DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

カテラルがテーラーに雪辱(スーパーライト級)

2024年05月31日 05時41分02秒 | 世界ボクシング

先週末25日、英国で行われた試合結果です。
スーパーライト級戦(12回戦):
ジャック カテラル(英)判定3対0(117-111x2、116-113)ジョシュ テーラー(英)

*2022年2月に対戦している両雄。その時は、4つの世界ベルトを保持していたテーラーが僅差の判定勝利を収めタイトルの防衛に成功しています。当時世界的には無名に近かったカテラルは、敗れたにも関わらず評価を大いに上げています。

その後、戦わずして次々にベルトを失っていたテーラー。昨年6月にニューヨークのリングでテオフィモ ロペス(米)に判定負けを喫し、最後のベルトとなったWBOタイトルも失っています。対するカテラルはその間、ホルヘ リナレス(ベネズエラ/帝拳=引退)に勝利を収めるなど2連勝(ゼロKO勝利)を収めるなど、着実に評価を上げていました。

サウスポー(左構え)同士の再戦は、雪辱に燃えるカテラルがペースを握り続ける事になりました。特にスピードがあるわけではありませんが、右ジャブをポンポンとテンポよく放ちながら試合をコントロールしていきます。そして右に続くオーバーハンドの左でライバルを幾度となく足元をぐらつかせるなど、ピンチに陥れます。

テーラーも決して悪くはないのですが、両者の相性とでもいうのでしょうか、元世界王者はどうしても空回り状態に陥る場面がいくつもありました。対するカテラルは要所要所でポイントを確実に奪取し無難な判定勝利を収める事になりました。

2年前の雪辱を果たすとともに、2度目の世界挑戦に大きく前進したカテラル。世界戦実現は元より、テーラーとの第3戦も実現させてほしいものです。

昨年のロペス戦に続いて黒星を喫してしまったテーラーですが、実力、知名度的にもまだまだ巻き返しが期待できる選手でしょう。

テーラーを破りWBO王座を獲得したロペスにターゲットを絞っているカテラル。下記はカテラルとテーラーが主戦場としている、スーパーライト級の2024年5月31日時点でのタイトル保持者たちとなります。

WBA:アイザック クルス(メキシコ/防衛回数0)
WBA(暫定):イスマイル バロス(ベネズエラ/0)
WBC:デビン ヘイニー(米/0)
IBF:スブリエル マティアス(プエルトリコ/1)
WBO:テオフィモ ロペス(米/1)
OPBF(東洋太平洋):永田 大士(三迫/1)
WBOアジア太平洋:永田 大士(三迫/0)
日本:李 健太(帝拳/0)

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3つの王座が空位に、などなど(色々:05‐30‐24)

2024年05月30日 05時28分27秒 | 世界ボクシング

最近(2024年5月30日ごろ)のニュースです。

1)フリオ セサール マルティネス(メキシコ)が、これまで6度防衛してきたWBCフライ級王座を返上。今後は一階級上のスーパーフライ級を主戦場にしていくこととなりました。来月末にWBCスーパーフライ級王座への挑戦が決まっているジェシー ロドリゲス(米)は、既にこれまで保持していたWBOとIBF王座を返上しています。これでフライ級の主要4団体のうち、ユーリ 阿久井 誠悟(倉敷守安)が君臨しているWBA以外の3つの王座が空位となった事になりました。

2)IBFはスーパーミドル級王者サウル アルバレス(メキシコ)に対し、指名挑戦者ウィリアム スカル(キューバ)との防衛戦を行うよう指示を出しました。この試合が実現する可能性は限りなく低いため、アルバレスが戦わずして1つのベルトを失う事になるでしょう。

3)先週末25日、近い将来にカネロ(アルバレスのニックネーム。スペイン語で、彼の赤茶の髪の毛の色を表すシナモンという意味)の脅威になる可能性があるクリスチャン ムビリ(仏)が本拠地としているカナダのリングに登場。英国人マーク ヘフロンを僅か40秒で仕留め、保持するWBC米大陸、WBAインターナショナル王座の防衛に成功しています。

4)3月末にティム チュー(豪)を破り、チューが保持していたWBO王座に加え、当時空位だったWBC王座を獲得したセバスチャン フンドラ(米)。10月に、元3団体統一ウェルター級王者エロール スペンス(米)を迎え、保持するスーパーウェルター級王座の防衛戦に臨むようです。

これに対しWBOはフンドラに対し、同団体がスーパーウェルター級の指名挑戦者として認定するテレンス クロフォード(米)と対戦するよう指示を出しています。もしフンドラが計画通りにスペンスと対戦する場合、WBO王座は剥奪すると警告を出しています。

クロフォードは8月に、WBAスーパーウェルター級王者イスラエル マドリモフ(ウズベキスタン)に挑戦する事が決まっています。その試合で空位になる可能性があるWBO王座も争われる可能性があるようです。WBOの強烈なバックアップを受けるクロフォードですが、マドリモフに勝利するという確約などどこにもないのですがね...。

5)長らく指名挑戦者との防衛戦が行われていないヘビー級。その指名挑戦者にはフィリップ フルゴビッチ(クロアチア)が君臨しています。2週間前に見事なボクシングで4つの王座の統一に成功したオレクサンデル ウシク(ウクライナ)が、指名挑戦者との防衛戦の延長を申請したとか。ウシクが次の試合でフルコビッチと戦うのであれば別ですが、タイソン フューリー(英)との再戦を優先したいがための延長というと、かなり身勝手な願いと言っていいでしょう。ウシクの希望は叶わないとみますが、果たして!?

6)デリク チソラとジョー ジョイスによる英国ヘビー級の新旧対決が7月27日に行われます。

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2人の新王者が誕生(WBOx2)

2024年05月29日 05時23分48秒 | 世界ボクシング

今月18日、米国カリフォルニア州で行われた試合結果です。
WBOライト級戦(王座決定戦):
デニス ベリンチュク(ウクライナ)判定2対1(116-112、115-113、112-116)エマヌエル ナバレッテ(メキシコ)

*手数で勝負する選手同士による王座決定戦。36歳にして、初の世界タイトル出場となった元五輪銀メダリストが僅差の判定で勝利。同胞のワシル ロマチェンコ、オレクサンデル ウシクに続いて、戦火のウクライナに嬉しいニュースを届ける事になりました。

スーパーバンタム、フェザー、スーパーフェザー級に続いての4階級制覇達成に失敗したナバレッテ。現在もスーパーフェザー級の王座は保持しています。今後、どちらの階級で活動を続けていくのでしょうか?

超絶王者ワシル ロマチェンコに続き、現役2人目のウクライナ出身の世界王者が誕生したライト級。下記は2024年5月29日現在の、同級の王者たちとなります。

WBA:ジャルボンテ デービス(米/防衛回数4)
WBC:シャクール スティーブンソン(米/0)
IBF:ワシル ロマチェンコ(ウクライナ/0)
WBO:デニス ベリンチュク(ウクライナ/0)
OPBF(東洋太平洋):鈴木 雅弘(角海老宝石/0)
WBOアジア太平洋:保田 克也(大橋/2)
日本:三代 大訓(ワタナベ/0)

 

WBOウェルター級戦(暫定王座決定戦):
ブライアン ノーマン(米)TKO10回1分33秒 ジョバンニ サンティリャン(米)

*試合直前に暫定王座決定戦に昇格した一戦。戦前の予想では、以前より将来性を謡われていたサンティリャンがリードしていました。実際の試合でも、常に仕掛けるのは地元のサンティリャン。しかしノーマンは、鋭いカウンターで決してペースを渡すことはありませんでした。

打ち疲れ、そしてパンチの被弾により徐々に体力を失っていったサンティリャン。最後はライバルのアッパー攻撃の前に力尽き果ててしまいました。

ランキングは下位ながらも、その強打で世界初挑戦でベルト獲得に成功したノーマン。正規王者テレンス クロフォード(米)がスーパーウェルター級へ本格的に転向していくため、このまま「暫定」の2字を返上する事になるでしょう。

主要4団体の内、3つの団体で2人の世界王者が並立する事となった現在のウェルター級。下記が2024年5月29日現在の、同級のタイトル保持者たちとなります。

WBA(スーパー):テレンス クロフォード(米/防衛回数0)
WBA(レギュラー):エイマンタス スタニオニス(リトアニア/1)
WBC:テレンス クロフォード(米/0)
WBC(暫定):マリオ バリオス(米/1)
IBF:ジャロン エニス(米/1)
WBO:テレンス クロフォード(米/7)
WBO(暫定):ブライアン ノーマン(米/0)
OPBF(東洋太平洋):佐々木 尽(八王子中屋/0)
WBOアジア太平洋:佐々木 尽(八王子中屋/3)
日本:豊嶋 亮太(帝拳/0)

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あの試合から30年(WBOジュニアライト級:1994年5月27日・その2)

2024年05月28日 05時48分45秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の昨日となる1994年5月27日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
WBOジュニアライト級戦(現スーパーフェザー級):
王者オスカー デラホーヤ(米)TKO3回38秒 挑戦者ジョルジオ カンパネラ(伊)

*この試合が行われる約3ヶ月前となる3月5日に、マイナー団体とはいえプロでの初の世界王座を獲得したデラホーヤ。初防衛戦の相手に、20戦全勝のイタリア人カンパネラを選びました。戦績だけを見ると、いかにも強豪に映るイタリア人ですが、その実力はせいぜい地域王座やインター王座の一歩手前程度のもの。デラホーヤの育ての親であるトップランク社の見事なマッチメーク力が光ります。

(デラホーヤの初防衛戦の相手を務めたカンパネラ)/ Photo: BoxRec

デラホーヤの圧勝が予想されていた試合ですが、試合開始早々、左フックの打ち合いで負けたデラホーヤがまさかのダウン。大波乱含みのスタートとなりました。しかもデラホーヤは、そのダウンからそれなりのダメージも被ってしまいました。

初回中盤になると、ようやく落ち着きを取り戻したデラホーヤ。その後は長く、早く、そして鋭い左ジャブを起点としたコンビネーションで試合をコントロールしていきます。2回終盤、コンビネーションでダウンを奪い返したデラホーヤ。しかしここでダウン後のライバルに2発(3発かな?)ものパンチを見舞うという反則行為を行ってしまいます。しかもあろうことにレフィリーはデラホーヤに注意を与えません。普通なら減点を科されてもおかしくない行為で、厳しいレフィリーなら失格負けを言い渡した事でしょう。

デラホーヤの悪行はこれで終わらず、同回終了後ゴング後に連打でダウンを追加。もちろんこの行為も反則です。自陣営に抱えられるようにしてコーナーに戻ったカンパネラ。しかし案の定、1分のインターバルで回復は出来ず。3回に2度のダウンを追加され万事休す。「臭い物に蓋をせよ」でしょうか、デラホーヤの行為はまったく咎められることなく試合は終わってしまいました。いくらスーパースターの卵とは言え、いただけませんな。

 

この試合は、昨日お届けした「ジョーンズ対テート」戦を含めた3大世界戦の一つとして行われています。もう一つの世界戦は、IBFライト級王者ラファエル ルエラス(米)の初防衛戦(ルエラスの3回TKO勝利)となります。

(将来性のある選手たちが揃い踏みした華やかな興行が実現!)/ Photo: Eye on the Ring

世界戦以外にも、後のIBFフライ級、スーパーフライ級王者ダニー ロメロ(米)や、WBAフェザー級王座を獲得するデリク ゲイナー(米)も出場するなど、後のスター選手たちが勢ぞろいと中々華やかな興行になりました。

驚くことに、ロメロは何とこの月の5日(日本で言う「子供の日」)にWBCの北米地域タイトルであるNABFフライ級王座を獲得したばかり!この日に初防衛戦を行っています。

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あの試合から30年(IBFミドル級:1994年5月27日・その1)

2024年05月27日 05時30分13秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の今日にあたる1994年5月27日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
IBFミドル級戦:
王者ロイ ジョーンズ(米)TKO2回30秒 挑戦者トーマス テート(米)

*この試合が行われたちょうど1年前、あのバーナード ホプキンス(米)と当時空位だったIBFミドル級王座を賭け対戦したジョーンズ。僅差の判定勝利を収め、自身初の世界王座を獲得しています。

その後1年の間に、3度の試合を行ったジョーンズ。しかし減量苦が囁かれていたジョーンズは、それらのすべての試合を一階級上のスーパーミドル級の無冠戦として行い、順調に白星(2KO)をその戦績に加えていました。

ロイのミドル級卒業試合の相手を務めた指名挑戦者でもあるテートは、29勝2敗の好戦績を持った実力者。1992年8月に当時のWBC王者だったジュリアン ジャクソン(バージン諸島)に挑戦し、フルラウンド戦い抜いたタフガイです。そんなテートを相手に、スーパーマン(ロイのこと)は圧倒的なパフォーマンスを披露する事になりました。

(タフガイとして知られていたテートでしたが...。)/ Photo: BoxRec

持ち前の体力を活かし、先手を取ろうとするテートは、試合開始のゴングと同時に攻勢を仕掛けます。しかしスピードと運動神経で圧倒的に上回るジョーンズは、まったくお構いなしに左右の多彩なパンチを当てまくっていきます。

2回、テートが前進を緩めたその瞬間、ロイの左フックが見事にヒットしテートがダウン。カウント内に立ち上がった挑戦者でしたが、テート陣営が降参を申し入れ試合終了。ジョーンズが会心のパフォーマンスを見せ、王座の防衛に成功。そしてターゲットを、一階級上のIBF王者ジェームス トニー(米)に絞る事になりました。

(ロイの左フックが見事に直撃)/ Photo: YouTube

30年以上に渡り、70戦以上のキャリアを築いたジョーンズ。数々の見事なKOシーンを演出しましたが、このテート戦での左フックはトップ5(トップ3かも)に間違いなく入るものと言っていいでしょう。

(試合後、雄たけびを上げるジョーンズ)/ Photo: Facebook

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オコリー、楽勝で2階級制覇達成(WBC18番目の階級)

2024年05月26日 05時31分24秒 | 世界ボクシング

現地時間の一昨夜(24日・金曜日)、ポーランドで行われた試合結果です。
WBCブリッジャー級戦:
挑戦者ローレンス オコリー(英)TKO初回175秒 王者ルカシュ ロザンスキー(ポ-ランド)

*1年前にWBOクルーザー級から陥落したオコリー。再起戦でWBCが認定する「18番目の階級」の世界王座に挑戦。見事な右で、先手のダウンを奪ったオコリーは続けざまに2つのダウンを追加。敵地のど真ん中で全くの楽勝劇を演じ、世界2階級制覇(!?)を達成しています。

いまだにBoxRecでは、WBCの18番目の階級名は明記されておらず、「12回戦」として表記されている一戦。前王者ロザンスキーは昨年4月に同王座を獲得していますが、16戦のキャリアを持つポーランド人が10回戦以上の試合に出場したのはこのオコリー戦を含め僅か3試合。タイトルの質もそうですが、ブリッジャー級の世界戦に出場する選手の質も如何わしいものがありますね。

先週もお届けしましたが、WBCとWBAが設置した18番目の階級の体重リミットは224ポンド/102キロ。4団体統一ヘビー級王者オレクサンデル ウシク(ウクライナ)は101キロとその階級のリミット内の選手と、ブリッジャー級の体重で、超巨人タイソン フューリー(英)に勝利を収めました。

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今週末の試合予定

2024年05月25日 05時28分08秒 | 世界ボクシング

2024年5月最終週末の主な試合予定です(2024年5月25日から5月31日まで)。

25日 土曜日
英国
スーパーライト級戦(12回戦):
ジョシュ テーラー(英)対 ジャック カテラル(英)

*同期間には、それなりの規模の、それなりの数の興行が世界各地で行われる予定です。

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試合結果変更?などなど(色々:05‐24‐24)

2024年05月24日 05時02分03秒 | 世界ボクシング

最近(2024年5月24日ごろ)のニュースです。

1)一ヵ月前に、契約ウェートを超過しながらもデビン ヘイニー(米)に快勝したライアン ガルシア(米)。薬物検査に引っ掛かったため、その試合結果が無効試合に変更となる可能性が高いようです。うつ病に体重超過、そして今回の薬物検査がもし事実なら、ガルシアは今後プロボクサーとしての活動を禁止されるべきでしょう。

2)17戦全勝全KOと、スーパーライト級の注目株の一人であるゲリー アントワン ラッセル(米)が来月15日、元WBA暫定王者で、22戦全勝(10KO)のアルベルト プエジョ(ドミニカ)とWBC暫定王座を賭け対戦します。カード的には面白いものですが、ヘイニーが定期的に試合している中、わざわざ「暫定」王座を設ける必要があるのでしょうかね?

3)長らくヘイニー、ガルシアの対抗馬として見られてきたテオフィモ ロペス(米)。6月29日にスティーブ クラゲット(カナダ)を相手に保持するWBOスーパーライト級王座の2度目の防衛戦に臨みます。

4)ロペスへの指名挑戦権を持つアーノルド バルボサ(米)が、元WBC/WBO王者ホセ カルロス ラミレス(米)と夏にも対戦するという計画があるようです。こちらもまた、実現してほしい好カードですね。

5)来月7日に、指名挑戦者ライアン ロジッキ―(カナダ)を相手にWBCクルーザー級王座の防衛戦を予定していたノエル ミカエルヤン(アルメニア)。自身の負傷により、その防衛戦の延期を余儀なくされてしまいました。

6)WBOアジア太平洋ライト級王者保田 克也(大橋)が7月9日、後楽園ホールのリングに登場。プレスコ カルコシア(比)を迎え、保持する王座の3度目の防衛戦を行います。

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2人の新王者が誕生(IBFx2)

2024年05月23日 05時33分28秒 | 世界ボクシング

先週末18日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
IBFクルーザー級戦(王座決定戦):
ジェイ オペタイア(豪)判定3対0(117-111、116-112x2)マイリス ブリエディス(ラトビア)

*2022年7月に、オペタイアの地元豪州で対戦している両雄。その時は挑戦者だったオペタイアが、顎を骨折するなど満身創痍の末判定勝利。ブリエディスから王座を奪っています。今回の王座決定戦となった経緯は、オペタイア陣営と指名試合を科したIBFの間での微妙な行き違いから。そのためオペタイアは昨年末に王座を返上するも、即王座決定戦出場が認められました。

ブリエディスの負傷のため、延期となっていた両者の再戦は、豪州人が前半戦を大きくリードする形で進んでいきます。終盤戦にラトビア人も強打でオペタイアを脅しますが、反撃にはすでに遅く。IBFのベルトは数ヶ月して再び南太平洋に渡る結果となっています。

下記は2024年5月23日現在の、クルーザー級のタイトル保持者たちとなります。

WBA:ヒルベルト ラミレス(メキシコ/防衛回数0)
WBC:ノエル ゲボール(アルメニア/0)
IBF:ジェイ オペタイア(豪/0)
WBO:クリス ビラン スミス(英/1)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:カムシベク クンカバエフ(カザフスタン/0)

 

IBFスーパーフェザー級戦:
挑戦者アンソニー カカーチェ(英)TKO8回39秒 王者ジョー コルディナ(英)

*王者が有利と思われていた一戦でしたが、蓋を開けて見ると挑戦者が3階にダウンを奪うなど主導権を握っていく形に。中盤戦にカカーチェがストップ勝利を呼び込み、それまで保持していたマイナー団体IBOタイトルに加え、IBFのベルトも手にしています。

実力拮抗者たちが世界王者に君臨している現在のスーパーフェザー級。下記は2024年4月23日現在の、同級の王者たちとなります。

WBA:ラモント ローチ(米/防衛回数0)
WBC:オシャキー フォースター(米/2)
IBF:アンソニー カカーチェ(英/0)
WBO
:エマヌエル ナバレッテ(メキシコ/2)
WBO(暫定):オスカル バルデス(メキシコ/0)
OPBF(東洋太平洋):坂 晃典(仲里/0)
WBOアジア太平洋:力石 政法(緑/0)
日本:奈良井 翼(RK蒲田/0)

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次はウシク!?カバイェルが挑戦権を獲得(ヘビー級)

2024年05月22日 05時03分52秒 | 世界ボクシング

先週末18日・土曜日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
WBC米大陸/NABOヘビー級戦:
挑戦者/NABF/WBAインターコンチネンタル王者アジ カバイェル(独)KO7回2分33秒 王者フランコ サンチェス(キューバ)

*24戦全勝(16KO)のカバイェルと24戦全勝(17KO)のサンチェスが、WBC王座への挑戦権を賭け対戦。初回からプレッシャーをかけ続けたカバイェルに対し、サンチェスはほとんど対処する事が出来ず。7回にボディー攻撃で2度のダウンを奪ったドイツ人が、全勝記録を25に伸ばすと同時に、ウシクへの挑戦権を獲得しています。

 

昨日もお届けしましたが、2024年5月22日現在の最重量級の王者たちの顔ぶれを確認しておきます。

WBA(スーパー):オレクサンデル ウシク(ウクライナ/防衛回数3)
WBA(レギュラー):マヌエル チャー(独
/0)
WBC:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/0)
IBF:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/3)
WBO:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/3)
WBO(暫定):ジョセフ パーカー(ニュージーランド/0)
OPBF(東洋太平洋):ジャスティン フニ(豪/1)
WBOアジア太平洋:ウラジスラフ シレンコ(ウクライナ/0)
日本:但馬 ブランドン ミツロ(KWorld3/1)

*ここで当然の如く気になるのが、今後のウシクを中心としたヘビー級戦線の動きとなります。ウシクはフューリー戦で負傷(顎の骨折)したという情報があり、2024年内に試合を行う可能性は低そう。また、37歳のウクライナ人にとり、フューリーとの再戦以外にこれといった魅力的なカードが無いというのが現実です。すでに2階級で4つのベルトを統一するという大偉業を達成したウシク。このまま引退という選択枠もあるのではないでしょうか。

約10日後には、サウジアラビアでまたまた大きな興行が予定されています。すでにIBF王座への挑戦権を獲得しているフィリップ フルコビッチ(クロアチア)が、前WBAレギュラー王者ダニエル デュボア(英)と対戦します。この試合がそのままIBF王座決定戦に昇格するという可能性もあるでしょう。

また、同じ興行で前WBO暫定王者張 志磊(中国)と元WBC王者ディオンティー ワイルダー(米)が拳を交えます。試合内容としては、非常に面白いものが期待出来そうです。

あろうことかに6月7日、米国フロリダ州で老舗腐敗団体の暫定王座決定戦が行われる様子。その試合に出場するのはマイケル ハンター(米)とキャシウス チャニ―(米/Cassius Chaney)。この団体はやはりというか、やれやれというか...。

ヘビー級第3の戦士アンソニー ジョシュア(英)や張とワイルダーに連勝した現WBO暫定王者ジョセフ パーカー(ニュージーランド)の次戦も、遠からず決まる事でしょう。夏前には、今後のヘビー級の動きがある程度決まる事になるのではないでしょう。

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