2024年11月最終週末の主な試合予定です(2024年11月30日から12月6日まで)。
30日 土曜日
英国
WBCフライ級戦(暫定王座決定戦):
サニー エドワーズ(英)対 ガラル ヤファイ(英)
2024年11月最終週末の主な試合予定です(2024年11月30日から12月6日まで)。
30日 土曜日
英国
WBCフライ級戦(暫定王座決定戦):
サニー エドワーズ(英)対 ガラル ヤファイ(英)
先週21日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
2団体ライト級戦(王座統一戦):
OPBF(東洋太平洋)王者宇津木 秀(ワタナベ)TKO6回2分47秒 WBOアジア太平洋王者保田 克也(大橋)
*階級がこのあたりのクラスになると、日本やアジア圏レベルでも軽量級では見られない重いパンチの応酬があります。
まずは4回、共にダウンを喫するというとんでもないラウンドとなりました。より甚大なダメージを受けたのは、ダウンを奪い返された宇津木。ダウンから立ち上がった後も保田の追撃を受け、いつ倒れてもおかしくない状態に。ストップが早いレフィリーなら試合を止めていたでしょう。
宇津木の負ったダメージは、到底1分では回復できるものではありません。ダメージを引きずったまま開始された5回、宇津木は案の定フラフラ状態でした。しかしそれでも前進し攻めに出るのですから大したものです。しかしそんな宇津木に保田の左がグサリと入り、宇津木は2度目のダウンを喫してしまいました。
大ダメージを被った宇津木ですが、続く6回には攻勢に出ます。そして1分過ぎ、綺麗な左ジャブからの右を当て保田から吹っ飛ばすようにしてダウンを奪います。そして2分過ぎに打ち勝った宇津木はダウンを追加。試合再開後、連打をまとめようや激戦に終止符を打ちました。
大激戦を制し、保田の保持していた王座を吸収する事に成功した宇津木。ボクシングには世界戦以外にも素晴らしい試合があるということを実証してくれました。勝者は当然の如く上のベルトを目指していくことになるでしょうが、保田との再戦も視野に入れてほしいものですね。
年間最高試合に選ばれてもおかしくない試合となったアジア地域タイトルの王座統一戦。下記は2024年11月29日現在の、ライト級の王者たちとなります。
WBA:ジャルボンテ デービス(米/防衛回数4)
WBC:シャクール スティーブンソン(米/1)
WBC(暫定):ウィリアム セペダ(メキシコ/0)
IBF:ワシル ロマチェンコ(ウクライナ/0)
WBO:デニス ベリンチュク(ウクライナ/2)
OPBF(東洋太平洋):宇津木 秀(ワタナベ/1)
WBOアジア太平洋:宇津木 秀(ワタナベ/0)
日本:三代 大訓(ワタナベ/0)
*今年の師走には、2つの世界バンタム級戦が日本国内で行われる予定です。各団体の世界王者たちには、指名挑戦者たちとの防衛戦の兼ね合いもあると思います。しかし来年2025年には、「黄金のバンタム」の最強決定戦(トーナメント)開催を是非開始してほしいものです。
Photo: Amazon.co.jp
今月16日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
スーパーライト級戦(10回戦):
アーノルド バルボサ(米)判定3対0(97-93、96-94x2)ファン カルロス ラミレス(米)
*世界初挑戦を控えているバルボサ。これまでに強豪選手たちの対戦を重ねながら、白星を30(全勝11KO)まで重ねてきました。今回バルボサが迎えたのは、かつてWBCとWBOの統一王者だった実力者ラミレス。そんな実力者を相手に、フルラウンドに渡り堂々と元世界王者と渡り合いました。
世界王者時代と比べ、出力の減退が見られたラミレスですが、それでも決して打ち負けなかったバルボサ。ボディー攻撃を交えたオフェンスで、ラミレスにパンチの的確性で上回りました。決して派手な選手ではありませんが、どの世界王者と対戦しても好勝負は期待できるでしょう。
下記はバルボサとラミレスが活躍するスーパーライト級の、2024年11月27日現在の王者たちとなります。
WBA:ホセ バレンスエラ(米/防衛回数0)
WBC:デビン ヘイニー(米/0)
WBC(暫定):アルベルト プエジョ(ドミニカ/0)
IBF:リアム パロ(豪/0)
WBO:テオフィモ ロペス(米/2)
OPBF(東洋太平洋):永田 大士(三迫/1)
WBOアジア太平洋:永田 大士(三迫/1)
日本:李 健太(帝拳/1)
WBCライト級戦(暫定王座決定戦):
ウィリアム セペダ(メキシコ)判定2対1(95-94x2、94-95)テビン ファーマー(米)
*世界王座の暫定王座決定戦ながらも10回戦で行われたこの戦い。31戦全勝(27KO)という素晴らしい戦績の持ち主でしたが、初の世界戦ではそのレコードに見合ったパフォーマンスを見せる事は出来ませんでした。
セペダが拳を交えたファーマーは、元スーパーフェザー級の世界王者とはいえ一流選手とは言えません。33勝の内KO/TKO勝利が8しかない非力な米国人の見事な左ストレートでダウンを奪われたセペダ。持ち前の手数で何とか僅差の判定勝利を収める事がやっとでした。
この勝利により、正規王者シャクール スティーブンソン(米)との対戦が確約されたセペダですが、スティーブンソンには歯が立たないでしょう。
下記はこの試合が終わった時点(2024年11月16日)での、ライト級の王者たちとなります。
WBA:ジャルボンテ デービス(米/防衛回数4)
WBC:シャクール スティーブンソン(米/1)
WBC(暫定):ウィリアム セペダ(メキシコ/0)
IBF:ワシル ロマチェンコ(ウクライナ/0)
WBO:デニス ベリンチュク(ウクライナ/2)
OPBF(東洋太平洋):宇津木 秀(ワタナベ/0)
WBOアジア太平洋:保田 克也(大橋/3)
日本:三代 大訓(ワタナベ/0)
今月15日、米国テキサス州で行われた試合結果です。
WBCウェルター級戦:
王者マリオ バリオス(米)引き分け(1対1:116-110、113-113、112-114) 挑戦者アベル ラモス(米)
*打ち合い好き同士による一戦は、それにそぐわぬ大激戦となりました。先制したのはバリオス。初回半ばに右ストレートでラモスをダウン寸前までに追い込むと、2回に同じパンチで挑戦者をフロアに送ります。
これまでに世界トップ戦線に迫りながらも、中々最後の壁を破れなかったラモス。この一戦ではダウン後に意地を見せます。ダメージの抜けきらない中辛抱強く反撃のチャンスを伺ってたラモスに6回、大きなチャンスが訪れます。お返しとばかりに見事なワンツーでバリオスからダウンを奪うと、その後は立つ続けにビックパンチをクリーンヒットを当て、王者をあと一歩まで追い込みます。
その後は両者が顔面血みどろにさせながら打ち合いを続け試合終了のゴングを聞く事に。結果は痛み分けで勝者決定ならず。しかしこの試合が行われた元世界ヘビー級王者の半公式試合より、よほど素晴らしい試合でした。出来ればバリオス、ラモスのいずれかが、絶対王者テレンス クロフォード(米)に挑戦する試合を観たかったです。
世界王座の一つで大激戦が行われたウェルター級。2024年11月26日現在の、同級の王者たちは下記のようになります。
WBA:エイマンタス スタニオニス(リトアニア/防衛回数1)
WBC:マリオ バリオス(米/2)
IBF:ジャロン エニス(米/3)
WBO:ブライアン ノーマン(米/0)
OPBF(東洋太平洋):佐々木 尽(八王子中屋/1)
WBOアジア太平洋:佐々木 尽(八王子中屋/4)
日本:セムジュ デビット(ウガンダ/中日/0)
最近(2024年11月25日ごろ)のニュースです。
1)WBAライトヘビー級レギュラー王者モレル(キューバ)と、同級のWBC暫定王者べナビデス(米)による一戦が来年2月1日米国ネバダ州ラスベガスで行われることが決定しました。両選手とも共通して下の名前がデビットとなります。
この試合が12回戦として行われることは決まっていますが、両者(または片方の)の保持している王座が争われるかは不明です。
2)現在ライトヘビー級の4つの団体の統一王者はアルツロ ベテルビエフ(露/カナダ)となります。現在までに、ベテルビエフの次戦の日程は立っていません。ベテルビエフの将来的な対戦相手として名前が挙げられているのは、先月にベテルビエフに僅差の判定負けを喫したドミトリー ビボル(キルギスタン/露)、3団体統一スーパーミドル級王者サウル アルバレス(メキシコ)、デビット対決の勝者、そして何とヘビー級王者のオレクサンデル ウシク(ウクライナ)となります。
3)寺地 拳四朗(BMB)が返上したWBCライトフライ級王座決定戦が来月26日、タイで行われます。この試合に出場するのはカルロス カニサレス(ベネズエラ)とパンヤ・プラダブスリ(タイ)。
4)拳四郎が返上したもう一つの王座であるWBAタイトルの王座決定戦が、来月19日にドミニカで行われます。この試合では、元ミニマム級王者エリック ロサ(ドミニカ)とネイダー バルデス(メキシコ)が対戦します。
5)2大会連続で夏季五輪で金メダルを獲得し、プロでは2010年代初頭にスーパーバンタム級で一時代を築いたギレルモ リゴンドー(キューバ)。彼もすでに44歳となっています。このリゴンドーが今月12日、昨年6月以来の実戦を行っています。WBCインターナショナル・スーパーバンタム級王座決定戦に出場した古豪は、ドミニカのダニス アグエロ アリアスを僅か106秒で仕留めています。
6)元WBCヘビー級王者オリバー マッコール(米)が先週19日に米国テネシー州で試合を行っています。4回戦のリングにたった59歳!?のマッコールは、16勝22敗の54歳ステーシー フレイジャー(米)に2回TKO勝利を収めています。
今回の試合結果により、マッコールはヘビー級王座を獲得した選手としては最高齢での勝利を収めたことになりました。
ちょうど一ヶ月後となる12月24日、東京有明アリーナで予定される興行です。
4団体統一スーパーバンタム級戦:
王者井上 尚弥(大橋)対 挑戦者サム グッドマン(豪)
WBOバンタム級戦:
王者武居 由樹(大橋)対 挑戦者ユッタポン トンディ(タイ)
OPBF(東洋太平洋)/WBOアジア太平洋ウェルター級戦:
王者佐々木 尽(八王子中屋)対 挑戦者坂井 祥紀(横浜光)
WBOアジア太平洋ミニマムバンタム級戦:
王者小林 豪己(真正)対 挑戦者高田 勇仁(ライオンズ)
日本スーパーバンタム級戦:
王者下町 俊貴( グリーンツダ)対 挑戦者平野 岬(三松スポーツ)
*複数の世界戦が同時に開催されるより、日本やアジア圏タイトル戦を含んだ方が一試合一試合の重みが出てきますね。
2024年11月第四週末の主な試合予定です(2024年11月23日から29日まで)。
*この期間、数多くの興行が世界各地で予定されています。しかし主要団体の世界戦など、大きな試合の予定はないようです。
先週末16日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
2団体クルーザー級戦(王座統一戦):
WBA王者ヒルベルト ラミレス(メキシコ)判定3対0(116-112x2、116-113)WBO王者クリス ビラム=スミス(英)
*今年の3月にWBA王座を獲得し、2階級制覇を達成したラミレス。6年前までは2階級下のスーパーミドル級(168ポンド/76.2キロ)のWBO王者でした。下の階級から上がってきたラミレスですが、2017年の秋のプロデビュー以来クルーザー級(200ポンド/90.72キロ)で戦い続けているビラム=スミスに全く体負けせずにフルラウンドを戦い抜くことに成功。僅差ながらも明確な判定勝利を収め、ビラム=スミスが保持していたWBO王座を吸収しています。
スーパーミドル級王座を返上してから6年。徐々に体重を増やしながら、同級の参戦してきたラミレス。その間にはこの2階級の中間に位置するライトヘビー級での世界戦も経験しています。しかしそれでも32ポンド/14.5キロというのは凄まじい増量ではないでしょうか。
元々その技術に定評があったラミレス。この試合でもそのスキルを随所に見せています。サウスポー(左構え)から丁寧に右ジャブを付きながら英国人を責め立てるラミレス。ビラム=スミスもそれに対し左ジャブで堂々と応戦していきます。そんな中、メキシカンが大柄な体格にそぐわない、細かい左右の動きでWBO王者のパンチを外していくという芸当を見せます。
両者がお互いに譲らない激しいパンチの応酬が続いた一戦でしたが、結局はその小さな動きが結果に反映されることになりました。欧州の強豪たちを連破し、早くも2冠王となったラミレス。今後は残り2つのベルトを追い求めていくことになるでしょう。
*一戦ごとに同級での存在感を増しているラミレス。下記はラミレスが2冠を保持しているクルーザー級の、2024年11月21日現在の王者たちとなります。
WBA:ヒルベルト ラミレス(メキシコ/防衛回数1)
WBC:ノエル ゲボール(アルメニア/0)
IBF:ジェイ オペタイア(豪/1)
WBO:ヒルベルト ラミレス(メキシコ/0)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:デビット ニーカ(Nyika)(ニュージーランド/0)
最近(2024年11月21日ごろ)のニュースです。
1)先週15日、米国フロリダ州のリングにあのマイク タイソン(米)が公式試合に出場。ユーチューバーとして知られるジャック ポール(米)とヘビー級8回戦で対戦しましたが、良いところなく判定負けを喫しています。
(ポールの何でもないパンチでもグラついてしまったタイソン)/ Photo: PBS
2)収入や視聴者数など、興行としては大成功だったそうです。しかしあと数年で60歳に届き、約20年ぶりの試合となった元世界王者と、27歳のエンターテイナーの1ラウンド2分という試合を公式試合として認めるとは。
(試合前の記者会見で、タイソンの平手打ちが炸裂!)/ Photo: Sky News
3)タイソンは勿論の事、ポールの知名度もあり、普段ボクシングに興味のない人たちにも関心を与えた今回の試合。ボクシング界を盛り上げるため、こういう興行もアリだとは思います。しかしせめてエキシビションマッチとして行われるべきでしょう。
4)タイソンほどではないにしろ、過去の存在になりつつあるディオンティー ワイルダー(米)。タイソン フュリー(英)に地獄の入り口を見せたフランシス ガヌー(カメルーン/仏)との対戦を希望しています。
5)WBAヘビー級レギュラー王者マヌエル チャー(独)とクブラト プーレフ(ブルガリア)の一戦は、現在のところ来月7月に予定通りに行われるようです。
6)同胞の先輩アンソニー ジョシュア(英)に快勝し、その評価を大いに高めたダニエル デュボア(英)。次戦の対戦者候補に、WBO暫定王者ジョセフ パーカー(ニュージーランド)や、張 志磊(中国)の名前が挙がっています。