現地時間の昨夜(6日・日曜日)、豪州で行われた試合結果です。
WBOインターコンチネンタルスーパーウェルター戦(王座決定戦):
ティム チュー(豪)TKO4回2分18秒 ジョセフ スペンサー(米)
*昨年3月末に、超長身のセバスチャン フンドラ(米)との大流血戦で僅差の判定負けを喫し、世界王座から転落すると同時に自身初黒星を喫してチュー。10月の再起戦では、調整試合を行わずにいきなりIBF王者バフラム ムルタザリエフ(露)に挑戦。この時点での世界再挑戦はいささか時期尚早と思われましたが、残念ながら試合内容、結果共にそのようになってしまいました。僅か8分の間に5度もダウンを喫し、手痛い連敗を喫してしまったチュー。この敗戦からようやくじっくりと再起路線を辿る決意をしたようです。
再び再起戦に臨んだチューが拳を交えたスペンサーは、19勝(11KO)1敗(1KO負け)と中々の戦績の持ち主。しかしこれまでに3度しか10回戦以上の経験がない、元世界王者チューにとりあきらかに格下。調整試合の相手としてはうってつけの選手と言っていいでしょう。
初回、2回と慎重なボクシングに徹したチューですが、3回からは鋭く的確な左ジャブで試合の主導権を取ります。4回、左右上下のパンチを自由自在に当て始めたチューは、一気にスペンサーを追い詰めていきます。最後はロープに詰まったところで米国人陣営からタオルが投入されゲームセット。チューが2度目の再起戦で無難な勝利を収めると同時に、2023年10月以来の白星を飾る事に成功しました。
まだまだ世界王者レベルの力を保持していると思われるチュー。しかし上体が棒立ちになりがちなのが気になります。実父で、元スーパーライト級王者のコンスタンチンもティムと類似したボクシングスタイルを持っていました。しかしコンスタンチンの場合、全盛期のマイク タイソン(米)にも匹敵する驚異的なステップインの速さ/鋭さがありました。実父の影響を多大に受けている現在のティム。そろそろ自身独自のスタイルを確立するべきでしょう。
下記はチューが主戦場としているスーパーウェルター級の、2025年4月7日現在の王者たちとなります。
WBA:テレンス クロフォード(米/防衛回数0)
WBA(暫定):ヨエニス テジェス(キューバ/0)
WBC:セバスチャン フンドラ(米/0)
WBC(暫定):バージル オルティス(米/1)
IBF:バフラム ムルタザリエフ(露/1)
WBO:セバスチャン フンドラ(米/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:空位
日本:出田 祐一(三迫/3)