どうしたら今の政府や都政、さらに無視されたまま耐え続ける私たち自身を変えることができるのだろうか。その問いに対し、宇都宮氏は力強く語った。
「一つは選挙です。直近では、都議選が7月4日にありますが、自民公明都民ファーストは、オリンピックについて中止や延期をはっきり公約に掲げていません。
それに対し、オリンピックの中止もしくは延期を掲げる野党が、どれだけ支持を広げられるか。それがこのまま民意を無視し続ける人々への一つのダメージになってきます。
あとは現実に感染爆発が起こり、オリンピック前や最中に緊急事態宣言になった場合はさすがに対応を考えるでしょう。地震や津波など、天災は止められないけど、オリンピックは政治が決断すれば止められる。形としてはIOCが決定権を持っているけど、政府と東京都が無理だと言っているのに、強行できないと思います。
菅首相は、オリンピックでテレビにみんなが釘付けになり、あとはワクチンで支持率が回復し、オリンピック後に解散総選挙を迎えるという“賭け"に出ている気がしますが、そこでは国民の命を守るという意識が完全に欠落しています。
こういう運動や声をあげることは、一つ一つ責任を追及していく過程でもあるんです。7月11日に東京のまん延防止等重点措置が期限を迎えますが、その時点で感染拡大していたら、第二弾を考えていきますよ」
小池百合子都知事宛の要望書が果たして実際に小池百合子の手に渡ったのかは確認できないが、仮に渡ったとしても、小池百合子は「瞬殺」してしまったことは想像に難くはない。
「『民意を無視する』という体質が今の日本のスタンダードになってきてしまっている」のなら、民意をもっとも反映するのは選挙しかなく、5日の都議選に投票できる都民の良識次第では、菅義偉と小池百合子の「賭けと野望」に一石を投ずることができるのでは、とオジサンは思う。