新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

官邸の側近にサジ投げられジリ貧でレームダック化する岸田政権

2022年10月03日 12時06分09秒 | 岸田文雄

ほとんどが「予定調和」でNHKの司会者に中途半端にまとめられるので、本気の「討論」にはならないNHK「日曜討論」には興味がなかった。
 
たまにネット上で、その討論会の出席者の誰かさんの発言が話題になる程度であった。
 
例えば昨日2日のNHK「日曜討論」では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を巡り、宗教法人法に基づく教団への解散命令は困難との見方を示した「コヤツの発言がニュース記事になっていた。
 
旧統一教会への解散命令は困難 自民・萩生田政調会長
 


 
しかし、萩生田光一ではなく、ネット上ではこの女性議員が主人公になっていた。
 
NHK『日曜討論』れいわ・大石氏が自民&維新に『とぼけるな! ウソをつくな!』」 
 
    
NHK「日曜討論」が2日放送され、3日の臨時国会召集を前に各党の政策責任者が安倍晋三元首相の国葬や旧統一教会問題などをテーマに討論した。れいわの大石晃子政審会長(45)が自民党の萩生田光一政調会長(59)や日本維新の会の音喜多駿政調会長(39)に「ウソをついている」とかみついた。
 安倍元首相の国葬を巡って、賛否が分かれた中、大石氏は「萩生田政調会長や公明党の人(高木陽介政調会長)がもっと説明すべきだったとか、有識者入れてやりますからとか、何をとぼけているんですか! 反対が圧倒的になってから、早く説明すべきだったって、えらく高くつくスタディーケースですね。とぼけているのを許したらあかん。維新の方(音喜多氏)が手続き面の問題だというが、ごまかすな」と自民のみならず維新にも怒りの矛先を向けた。
 これに萩生田氏は「とぼけているわけでもなんでもなくて、多くの国民は国葬を望んだ声もあった。私自身、もう少し早い時期に国民を代表する国会の皆さんに説明の機会を持つべきだった」と穏便に返した。
 日本経済の立て直しを巡っても大石氏は「岸田政権は賃上げやっていない、萩生田さんも国内生産回帰と言いながら、やっていない。ウソをついている。ウソといえば維新はインバウンド需要と将来の投資というが『クビにしやすくするで』という雇用の流動化とカジノでしょ。政治でウソをつかないでください」と再び自民のみならず維新もぶった切った。
 音喜多氏は「ウソというが、考え方の相違だと思います。賃上げを目指す時に単に政府がばらまければそうではない。成長産業、イノベーション産業に人を流動化するにはどうすればいいのか。カジノといったが、IRです。インバウンドで極めて重要で、経済効果も高い」と反論した。

大石あきこの発言の一部を紹介しておく。
 
少なくとも自民党の萩生田光一政調会長や日本維新の会の音喜多駿政調会長はまともな反論はでできてはいなかったようである。  
 


 
それもそのはずで、週刊現代記事ではこんな官邸の裏事情が明らかにされていた。
 
岸田総理が『機能停止』…!? 支持率戻らず『腑抜け状態』で側近たちもサジを投げた
 
■もう何も考えられない
鉄板の上でジリジリと音を立てる肉を眺めながら、自民党政調会長の萩生田光一は苛立っていた。9月14日、六本木「ステーキハウス ハマ」。
この夜、萩生田が総理大臣・岸田文雄を呼んだのは、10月3日の臨時国会召集まで3週間を切ったというのに、岸田が何の指示も出さないためだ。
「総理、もう党内の議論の取りまとめに入らないと間に合わなくなります。前年の実績を踏まえて、補正予算は30兆円規模で行かせていただきます」
迫る萩生田に、岸田は視線を泳がせながら、力無く答えるだけだった。
「うん。うん。任せる」
当日の岸田の様子は、党内でも噂になった。
「この手詰まりの状況で、できることといえば財政出動くらいしかない。それなのに、総理は支持率暴落がよほどこたえたのか、何も考えられない腑抜けの状態だ」(自民党閣僚経験者)
■岸田派研修会での「異変」
派閥の会合でも、岸田の異変に所属議員たちがざわついた。9月6日、東京プリンスホテルで開いた岸田派の研修会。ゲストの政治ジャーナリスト・後藤謙次氏が講演でこう語った。
「参院選で勝利し、岸田さんは『黄金の3年間』を手にしたと言われているが、自民党の歴史を見ると、選挙がしばらくないと安心していた政権はみな短命で終わっている。岸田政権もそうならないように願っています」
それまで頷きつつ聞いていた岸田だが、瞬間、鬼のような形相に変わった。研修に参加した岸田派の議員が言う。
「以前なら笑って受け流していたでしょうが、最近の岸田さんは余裕を失っていて、ちょっとしたことでキレてしまう。まあ、その気持ちも分からんではない。安倍さんの国葬さえやれば支持率は上がると思っていたのに、逆に2割も下がったばかりか、安倍さんの支持層は『なんで台湾の総統を呼べないんだ』とか『ダライ・ラマが来ないのは岸田が媚中派だからだ』などと逆に文句を言い出したんですから」
安倍を悼む気持ちなど、もはや吹き飛んでいた。国葬は「弔問外交」の場と開き直り、海外からの参列者と前日から会いまくる日程を組んだ。
「ヤケクソになった岸田さんは『何をやっても叩かれるんだから、得意の外交一本に絞る』と言い出した。数撃ちゃ当たる戦法で、とにかくたくさんの要人に会って手数を増やせば、批判を打ち消せると踏んだのです」(前出・岸田派所属議員)
■もはや「政権末期」の様相
しかし、その目論見も当てが外れた。国葬の直前、起死回生の場にすべく勇んで出かけたニューヨーク・国連総会。
アメリカ大統領のバイデンは「キシダ、フー?」とばかりに岸田の前を通り過ぎていった。岸田はツイッターで、わずか数分の立ち話を「懇談」と言い張るしかなかった。
意気消沈して帰国した岸田を待っていたのは、またも悪い報せだった。国葬まであと3日となった9月24日のことだ。
「外務省から官邸へ『カナダのトルドー首相が国葬を欠席すると伝えてきた』と連絡が入った。それを聞かされた岸田総理は、ヘナヘナと椅子にへたり込んだといいます。結局、安倍さんの国葬にはG7首脳が一人も来ず、弔問外交は空振りに終わった。一番の大物がインドのモディ首相では、さすがに無理がある」(前出・自民党閣僚経験者)
やることなすこと、すべてが裏目に出る。岸田のメンタルは、もはやボロボロだ。
まさに安倍が世を去るまでは「何もしないから、誰からも批判されない」という無気力戦法で、支持率は高止まりしていた。
だがあの日以来、歯車は逆回転を始め、しかもその速度はどんどん上がっている。瞬く間に、政権は「末期」の様相を呈するようになった。
■努力してこなかった人
党三役も経験したある自民党重鎮は「岸田さんの空虚さが、国民にも露呈した」と手厳しい。
「ヒラ議員時代から、岸田さんが党の部会で発言しているのを見たことがなかった。部会ではバカなことは言えないからそれなりに準備するものだが、岸田さんは何の努力もしてこなかったんだ。もっとも、そういう軽い人だからこそ、このタイミングで総理になれた面もあるんだがね」
10月4日で、岸田が総理総裁となって丸1年が経つ。そもそも岸田が政権を獲ったのは、前任の菅義偉がほぼ1年で政権を投げ出したことによる「棚ぼた」のおかげだった。
どだい、難局に対応できる総理ではなかったのである。前出と別の岸田派所属議員が言う。
「岸田さんは菅さんより線が細いボンボンだから、このままでは心がポキッと折れてしまう。ある日いきなり辞めるのではないか、と側近たちもハラハラしています。情緒不安定なのは、8月にかかったコロナの後遺症もあるのかもしれない。『あなたとは違うんです』と国民に逆ギレして辞めた、福田康夫元総理に雰囲気が似てきた」
■官房副長官もキレっぱなし
八方塞がりでパニックに陥っているのは、当の岸田だけではない。岸田を支えるはずの官邸幹部の面々もまた、ある者は苛立って当たり散らし、ある者はやる気を失い、ある者はこっそりと逃げる算段をつけている。
「ダメだダメだ!」
官邸の一室で、集まった官僚たちを怒鳴りつける声が響く。官房副長官の木原誠二もこのところ、岸田に負けず劣らずの「湯沸かし器」と化しているのだ。官邸に出入りする某省庁幹部が言う。
「みんな幻滅していますよ。せっかく僕らが集まって何日も議論したものを、木原さんは決まって後から『ダメ』と言い出し、根拠のよくわからない感情論でひっくり返してしまうんだから。
国家安全保障局長の秋葉(剛男)さんも、安倍政権では外務審議官として汚れ役も引き受けていたのに、岸田政権では何もしないで黙っていて、最近は天下りのことばかり考えているみたいです。見限ったんでしょう。岸田政権は、僕ら役人から見ても末期ですよ」
政権にとっても一世一代の大舞台だった安倍晋三元総理の国葬でも、岸田官邸の混乱ぶりを示す事件が発生した。
■官邸官僚は機能停止
岸田官邸のガタガタぶりが露呈する事件が、立て続けに起きた。ひとつは、他ならぬ安倍の国葬の準備である。当初、元警察庁長官の官房副長官・栗生俊一が国葬儀事務局を仕切る予定だったが、栗生は逃げ回った。
「栗生さんは『安倍さんが亡くなったのは警察の失態なのに、(警察出身の)自分が前に出るわけにはいかない』と、森(昌文)総理補佐官に丸投げしていなくなってしまったんです。
結局、森さんが仕切ることになったわけですが、彼は事務が苦手で、案の定失敗だらけ。参列者の集合時間を朝の9時にしようとして『開始は14時だぞ、何時間待たせる気だ!』と総理を激怒させたり、安倍さんの遺族や事務所の意向を聞いたにもかかわらず、安倍さんと親しかった人には招待状を出さず、逆に安倍ぎらいの人に出したり」(官邸スタッフ)
そしてもうひとつが、岸田が前述の国連総会の演説で目玉にしようと考えていた、税制改正の仕込みが失敗したことだ。自民党税調にかかわる幹部議員が明かす。
■開成の仲間」も役に立たず
岸田総理が打ち出したNISA(少額投資非課税制度)の恒久化について、8月末に総理、鈴木俊一財務大臣と木原副長官、金融庁の中島淳一長官らがオンライン会議したのですが、そこで金融庁から『システムの構築が間に合わない』と報告があった。
それを聞いた総理が『ええっ!』と言って絶句し、『来月には国連総会で発表するんだ。何がなんでも間に合わせてもらわないと困る。しっかり……準備してもらいたい!』と一同を叱咤する場面がありました。
NISAの恒久化は、'24年1月から実施するスケジュールで、総理がずっと前から木原さんに指示していた。それなのに金融庁が各金融機関へのヒアリングを進めていなかったというのですから、これは木原さんの大失態です」
官邸の要・筆頭首相秘書官として収拾に動かねばならないはずの、岸田と同じ開成高校OB・嶋田隆も、完全に機能停止状態だという。前出と別の官邸スタッフが言う。
「人脈も見識も乏しい岸田さんを本来は嶋田さんがカバーしなければならないのに、嶋田さんは『ザ・官僚』の超縦割り主義者で、自分の責任の範囲内でしか動かない。
筆頭秘書官というのは、永田町からも霞が関からも恨まれながら、飴と鞭を使い分けて調整するのが役目です。小泉純一郎政権では飯島勲さんが、安倍政権では今井尚哉さんがそれをやったからこそ、長期政権が実現した。でも嶋田さんにはとうてい務まりません」
■解散総選挙も難しい
この臨時国会では、自民党と統一教会のかかわりについて、野党からの追及が連日続くに違いない。支持率がもう少し持ち堪えていたなら「よろしい、ならば解散だ」と総選挙に踏み切り、ご破算にする選択肢もあったかもしれない。
しかし、いまの岸田は支持率低迷にあえぐだけでなく、選挙を戦うなら避けては通れない、統一教会対策でも身動きがとれない状態だ。前出と別の閣僚経験者が語る。
「当初、岸田さんは統一教会との『完全決別』を打ち出そうとした。しかし麻生(太郎)副総裁に『それをやれば、政権も無傷では済みませんよ』と言われて思いとどまったのです。
つまり、統一教会と自民党の関係を洗うことは、岸と安倍の血脈を徹底的に調査することにつながる。そして、少なくとも萩生田、山際(大志郎・経済再生担当大臣)、場合によっては岸田さんの最側近である木原(誠二・官房副長官)の首も切らなければならない。そうなれば、この国会で総退陣ですよ
さらに来年4月に行われる統一地方選も、障害として立ちはだかる。
「自民党本部で地方選に向けた統一教会対応ガイドラインを作り始めたところですが、教会との関係は、50票や100票がものを言う地方議員のほうが国会議員よりもさらに深い。地方選直前でまたマスコミに大々的に騒がれれば、政権どころか自民党が終わりかねない。統一教会を切るなら創価学会も切れという話にもなり、収拾がつかなくなる」(同・閣僚経験者)
■麻生がハシゴを外しそう
まるで底なし沼に落ちたかのように、身動きをすればするほど深みにはまってゆく―万策尽きた岸田政権を、大物たちも見限りつつあるようだ。岸田の後ろ盾となってきた副総裁の麻生も、その例外ではない。
「麻生さんが『万が一』を考え始めている、との話が出回っています。
その場合の次の総理は茂木(敏充幹事長)さんか河野(太郎デジタル相)さんと言われますが、人望のない二人は今や、自民党でも霞が関でも総スカン。特に統一教会に関する党内調査を仕切った茂木さんは、名前を公開された議員の強烈な恨みを買っていて、菅さんも『茂木は対応を間違えたな』と言っていた。
平成研(=茂木派)有力OBの青木幹雄さんは、これを機に派閥の会長を小渕優子(元経産相)にすげ替えようと画策していますから、茂木総理の目は当面なくなったと言っていい」(自民党麻生派所属議員)
そこで麻生は、こんな「窮余の一策」を練っているというが……。
「義弟の鈴木財務大臣をリリーフとして登板させる、というのです。しかし、人畜無害だけが売りで知名度もない鈴木さんを仮に総理にしたところで、このジリ貧の状況を打開できるはずもない。
しかもこの構図は42年前、宏池会会長の大平正芳総理が急死し、緊急避難で田中角栄さんが、鈴木財務相のお父さんの鈴木善幸さんを総理に指名した時とそっくり。善幸さんも『暗愚の宰相』などと言われて長続きしなかったんだから、縁起でもない話ですよ」(前出・岸田派所属議員)
打つべき手も人材も枯れ果てた岸田政権と自民党。このまま漂流を続ければ、日本はますます貧しく不幸になってしまう。

 
岸田文雄がこんな体たらくになっているので、「来年5月『広島サミット直後の衆院解散』に向けて支持率を回復できるか(安倍政権型)、ジリ貧でレームダック化するか(菅政権型)〜岸田首相、岐路の臨時国会」ということになりそうである。
 
岸田文雄政権が発足して10月4日で1年。岸田首相は内閣支持率が続落する逆風下で3日召集の臨時国会に突入する。
昨秋の衆院選に続いて今夏の参院選に圧勝して3ヶ月も経っていないのに、旧統一教会問題や安倍国葬、物価高が政権を直撃し、国民からすっかり見放された感がある。
政治家は権力の座につくと長期政権を目指すもの。岸田首相も例外ではない。野党が低迷するなかで次の衆参選挙以上に関門となるのは2024年秋の自民党総裁選だ。そこで再選を果たせば、歴代最長の安倍政権に近づく長期政権が見えてくる。
しかし24年夏の時点で内閣支持率が低迷していたら、25年夏の参院選、25年秋に任期満了を迎える衆院選に向けて「岸田首相では勝てない」という危機感が自民党内に広がり、「岸田おろし」が吹き荒れ、菅義偉前首相と同じように総裁選不出馬に追い込まれてしまう。
それを回避するには、24年夏の時点で内閣支持率を回復させるか、さもなくばその前に衆院解散を断行して衆院選で勝利するしかない。
岸田首相が衆院解散のタイミングとして念頭に置くのは、来年5月に地元・広島で開催するG7サミット直後だ。安倍政権で5年近く外相を務めた岸田首相には外交への思い入れが強い。広島サミットで支持率を引き上げてそのまま衆院解散になだれ込むというシナリオである。
支持率を回復させて「安倍政権」と同じ道を進むのか、支持率が続落して「菅政権」と同じ運命をたどるのか。この秋の臨時国会は岸田政権にとって大きな岐路となる。
臨時国会で岸田首相が直面する主なテーマは以下の2つだ。
①統一教会・安倍国葬
安倍元首相が残したふたつのテーマは、引き続き岸田首相を苦しめそうだ。
自民党内に広がる「統一教会汚染」はとどまるところを知らず、世論の反発は収まりそうにない。自民党は統一教会との関係を徹底調査して膿を出し切る気がさらさらなく、岸田政権は防戦一方になりそうだ。
まずは統一教会との濃密な関係が指摘されながらも記者会見に応じず、紙切れ一枚の説明で逃れようとしている細田博之衆院議長の責任追及が大きなテーマとなる。
細田議長が居座る限り、この臨時国会は常に大きな爆弾を抱えているといえる。与野党が対決モードになるたびに細田議長問題を蒸し返される展開になれば、与党は国会の主導権をつかむことができない。
細田議長は最大派閥・清和会(安倍派)の前会長であり、強引に退任を迫ると、清和会との関係がさらにギクシャクするだろう。清和会でポスト安倍を目指す萩生田光一政調会長は安倍国葬について「各党にどこかの時点で丁寧に説明することも必要だったのではないか。結果として、国民に国葬に取り組む政府の思いが上手に伝わらなかった。そんな反省がある」と公然と批判しており、岸田首相と距離を起きつつある。
岸田首相の最大のライバルである菅義偉前首相は安倍国葬の追悼の辞で脚光を集め、安倍支持層や清和会との距離を近づけている。「清和会+菅前首相」の非主流派同盟が結成されれば、岸田政権の基盤は大きく揺らぎ、24年総裁選再選へ黄信号がともる。
岸田首相は安倍国葬について「国民からさまざまな意見や批判をいただいたことは真摯に受け止め、今後にいかしていきたい。今後の議論に資するためにも記録を残していくことは重要だ」として、幅広い有識者から意見を聴取して政府の対応を検証する考えを表明した。
これは前向きな姿勢にみえるのだが、永田町で国会対策を長年ウオッチしてきた私からすると、岸田首相が臨時国会で国葬について追及された際に「現在、有識者の方々から幅広く意見を聞いて検証作業を行っており、その結果を踏まえて今後の国葬のあり方にいかしていきたい」と言い逃れするための布石としか見えない。臨時国会が終わる段階で検証結果を公表し、あとは自然収束を待つという毎度のパターンである。
しかし、このような状況対応型の政権運営を続けていたら、岸田政権はジリ貧が続くだろう。「丁寧な説明」という言葉もすでに使い古された。国民の信頼を取り戻す大仕掛けがない限り、反転攻勢は難しい。
②物価高
岸田首相が物価高対策として打ち上げた「住民税非課税世帯への5万円給付」は不評だった。安倍政権時代の10万円給付が「全員」を対象にしたのに対し、住民税の負担を免れている一部の人々を対象にした支援策は多数派の中間層の反発を招くのは当然である。それを「物価高対策」の目玉として打ち上げるあたり、岸田政権が国民世論とのコミュニケーション力に欠けることを象徴しているといえるだろう。
岸田首相は9月30日、物価高対策の仕切り直しとして、総合経済対策の策定を関係閣僚に指示し、10月中にとりまとめて第2次補正予算に盛り込む考えを表明した。この内容は臨時国会の大きな争点となろう。
しかし、現時点で報道されたところによると、総合経済対策の目玉は「全国旅行割」と「電気代高騰の激変緩和措置」くらいのようである。
全国旅行割は「GO TO トラベル」のリニューアル版だ。利用者よりも大手旅行会社など観光業界を潤わす側面が強く、巨額の税金の使い方として再び論議を呼びそうだ。新型コロナワクチンの感染予防効果への疑問や健康被害・副作用への懸念が強まるなかで「3回接種済」の人などに利用を限ることも「非科学的」「不公平」との反発を招きそうだ。
電気代の激変緩和措置はさらに歪んだ政策である。経産省内で検討されているのは「電力会社への補助金」である。これは原油高対策としてガソリン税廃止など一般国民を直接支援するのではなく、石油元売り会社へ巨額の補助金を投入したのと同様、一般国民よりも業界対策を優先する「自民党型の利権政治」そのものだ。
この補助金の結果、石油元売り会社は相次いで過去最高益をあげた。今回、電力会社が電気代高騰のなかで利益を大幅に伸ばすと、国民の反発は高まるだろう。岸田政権は原発の新増設も推し進める構えで、「電力会社びいき」がいっそうくっきりしてきた。
岸田政権の物価高対策はどこまでも庶民ではなく財界を守る内容といっていい。
岸田政権の臨時国会に向けた対応をみていると、支持率が回復軌道に乗るとはとても思えない。現時点ではジリ貧で総裁選不出馬に追い込まれた「菅政権型」をたどる可能性が高いだろう
 
 
いみじくも、政治ジャーナリスト・後藤謙次が「自民党の歴史を見ると、選挙がしばらくないと安心していた政権はみな短命で終わっている」と指摘していたが、岸田文雄にとっては今日から12月までの臨時国会で国民が安心するような大胆な政策を打ち出せなければ、「ジリ貧で総裁選不出馬に追い込まれた『菅政権型』をたどる可能性が高いだろう」という予測が現実的になるのではないだろうか、とオジサンは思う。  
 

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