DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(大激動の1994年を振り返る)

2024年12月31日 05時02分09秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1994年を振り返ってみましょう。

(1994年の主人公となるべき男はいまだに檻の中)/ Photo: Blenmark Industires

1月:「メキシコの生きた伝説」フリオ セサール チャベスが91戦目にして初めてのダウンを奪われると同時に、初黒星を喫する。ドン キング氏が3大世界戦を決行。

2月:前年の年間最高試合に選ばれたウンベルト ゴンザレス(メキシコ)とマイケル カルバハル(米)が11ヵ月ぶりに対戦。今回はゴンザレスに軍配が上がる。

3月:1992年バルセロナ五輪に出場し、米国勢として唯一の金メダリストとなったオスカー デラホーヤ(米)が、マイナー団体WBOの世界王座を奪取。ウィルフレド バスケス(プエルトリコ)が来日し、日本のホープ葛西 祐一(帝拳)を瞬殺。オルズベック ナザロフ(協栄/キルギスタン)が、再び南アフリカの地でディンガン トベラ(南ア)に圧勝。

(勢いよく階段は登り始めたデラホーヤ)/ Photo: ebay

4月:マイケル モーラー(米)がイベンダー ホリフィールド(米)を破り、世界ヘビー級王座を獲得。同時に史上初のサウスポー(左構え)の世界ヘビー級王者の名誉称号を勝ち取る。

5月:チャベスが1月に苦杯を喫しているフランキー ランドール(米)に雪辱。ドン キング氏が5つの世界戦を同時開催。日本が誇るテクニシャン川島 郭志(ヨネクラ)がWBCジュニアバンタム級王座を奪取。

7月:デラ ホーヤがジュニアフェザー級にWBOライト級王座を獲得。マイナー団体ながらも早くも世界2階級制覇に成功。

9月:WBCヘビー級王者レノックス ルイス(英)がワンパンチでヘビー級王座からまさかの転落。ドン キング氏が何と、6つもの世界戦を同時に開催。

10月:IBFバンタム級王者オーランド カニザレス(米)が世界バンタム級の連続防衛新記録を樹立。

11月:ジョージ フォアマン(米)がモーラーを破り、45歳10ヶ月で世界ヘビー級王座に返り咲き。スーパーマンことロイ ジョーンズ(米)が超実力者ジェームス トニー(米)を予想外の大差判定勝利で破り2階級制覇達成。ドン キング氏がメキシコで5大世界戦を同時開催。

(45歳と10ヶ月で世界ヘビー級王座に返り咲いたフォアマン)/ Photo: Sports Illustrated

12月:薬師寺 保栄(松田)と辰吉 丈一郎(大阪帝拳)が大激戦を演じ、WBCバンタム級王座を統一に成功。ドン キング氏が前月に続いてメキシコで5大世界戦を決行。

上記に挙げた試合は、激動の1994年のごく一部に過ぎません。

(激動の1994年の締めくくったのは当然チャベス)/ Photo: JO Sports Inc

この年に活躍が顕著だった選手を挙げてみましょう。

最軽量級の帝王リカルド ロペス(メキシコ)が4度の防衛(内3KO/TKO)に成功。オーランド カニザレス(米)がバンタム級の最多防衛記録を更新。カニザレスの対抗王者薬師寺 保栄(松田)も辰吉 丈一郎(大阪帝拳)を破るなど、世界戦3連勝(2KO)を飾っています。

日本人選手の天敵となったウィルフレド バスケス(プエルトリコ)が3勝(2KO)とその強打で猛威を振いました。

バルセロナ五輪金メダリストのオスカー デラホーヤ(米)が、マイナー団体ながらもWBOで世界2階級制覇に成功。この年にはWBO戦5試合に出場し、すべての試合を規定ラウンド内(KO/TKO)で終わらせています。

プエルトリコの新たな天才児フェリックス トリニダードが、実力者ヘクター カマチョ(プエルトリコ)、ヨリボーイ カンパス(メキシコ)、オバ カー(米)に勝利。IBFウェルター級王座の防衛回数を順調に伸ばしました。

ロイ ジョーンズ(米)が当時の最強選手の一人と言われていたジェームス トニー(米)に大勝し、その実力を大いにアピール。 ジョージ フォアマン(米)が46歳直前にも関わらず、何と20年ぶりに世界ヘビー級王者に返り咲いてしまいました。

しかしこれらの選手を抑え、私(Corleone)が1994年の年間最優秀選手(MVP)に選ぶのは、チャベスに初黒星をつけたフランキー ランドール(米)となります。チャベスとの再戦には敗れたものの、その一戦の内容は五分五分。その後実力者ファン マルチン コッジ(亜)を破り、WBCに続いてWBA王座も獲得しています。

(私が1994年の年間最優秀選手に選んだランドール)/ Photo: PhilBoxing.com

1994年の前後となる1993年から1995年の世界ボクシング界は、帝王チャベスの時代が終わり、次の時代の牽引車となったデラホーヤやロイ ジョーンズ、そしてマルコ アントニオ バレラ(メキシコ)たちが急速に台頭してきた時期でもあり、とても活気があった時代でした。そんな中、いくつもの複数の世界戦を同時開催し続けたドン キング(米)というのは選手たち以上に「怪物」だったと言って過言ではないでしょう。

(どのボクサーよりも存在感を上回ったドン キング氏)/ Photo: Bleacher Report

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明日の世界戦は中止に(雑談:12‐30‐24)

2024年12月30日 17時22分41秒 | ボクシングネタ、その他雑談

明日大晦日、東京都大田区総合体育館で予定されていた試合です。
WBAスーパーフライ級戦:
王者フェルナンド マルティネス(亜)対 挑戦者井岡 一翔(志成)

*来日後、インフルエンザに感染してしまったマルティネス。感染症相手に必死に好戦するも力及ばず。明日に控えていた一翔との再戦は中止となってしまいました。

早期の両者による再戦発表に期待しましょう。

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ボディー一発!西田がKO防衛(IBFバンタム級)

2024年12月30日 05時44分27秒 | 世界ボクシング

今月15日、大阪市住吉区スポーツセンターで行われた試合結果です。
IBFバンタム級戦:
王者西田 凌佑(六島)KO7回1分37秒 挑戦者アンチャイ ドンスア(タイ)

*2019年10月に初回TKO勝利を収め、幸先の良いプロデビューを飾った西田。その後コロナ禍の影響もあり、ゆったりとしたスピードでキャリアを積んできました。2021年4月には、敵地に乗り込みWBOアジア太平洋王座を獲得し、防衛を重ねながら世界を虎視眈々と狙っていた西田。今年5月に強豪エマニュエル ロドリゲス(プエルトリコ)との激戦を制し、見事に世界のベルトを獲得しています。

16戦全勝(7KO)のアンチャイを迎えて行われたこの一戦。西田は新王者とは思えない落ち着いたボクシングを展開し、試合を進めていきました。サウスポー(左構え)からの右ジャブとそれに続く左で試合をコントロールしていった西田。最後は7回、左をボディーに持っていきタイ人をキャンバスに送ります。結局カウント内に立ち上がる事が出来なったアンチャイはそのまま敗者に。西田が見事な一発で初防衛に成功しました。

デビュー戦以来のKO/TKO勝利を飾った西田は、戦績を10戦全勝(2KO)に伸ばしています。

バンタム級の、2024年12月30日現在の、バンタム級のタイトル保持者たちは下記のようになります。

WBA:堤 聖也(角海老宝石/防衛回数0)
WBA(暫定):アントニオ バルガス(米/0)
WBC:中谷 潤人(MT/2)
IBF:西田 凌佑(六島/1)
WBO:武居 由樹(大橋/1)
OPBF(東洋太平洋):栗原 慶太(一力/0)
WBOアジア太平洋:那須川 天心(帝拳/0)
日本:増田 陸(帝拳/1)

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驚異の41歳、マイナー団体ながらも世界王座獲得(IBOミニマム級:王座決定戦)

2024年12月29日 05時26分00秒 | 世界ボクシング

今月18日、比国で行われた試合結果です。
IBOミニマム級戦(王座決定戦):
元世界王者高山 勝成(石田)判定3対0(120-108、119-109、118-110)カー ル(豪)

*2000年10月にプロデビューを果たして以来、WBCタイトルを皮切りに、最軽量級の日本国内、WBA暫定、IBFとWBOをそれぞれ2度獲得してきたミニマム級のレジェンド高山。WBOライトフライ級王座への挑戦や、アマチュアに転向して東京五輪への出場を目指すなど、驚くほどに身の濃いボクシングキャリアを積んできました。

その後プロに戻ってきた高山でしたが、昨年9月以来戦から遠ざかっていました。1年3ヵ月ぶりの試合出場となった高山は、2012年10月以来の比国のリングに登場。これまでに6回戦以上の出場がないベトナム系豪州人ルに大勝。マイナー団体IBOタイトル獲得に成功すると同時に、2016年8月以来の最軽量級での試合を無事に終えています。

超がつくほどの格下選手が相手だったとはいえ、依然と同じく機動性と手数が健在ということをアピールした41歳の高山。次の試合では、もう少々レベルの高い選手との対戦が望まれます。

下記は高山が再降格してきた最軽量級の、2024年12月29日現在の王者たちとなります。

WBA:オスカル コラーゾ(プエルトリコ/防衛回数0)
WBC:メルビン ジェルサレム(比/1)
IBF:ペドロ タドゥラン(比/0)
WBO:オスカル コラーゾ(プエルトリコ/4)
OPBF(東洋太平洋):石井 武志(大橋/0)
WBOアジア太平洋:小林 豪己(真正/1)
日本:松本 流星(帝拳/0)

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今週末の試合予定

2024年12月28日 05時24分58秒 | 世界ボクシング

2024年12月、そして今年の最終週末の主な試合予定です(2024年12月28日から2025年1月3日まで)。

31日 火曜日
東京都大田区総合体育館
WBAスーパーフライ級戦:
王者フェルナンド マルティネス(亜)対 挑戦者井岡 一翔(志成)

*一翔にとり今回が何と13度目の大晦日での試合となります。今回は7月に苦杯を喫したマルティネスとの再戦になります。この再戦では、どのような試合と結果を残してくれるのでしょうか。

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アフマダリエフ、力強く勝利(WBAスーパーバンタム級:暫定王座決定戦)

2024年12月27日 05時36分16秒 | 世界ボクシング

今月14日、モナコで行われた試合結果です。
WBAスーパーバンタム級戦(暫定王座決定戦):
ムロジョン アフマダリエフ(ウズベキスタン)対 リカルド フランコ(メキシコ)

*4団体統一王者井上 尚弥(大橋)が定期的に防衛戦を行っているにも関わらず、第2の王座設置に踏み切つた腐敗団体。昨年4月まで2冠王だったアフマダリエフが、力強いボクシングでフランコを粉砕。暫定ながらも世界王座に返り咲きました。

常に仕掛けたのはフランコ。しかしアフマダリエフはまったく慌てることなくそれに対処していきました。2回にサウスポー(左構え)からの槍のような力強く的確なジャブを放ちだしたウズベキスタン人。3回にきれいなワン・ツーを決めダウンを奪うと、そのまま2度のダウンを追加。安定した強さを見せつけ、井上との対戦を大いにアピールしています。このアフマダリエフは、数少ない井上に対抗できる選手と言っていいでしょう。

一応、井上の対抗馬が世界王座に誕生したスーパーバンタム級。下記は2024年12月27日現在の、同級の王者たちとなります。

WBA:井上 尚弥(大橋/防衛回数2)
WBA(暫定):ムロジョン アフマダリエフ(ウズベキスタン/0)
WBC:井上 尚弥(大橋/3)
IBF:井上 尚弥(大橋/3)
WBO:井上 尚弥(大橋/3)
OPBF(東洋太平洋):中嶋 一輝(大橋/2)
WBOアジア太平洋:村田 昴(帝拳/0)
日本:下町 俊貴(グリーンツダ/3)

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堤の対抗王者?が誕生(WBAバンタム級:暫定王座決定戦)

2024年12月26日 05時49分36秒 | 世界ボクシング

今月13日、米国フロリダ州で行われた試合結果です。
WBAバンタム級戦(暫定王座決定戦):
アントニオ バルガス(米)TKO10回2分10秒 ウィルソン ゲレロ(ニカラグア)

*2021年8月25日に、すべての暫定王座を一斉に排除した腐敗老舗団体。その後定期的に、「各階級一王者体制を実現する」と公言してきました。しかしここにきて再び、暫定王座戦を定期的に認めるようになってきました。

日本国内で定期的に行われているバンタム級戦。10月には王者と指名挑戦者による試合も行われています。にも関わらず、今回その格下王座決定戦を決行。ダウン応酬の末バルガスが堤 聖也と同デザインのベルトを獲得しています。

信用の欠片もない現在のWBA。下記は新WBA暫定王者が誕生したバンタム級の、2024年12月13日時点での王者たちとなります。

WBA:堤 聖也(角海老宝石/防衛回数0)
WBA(暫定):アントニオ バルガス(米/0)
WBC:中谷 潤人(MT/2)
IBF:西田 凌佑(六島/0)
WBO:武居 由樹(大橋/1)
OPBF(東洋太平洋):栗原 慶太(一力/0)
WBOアジア太平洋:那須川 天心(帝拳/0)
日本:増田 陸(帝拳/1)

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あの試合から30年(WBAミドル級:1994年12月10日・その5)

2024年12月25日 05時53分44秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前と半月前となる1994年12月10日、メキシコで行われた試合結果です。
WBAミドル級戦:
王者ホルヘ カストロ(亜
)KO9回2分43秒 挑戦者ジョン デビット ジャクソン(米)

*WBOスーパーウェルター級の初代王者で、一時はカストロが保持しているWBAタイトル保持者でもあったジャクソン。その王座はWBAから剥奪されてしまいましたが、再び王座獲得の機会が訪れました。この試合が始まる前時点でも、無冠ながらも33戦全勝(19KO)という戦績を誇っています。

ジャクソンが挑んだカストロは、驚異的というよりお化けみたいな戦績を誇るタフガイ。1987年2月にプロデビューを果たすと、毎月のように試合を行い、この試合が行われる前の戦績が何と95勝(56KO)4敗2引き分け。プロ8年のキャリアで101回も実戦をこなしてきました。

3年前となる1991年師走に、華の都フランスのパリで当時のWBCスーパーウェルター級王者テリー ノリス(米)に挑戦するも、そのスピードのついていけず大差の判定負けを喫したカストロ。翌1992年6月には米国フロリダ州のリングでロイ ジョーンズ(米)にも一方的な判定負け。しかしそのタフネスぶりを如何なく発揮し、スーパースターに初の最終回終了のゴングを聞かせる事に成功しています。

超人カストロはこの年の8月にジャクソンが剥奪されたWBA王座を、そのジャクソンに敗れ王座から転落したレジー ジョンソン(米)と争い僅差の判定勝利。11月には初防衛にも成功しています。その初防衛戦から今回のジャクソン戦までのインターバルは僅かに1ヶ月と5日。しかもジャクソンとの防衛戦は1994年の11試合目となりました。

ジョンソンを挟んで両者を比較すると、若干ジャクソンの有利が予想された一戦。タフマンカストロは初回終了間際に、右パンチでジャクソンをぐらつかせ好スタートを切りました。しかしその後は「これでもか」といわんばかりのジャクソンのワンサイドマッチが進行していきます。タフなカストロが容易にあきらめる事はありませんが、サウスポー(左構え)のジャクソンのパンチがアルゼンチン人に面白いように当たっていきます。

(ジャクソン(背中)はカストロに次々にパンチを浴びせていきます)/ Photo: Facebook

動くサンドバックと化したカストロの顔面は腫れあがり、ストップの早いレフィリーなら試合を止めていたことでしょう。迎えた9回、カストロに絶体絶命の大ピンチが訪れます。ジャクソンの攻勢の前にロープに追い込まれたカストロ。しかしそこで起死回生の左フックで大逆転のダウンを奪ってしまいます。その後立て続けに2度のダウンを追加して試合終了。大逆転劇を演じると同時に、辛くも王座の防衛に成功しています。

(顔面が腫れあがったカストロ)/ Photo: Clarin.com

8回終了時までの採点も、大差で(3対0:80-71、80-73、79-74)ジャクソンがリード。試合後、プロモーターのドン キング氏は「まるでハリウッド映画のようだ」と雄叫びを上げていました。

(カストロの大逆転の一撃が炸裂)/ Photo: Facebook

この試合からちょうど一年後となる1995年12月15日、カストロは後楽園ホールにその雄姿を見せる事になります。

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あの試合から30年(スーパーライト級x2:1994年12月10日・その4)

2024年12月24日 05時38分12秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前と2週間前となる1994年12月10日、メキシコで行われた試合結果です。
WBCスーパーライト級戦:
王者フリオ セサール チャベス(メキシコ
)TKO10回1分41秒 挑戦者トニー ロペス(米)

*大激変だった1994年の世界ボクシング。この年の師走にメキシコで5大世界戦が行われ、その締めをくくったのが当然の如く同国が誇るボクシング界の英雄チャベスでした。

(激動の1994年の締めくくったのは当然チャベス)/ Photo: JO Sports Inc

この日チャベスが迎えたのは、元IBFスーパーフェザー級、WBAライト級の古豪「タイガー(虎)」の異名を持つロペス。その全盛期はチャベスのそれと重なっています。

(2階級を制覇したロペス(左)を迎えたチャベス)/ Photo: Youtube

激戦王と知られるロペスは45勝(32KO)4敗1引き分けの戦績を引っさげて、果敢にチャベスに挑みます。しかしピークがとうに過ぎたとはいえそこはチャベス。重圧な攻撃と、確かな防御でロペスをまったく寄せ付けずに快勝。5月に返り咲いた王座の2度目の防衛に成功すると同時に、戦績を93勝(80KO)1敗1引き分けにしています。

この年の1月末に初黒星を喫したチャベス。当時は衰えが顕著だと指摘されていました。しかし結局は1994年の年間戦績は世界戦3勝(2KO)1敗。ただただ凄いの一言ですね。

(重圧な攻撃でロペスを圧倒するチャベス)/ Photo: Youtube

 

WBAジュニアウェルター級戦(WBCで言うスーパーライト級):
王者フランキー ランドール(米)TKO7回1分43秒 挑戦者ロドニー ムーア(米)

*チャベスから初のダウンを奪い、初黒星を擦り付けたランドール。この年にとんでもない大躍進を遂げました。9月にWBAに鞍替えをしたランドール。その初防衛戦で2度目の世界挑戦となるムーアを迎えました。ランドールは、そんな世界常連ランカーを終始翻弄し中盤でTKO勝利。WBC王者時代に成せなかった初防衛に成功しています。

この年、チャベスとランドールは共に4試合出場しており、その4試合すべてを同じ興行で行っています。まずは1月29日に顔を合わせた両雄。その時はランドールがメキシコの生きる伝説からダウンを奪うなどして僅差の判定勝利。チャベスに初黒星を与えると同時にWBC王座を獲得しました。

5月7日に再び拳を交えたチャベスとランドール。その時はやや消化不良の形となってしまいましたが、チャベスが僅差の負傷判定勝利を収め、雪辱を果たしています。

9月17日に、それぞれ違った対戦相手と3試合目を行ったチャベスとランドール。チャベスは宿敵メルドリック テーラー(米)を退け防衛に成功。ランドールは南米の雄ファン マルチン コッジ(亜)を3度倒し大差の判定勝利を収めWBA王座を獲得しました。そして師走に、それぞれの保持する王座の防衛に成功。

 

この興行が終わった時点(1994年12月10日)でのスーパーライト級/ジュニアウェルター級の世界王者たちの顔触れは下記のようになります。

WBA:フランキー ランドール(米/防衛回数1)
WBC:フリオ セサール チャベス(メキシコ/2)
IBF
:ジェイク ロドリゲス(米/2)
WBO:ザック パディーリャ(米/4)

*ランドールとチャベスと比べると、どうしてもロドリゲスとパディーリャは数段レベルが落ちてしまいますね。

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ウシク、フューリーを返り討ち(3団体ヘビー級)

2024年12月23日 05時49分53秒 | 世界ボクシング

現地時間の一昨日(21日・土曜日)、サウジアラビアで行われた試合結果です。
3団体ヘビー級戦:
王者オレクサンデル ウシク(ウクライナ)判定3対0(116-112x3)挑戦者タイソン フューリー(英)

*7ヵ月前に同じ会場で対戦している両雄。その時は、小柄ながらも技術で大きく勝るウシクがフューリーに競り勝ち、主要4団体の王座統一に成功しています。その後、IBFの指名挑戦者よりフューリーとの再戦を望んだウシク。戦わずしてIBFタイトルを失っています。

一つの世界王座が欠けたとはいえ、この試合がヘビー級最強戦士決定戦である事は誰しもが認める事。そんな中で行された今回の再戦は、前回の一戦と同じく非常に競った試合になりました。

5月に行われた第一戦以上に両者の体重差が開いたこの戦い。驚くなかれフューリーは、25キロ近く(55ポンド)もウシクより重い体重で試合に臨んでいます。

互いに有効打を当てる熾烈なペース、そしてポイント争いが続いた前半戦。ウシクは中盤以降、重い動きのフューリーを一気に離しにかかりました。技術と機動性で勝ったウシクは、有効打でもライバルを上回り試合終了のゴングを聞くことに。5月の一戦では2対1(115-112、114-113、113-114)の判定で辛くも勝利を収めたウシクでしたが、今回は3人のジャッジすべてから支持を得る事に成功。現在最難関と思われる選手を退けると同時に、保持する王座の防衛記録を伸ばすことに成功しています。

試合後、現在のIBFタイトル保持者で、2023年8月にすでにKOで退けているダニエル デュボア(英)からの再戦のオファーを受けたウシク。まずは休養に入る事を宣言。デュボアとの再戦に乗り気であるようですが、クルーザーへの再降格も視野に入れているようです。

ウシクが頂点を極める現在の最重量級。2024年12月23日現在の同級の王者たちは下記のようになります。

WBA(スーパー):オレクサンデル ウシク(ウクライナ/防衛回数4)
WBA(レギュラー):クブラト プーレフ(ブルガリア/0)
WBC:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/1)
IBF:ダニエル デュボア(英/1)
WBO:オレクサンデル ウシク(ウクライナ/4)
WBO(暫定):ジョセフ パーカー(ニュージーランド/0)
OPBF(東洋太平洋):ジャスティン フニ(豪/1)
WBOアジア太平洋:ウラジスラフ シレンコ(ウクライナ/0)
日本:但馬 ブランドン ミツロ(KWorld3/1)

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