DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

続「ボクシング 10年」PartⅦ(カオサイという怪物)

2020年12月31日 05時38分38秒 | ボクシングネタ、その他雑談

このDaispo Boxingを始めた当初、不定期ながらも数回に渡り「ボクシング10年」という、自分(Corleone)がボクシングに興味を抱いてからの約10年の間のボクシング界について、ザっとしたものを書いていました。第一弾は2004年6月23日。当時引退したばかりのリカルド ロペス(メキシコ)がどれだけ凄いボクサーで、軽量級、特にミニマム(旧ストロー、105ポンド/47.63キロ)とそのひとつ上のライトフライ(旧ジュニアフライ、108ポンド/48.97キロ)のその後の課題はロペスの後継者を生み出すことであると強調しました。

今年の9月にSuperchamp1991というものを購入。そこには私がボクシングに惹かれる直前、1991年春先の世界王者たちの顔ぶれが掲載されています。その顔ぶれを見てみると懐かしさと同時に、新鮮味がある王者たちが載っています。

今回はスーパーフライ級となります。下記が当時の世界スーパーフライ級王者たちの顔ぶれとなり、防衛回数は当時のものになります。

WBAジュニアバンタム級:カオサイ ギャラクシー(タイ/防衛回数16)
WBCスーパーフライ級:文 成吉(韓国
/3)
IBFジュニアバンタム級:ロバート キロガ(メキシコ/2)

階級の呼称は、「ジュニア」、または「スーパー」と団体によって違っていました。実際の所、2020年現在でも、米国のメディアでは「ジュニア」の呼称を結構使っています。

115ポンド/52.15キロを上限とするこのクラスは、当時としては比較的新しいクラスでした。最初にWBAの世界戦が行われたのが1981年の9月。WBCはその前を行き1980年の2月。IBFの同級での初の世界戦は1983年の師走。WBOに至っては1989年の4月まで待たなければなりませんでした。

その短い歴史の中で、アジアから同級を代表する怪物が誕生しました。1984年11月に、WBAジュニアバンタム級の3代目王者だった渡辺 二郎(大阪帝拳)が剥奪された王座の決定戦に出場したカオサイ。6回KO勝利を収め世界のベルトを手に入れると、KOの山を築きながら、ドンドンと防衛記録を伸ばしていきました。最終的には19連続防衛に成功し、世界王者のままでリングを去ったカオサイ。この年、1991年の師走まで戦い続けました。終身戦績は47勝(41KO)1敗。KO率は何と85パーセント。カオサイの築き上げた防衛記録は、いまだに同級の最多記録です。

(アジアの生んだ怪物・カオサイ ギャラクシー)

カオサイが世界王者になる前、何人もの日本人選手がこのタイの英雄と拳を交えました。それらの選手たちは、口を揃えて「カオサイのパンチ力にお手上げだった」とコメントを残しています。また、カオサイの引退後、王座決定戦でタイの英雄の後釜に就いたのが鬼塚 勝也(協栄)でした。

カオサイのインパクトが強すぎただけに、他の王者たちの影が薄くなってしまうのはしょうがないでしょう。しかし、WBCタイトルホルダーだった文も中々キャラクターの濃い選手でした。1988年に自国・韓国で行われたソウル五輪出場を蹴ってプロ入りした文。まずはWBAバンタム級を獲得し、1990年に同王座に逆2階級制覇という形で就いています。頭からガンガンいく変則的なファイターだった文。そのボクシングスタイルのため、負傷が多く、負傷判定という消化不良の試合もありました。不安定な面もありましたが、この王座は1993年の11月まで、9度同王座を守っています。しかし如何せん「韓国の石の拳」というニックネームは不似合いな選手でした。日本が世界に誇ったテクニシャン、川島 郭志(ヨネクラ)は、文の2代後のWBCスーパーフライ級王者でした。

(「韓国の石の拳」文 成吉)

キロガもカオサイには劣るものの、中々の好選手でした。翌年1992年まで王座を温めたキロガ。プロモーターとの関係上、イタリアのリングでしばしば防衛戦を行っています。マイナー団体WBOのベルトを腰に巻いていたのは、ホセ ルイス(プエルトリコ)。第4の団体WBOながらも、当時でもそれなりに評価されていた存在でした。翌1992年2月に王座を手放したルイスは、その後キロガに挑戦。僅差の判定負けを喫しています。偶然でしょうが、キロガもルイスも防衛回数揃っては5でした。

(比較的地味ながらも、まとまった戦力の持ち主だったロバート キロガ)

一階級下のフライ級が「日本の伝統のクラス」という「伝統」があります。しかし1990年代から見てみると、フライ級より、このスーパーフライ級の方が「伝統」というお株を奪ったような印象があります。

渡辺 二郎から始まった日本のスーパーフライ級の歴史。鬼塚、川島、飯田 覚士(緑)、戸高 秀樹(緑)、徳山 昌守(金沢)、セレス 小林(国際)、川嶋 勝重(大橋)、名城 信男(六島)、河野 公平(ワタナベ)、佐藤 洋太(協栄)、井上 尚弥(大橋)、そして井岡 一翔(Ambition)。この30年の間に、このように多くの世界王者たちが日本のリングから誕生してきました。しかし楽しみですな、今夜行われるWBOスーパーフライ級戦が。

(さあ、勝つのはどちらだ!?)

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意見番(12‐30‐20)

2020年12月30日 05時29分19秒 | ボクシングネタ、その他雑談

*いよいよ明日開催ですね。まずはこの試合が無事に開催されることを願っています。

   

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プエジョ、ようやく初防衛に成功(WBAスーパーライト級:暫定王座)

2020年12月29日 05時18分14秒 | 世界ボクシング

今月17日、ドミニカで行われた試合結果です。
W
BAスーパーライト級戦(暫定王座):
王者アルベルト プエジョ(ドミニカ)KO6回3分 挑戦者クリスチャン コリア(亜)

*昨年の7月に現在保持している王座に就いたプエジョ。王座獲得から17ヵ月、ようやく初防衛に成功しています。試合は6回終了間際、プエジョが右パンチでコリアからダウンを奪います。挑戦者はテン・カウント内に立ち上がることが出来ずそのままKO負け。コリアの敗戦は、2018年9月に岡田 博喜(角海老宝石)に喫して以来のものとなりました。

初防衛に成功すると共に、全勝記録を18(10KO)に伸ばしたプエジョ。しかし保持している王座がWBAの第3のベルトに加え、ここまでのキャリアのすべての試合を母国ドミニカで行ってきたため、まだまだ世界的には知られざる世界王者の地位に甘んじています。

プエジョを含めた、2020年12月29日現在のスーパーライト級級王者たちをまとめてみました。

WBA(スーパー):ジョシュ テーラー(英/防衛回数1)
WBA(レギュラー):マリオ バリオス(米/1)
WBA(暫定):アルベルト プエジョ (ドミニカ/1)
WBC:ホセ カルロス ラミレス(米/4)
IBF:ジョシュ テーラー(英/2)
WBO:ホセ カルロス ラミレス(米/1)
OPBF(東洋太平洋):内藤 律樹(E&Jカシアス/4)
WBOアジア太平洋:井上 浩樹(大橋/0)
日本:永田 大士(三迫/1)

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福永が三冠王に(スーパーフライ級)

2020年12月28日 05時49分00秒 | 世界ボクシング

今月14日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
スーパーフライ級12回戦:
WBOアジア太平洋王者福永 亮次(角海老宝石)TKO10回2分24秒 日本王者中川 健太(三迫)

*両者がそれぞれ保持していたベルトに加え、空位だったOPBF(東洋太平洋)王座も争われた注目の三冠戦。これまで勝利を収めた12の試合をすべて規定ラウンド内(KO/TKO勝利)に終わらせてきた福永が、4回にダウンを奪うなどして先手を取ります。しかし経験で上回る中川も反撃。中盤戦はどちらも譲らず激しい打撃戦が繰り広げられました。

迎えた10回、福永の強打がついに中川を捉え、中川がグロッキー状態に。レフェリーはそこで躊躇せず試合をストップ。福永が激戦を制すると共に、今年2月に獲得していたWBOアジア太平洋王座の初防衛に成功。同時に、日本、そしてOPBF王座の獲得にも成功しています。

 

世界挑戦に向け大きく前進した形となった福永。2020年12月28日現在の同級の王者たちの顔ぶれを見てみましょう。

WBA(スーパー):ローマン ゴンザレス(ニカラグア/帝拳/防衛回数1)
WBA(レギュラー):ジョシュア フランコ(米/1)
WBC:ファン フランシスコ エストラーダ(メキシコ/2)
IBF:ジェルウィン アンカハス(比/8)
WBO:井岡 一翔(Ambition/1)
OPBF(東洋太平洋):福永 亮次(角海老宝石/0)
WBOアジア太平洋:福永 亮次(角海老宝石/1)
日本:福永 亮次(角海老宝石/0)

*同級の注目は、何といっても大晦日に予定される一翔と田中 恒成(畑中)の防衛戦。コロナウィルスの影響がまだまだ色濃い今日この頃。まだまだ日本国内で、日本人対外国人選手の対戦の実現が難しいのが現状です。そのため、来年の早い段階で、福永がWBOスーパーフライ級戦の勝者に挑戦する可能性があるのではないでしょうか。

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ライトヘビー級とスーパーフェザー級の色々(色々:12‐27‐20)

2020年12月27日 05時32分48秒 | 世界ボクシング

最近(2020年12月27日ごろ)のニュースです。

1)昨年の11月以来空位となっていたWBOライトヘビー級の王座。その新王者決定戦が来年2月13日に米国内で行われます。この試合に出場するのはジョー スミス(米)とマキシム ウラゾフ(露)。

2)これまでに、そのWBOライトヘビー級王座を3度獲得してきたセルゲイ コバレフ(露)。昨年11月にサウル アルバレス(メキシコ)に敗れ、最後の王座と決別しています。このコバレフが来月30日、母国ロシアのリングで再起戦を行います。コバレフが対戦するのはウズベキスタンの新鋭ベクテミール メリクジエフ。

3)元WBOスーパーミドル級王者で、いまだに全勝記録(41勝)を保持しているヒルベルト ラミレス(メキシコ)が今月18日、NABF(北米)ライトヘビー級王者アルフォンソ ロペス(米)に挑戦。10回TKO勝利を収め、タイトルを獲得しています。ラミレスはスーパーミドル級時代、世界王者になる前に同団体のスーパーミドル級王座を獲得していた経験があります。

4)本来なら今月に予定されていた注目のWBCスーパーフェザー級戦、ミゲル ベルチェル対オスカル バルデス(共にメキシコ)。ベルチェルがコロナウィルスに感染してしまい、延期となっていました。この一戦が来年2月20日にラスベガスで開催される事が発表されています。

5)ベルチェルの対抗王者であるジョセフ ディアス(米)。保持するIBF王座の初防衛戦を来年2月13日に米国・カリフォルニア州のリングで行います。ディアスに挑戦するのは指名挑戦者のシャフカッツ ラヒモフ(タジキスタン)

6)WBOフェザー級王座を返上し、スーパーフェザー級に侵攻してきたシャクール スティーブンソン(米)が今月12日、ラスベガスのリングに登場。トカ カーン クレイリー(米)を相手にシャットアウト勝ち(3対0:100-90x3)を収め、2021年内に予定される2階級制覇挑戦に向け順当な調整ぶりを見せています。

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今週末の試合予定

2020年12月26日 04時53分00秒 | 世界ボクシング

2020年12月、そして今年の最終週末の主な試合予定です。

26日 土曜日
東京都墨田区総合体育館
ライト級10回戦:
前WBOスーパーフェザー級王者伊藤 雅雪(横浜光)対 OPBF(東洋太平洋)スーパーフェザー級王者三代 大訓(ワタナベ)

愛知県刈谷市あいおいホール
日本ライトフライ級戦:
王者矢吹 正道(緑
)対 挑戦者大内 淳雅(姫路木下)

米国・カリフォルニア州
WBAスーパーミドル級王座決定戦(レギュラー王座):
暫定王者デビット モレル(キューバ)対 マイク ガブロンスキー(米)

27日 土曜日
大阪府大阪市エディオンアリーナ大阪・第2競技場
ライトフライ級6回戦:
高山 勝成(寝屋川石田)対 小西 伶弥(SUN-RISE)

31日 日曜日
東京都大田区総合体育館
WBOスーパーフライ級戦:
王者井岡 一翔(Ambition)対 挑戦者田中 恒成(畑中)

WBOアジア太平洋バンタム級戦:
王者ストロング小林 佑樹(六島)対 挑戦者比嘉 大吾(Ambition)

*この週は、年末年始を跨ぐことになりますが、米国や日本を中心に、世界各地で上記の興行の他に、数々の興行が予定されています。ロシアやメキシコに加え、インドでも複数の試合が予定されています。また元旦には、中国で複数の試合が決行されるようです。

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カネロ、統一王者に(2団体スーパーミドル級)

2020年12月25日 05時18分14秒 | 世界ボクシング

先週末19日、米国・テキサス州で行われた試合結果です。
2団体スーパーミドル級戦:
WBAレギュラー王者サウル アルバレス(メキシコ)判定3対0(119-109x2、117-111)WBAスーパー王者カラム スミス(英)

*役者が違い過ぎた、と言ってしまえばそれまでなのですが、スミスがその身長(191センチ)とリーチ(198センチ)を活かすことが出来れば、もっと接近した試合内容になっていたのではないでしょうか。ただその場合、アルバレスが早く試合を終わらせていた可能性もありますが。まあ、現在のボクシング界を背負っている選手の一人であるカネロ(アルバレスのニックネーム)が試合を行っただけでも良かったとしましょう。

WBA王座内の統一に成功すると共に、空位だったWBC王座も獲得したアルバレス。戦績を54勝(36KO)1敗1引き分けとしています。改めてその存在を誇示したアルバレス。来年2021年にはどんな路線を歩んで行くのでしょうか。

アルバレスが頂点に立つスーパーミドル級。下記がアルバレスを含めた、2020年12月25日現在の同級の王者たちとなります。

WBA(スーパー):サウル アルバレス(メキシコ/防衛回数1)
WBA(暫定):デビット モレル(キューバ/0)
WBC:サウル アルバレス(メキシコ/0)
IBF:カレブ プラント(米/2)
WBO:ビリー ジョー ソーンダース(英/1)
OPBF(東洋太平洋):ジェイド ミッチェル(豪/2)
WBOアジア太平洋:アブダラ パジワパジ(タンザニア/0)

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KO仕掛け人・ロイヤル小林

2020年12月24日 05時13分02秒 | ボクシングネタ、その他雑談

日本人として、初の世界ジュニアフェザー級(現スーパーバンタム級)王座を獲得したロイヤル 小林(国際)。先月17日に逝去されました(享年71歳)。心よりご冥福をお祈りいたします。

(KO仕掛け人・ロイヤル小林)

ロイヤル 小林氏について、それほど知識はありません。同氏の戦績を見てみると、とてつもない実力者だった事が分かります。アマチュアで34勝(28KO)3敗という抜群の戦績+KO率を残したロイヤル。その集大成は、1972年に行われたミュンヘン五輪に出場し、フェザー級でベスト8まで進出した事でしょう。

オリンピックが行われた翌年にあたる1973年に8回戦でプロデビューを果たした小林。デビュー戦こそ判定勝利で終わっていますが(と言っても、対戦相手だったバロン熊沢は、すでにプロで40戦以上戦っていた選手)、その後は11連続KOを含む18連勝(16KO)を記録。世界初挑戦での王座奪取はなりませんでしたが、1976年10月9日に後楽園ホールで行われた2度目の世界挑戦でWBCジュニアフェザー級王者だったリゴベルト リアスコ(パナマ)を圧倒。見事に世界王座を獲得すると共に、日本に初の同級のベルトをもたらしました。ちなみに翌10日には、具志堅 用高(協栄)がWBAジュニアフライ級(現ライトフライ級)王座を獲得しています。

世界王座は一度も防衛に成功することなく手放してしまいましたが、その後本来のフェザー級に再転向。OPBF(東洋太平洋)王座を獲得し、7度防衛する中、虎視眈々と世界2階級制覇を狙っていました。1981年10月にその王座を失った後、現役から身を引いた小林。その後は、様々なジムで後進の指導に当たっていました。生涯戦績は35勝(27KO)8敗(4KO負け)。

「KO仕掛け人」という異名を持ったロイヤル 小林は、よく記録より記憶に残った選手として述べられることが多いようです。スーパーバンタム級(当時のジュニアフェザー級)王座を初めて日本にもたらしましたが、その王座とは僅か43日で決別。これは日本の歴代世界王者として最短となります(記録のように思えますが...)。しかし何といっても凄いのが、小林が世界戦で拳を交えた選手たちの面々ではないでしょうか。

初の世界挑戦となった一戦では、後に世界3階級制覇を達成した「ニカラグアの貴公子」アレクシス アルゲリョと対戦し5回KO負け。世界王座への返り咲きを目指し対戦したウィルフレド ゴメス(プエルトリコ)は、WBCスーパーバンタム級を17度防衛すると共に、そのすべての防衛戦を規定ラウンド内で終わらせた怪物。2階級制覇を目指し挑戦したWBAフェザー級タイトル保持者だったエウセビオ ペドロサ(パナマ)は、その王座を何と19度も守った、これまた歴史に名を残す名王者。とんでもない選手たちのオンパレードですよね、本当に。

しかし、こんな凄まじいレコードを持つロイヤル 小林をほとんど知らないとは。私もまだまだ勉強不足です。ちなみに、ニックネームのロイヤルは、「ローヤルゼリー」からきたもので、ローヤルゼリーのように甘く、しかし強く、からきたものだそうです。

(世界王者を目指すなら、ローヤルゼリーを!?)

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中谷、大逆転で世界に超接近(ライト級)

2020年12月23日 05時59分20秒 | 世界ボクシング

今月12日、米国・ネバダ州で行われた試合結果です。
WBOインターコンチネンタル・ライト級王座決定戦:
中谷 正義(帝拳)TKO9回1分45秒 フェリックス ベルデホ(プエルトリコ)

*昨年7月に、現3団体統一ライト級王者テオフィモ ロペス(米)に判定負けを喫した後、一時現役から退いていた中谷。帝拳ジムに移籍し心機一転。再起第一戦目で、再び米国の地で大物との対戦となりました。

中谷が拳を交えたベルデホは、WBOラテン王座を長らく保持している常連世界ランカー。世界タイトルへの挑戦の経験はないものの、かなりの実力者。しかも中谷は昨年7月以来の実戦と、不利が予想されました。

案の定、初回に体の温まっていない時にプエルトリカンの右を喰らってダウンを喫してしまった中谷。幸先の悪いスタートとなってしまいました。逆転を試みる中谷ですが、それを見越してかベルデホは無理をせずに日本人の攻撃を対処。中谷は4回に追加のダウンを喫してしまいます。

攻勢の手を緩めない中谷ですが、ベルデホも中々ペースを落としません。しかし試合もこのまま終わってしまいそうだった9回中盤、中谷の左がライバルの顎を打ち抜き、遂にお返しのダウンを奪う事に成功。試合再開後、中谷は連打を見舞い、一気に試合を終わらせました。

8回終了時までの採点でも、0対3(74-77、72-78x2)と大きく後れを取っていた中谷。まさに大逆転のTKO勝利で再起に成功すると共に、再び初の世界挑戦に向け大きく前進する事になりました。

 

中谷が狙うのは当然世界タイトル。2020年12月23日現在の、世界、そして日本関連のライト級王者たちの顔ぶれを見てみましょう。

WBA(スーパー):テオフィモ ロペス(米/防衛回数0)
WBA(レギュラー):ジェルボンテ デービス(米/1)
WBA(暫定):ローランド ロメロ(米/0)
WBC:デビン ハニー(米/2)
IBF:テオフィモ ロペス(米/1)
WBO:テオフィモ ロペス(米/0)
OPBF(東洋太平洋):吉野 修一郎(三迫/1)
WBOアジア太平洋:吉野 修一郎(三迫/1)
日本:吉野 修一郎(三迫/6)

*ロペスが3団体のベルトを同時に保持しているため、早期の中谷の世界挑戦実現は難しいと予想されます。ここは吉野との日本国内頂上決戦を実現させて貰いたいところですね。

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コルバート、終盤TKOで初防衛に成功(WBAスーパーフェザー級:暫定王座)

2020年12月22日 05時52分02秒 | 世界ボクシング

今月12日、米国・コネチカット州で行われた試合結果です。
WBAスーパーフェザー級戦(暫定王座):
王者クリス コルバート(米)TKO11回1分37秒 挑戦者ハイメ アルボレダ(パナマ)

*今年の1月に、暫定王座を含め、2020年に行われた主要4団体初の世界戦に出場。日本でもお馴染みのジェスレル コラレス(パナマ)からダウンを奪い、王座を獲得したコルバート。今回の初防衛戦でも、コラレスと同じくパナマ出身のアルボレダと対戦。的確なパンチを当てていき、9回に1度、そして11回に2度のダウンを奪い、そのままTKO勝利。暫定ながらも世界王座の初防衛に成功しました。

デービス、ベルチェル等強豪選手が対抗王者として君臨しているスーパーフェザー級戦線。来年2021年に、米国期待の星コルバートが、それらの選手たちとの距離をどれだけ詰められるかが注目です。

 

コルバートを含めた、2020年12月22日現在のスーパーフェザー級の王者たちの顔ぶれを確認しておきましょう。

WBA(スーパー):ジェルボンテ デービス(メキシコ/防衛回数0)
WBA(レギュラー):レネ アルバラード(ニカラグア/0)
WBA(暫定):クリス コルバート(米/1)
WBC:ミゲル ベルチェル(メキシコ/6)
IBF:ジョセフ ディアス(米/0)
WBO:ジャメル ヘリング(米/2)
OPBF(東洋太平洋):三代 大訓(ワタナベ/4)
WBOアジア太平洋:ジョー ノイナイ(比/2)
日本:坂 晃典(仲里/0)

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