今から30年前の1993年2月20日、メキシコの首都メキシコシティーにあるアステカ・スタジアムで行われた試合結果です。
WBCスーパーライト級戦:
王者フリオ セサール チャベス(メキシコ)TKO5回2分2秒 挑戦者グレグ ホーゲン(米)
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(84度も戦った事は驚くべきことなのですが、KO率が86パーセントというのも異常です)/ Photo: BoxRec
WBCスーパーウェルター級戦:
王者テリー ノリス(米)TKO2回49秒 挑戦者/IBFウェルター級王者モーリス ブロッカー(米)
WBCスーパーフェザー級戦:
王者アズマー ネルソン(ガーナ)判定2対0(115-113、115-114、115-115)挑戦者ガブリエル ルエラス(米)
WBAスーパーミドル級戦:
王者マイケル ナン(米)KO初回2分59秒 挑戦者ダン モーガン(米)
*当時の超一流世界王者たちが揃って出場した大興行。この他にもフェリックス トリニダード(プエルトリコ)やジェラルド マクラレン(米)など、のちのスーパースター選手たちも無冠戦で試合を行っています。帝王チャベスはタフなホーガンを相手にせず快勝。この勝利により、デビューからの全勝記録を85に伸ばしています。
85連勝ですか。書くのは簡単ですが、実際に85回も実戦を行うとは怪物という一言だけでは言い表せません。2023年2月時点での井上 尚弥(大橋)の戦績は24戦全勝(21KO)。井岡 一翔(志成)は29勝(15KO)2敗1引き分け。そして寺地 拳四郎(BMB)は20勝(12KO)1敗。日本のトップ3を合わせても、チャベスの数字には及びません。しかしチャベスの戦績には量(試合数)だけでなく、質(対戦相手)も反映されていました。彼こそ、正真正銘の伝説的選手でした。
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(「驚異」や「怪物」という言葉では表せる事が出来なかったチャベスの凄さ)/ Photo: Amazon.co.jp
当時のパウンド・フォー・パウンドのランキングは、チャベスが絶対的1位の座を占め、ノリスとパーネル ウィテカー(米)がチャベスとの3強を結成していました。その内の二人が同じ興行に出場するとは何とも贅沢なものです。
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(タフなホーゲンに、得意の左ボディーを打ち込むチャベス)/ Photo: Youtube
ネルソンも確実にトップ10に名前を連ねていた強豪で、何も2年前にはトップ10の一角を占めていた選手でした。そして前座に出場したトリニダードもマクラレンも、数ヶ月後には世界を獲得。量だけでなく質も相当な興行でした。
この興行には13万2247人もの大観衆が会場に詰め掛けました。この数字は確か、いまだに有料の観客動員数の最大のモノだと思います。あまりもの人の多さに、会場には「ワーッ」や「ウォー!」のような歓声ではなく「ゴーーー」という呻くような声というか音が漂っていました。凄いというか、怖いというか...。
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(ボクシングの興行の観衆とは思えない観客の多さ...)/ Photo: Facebook