DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

寿以輝、見事な一発に沈む(OPBFスーパーバンタム級)

2024年12月22日 05時45分51秒 | 強いぞジョーさん

今月12日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
OPBF(東洋太平洋)スーパーバンタム級戦:
王者中嶋 一輝(大橋)TKO2回2分13秒 挑戦者辰吉 寿以輝(大阪帝拳)

*来年の4月でプロ10年目となる寿以輝。コロナの影響もあり、3年近くものブランクもありました。しかし18戦目にしてようやくタイトル初挑戦の機会を得ました。

寿以輝が挑戦した中嶋は、数字的には寿以輝と似通った経験の持ち主です。しかし2017年6月にデビューして以来、現WBAバンタム級王者堤 聖也(角海老宝石)と引き分けたり、OPBFバンタム級、WBOアジア太平洋スーパーバンタム級王座を獲得するなど、中身の濃いキャリアを積んできました。そんな中、19戦の内16の勝利を収め、13もの試合を規定ラウンド内(KO/TKO)で終わらせてきた強打者です。格下選手たちとの試合を重ねてきた寿以輝とは、比較にならない経験を積んできたと言っていいでしょう。

試合は両者の実力差を表すように、あっさりと終わってしまいました。初のタイトル戦に加え、超満員の後楽園ホールに緊張してしまったのか、寿以輝は試合前からガチガチの状態。そんな中で中嶋のサウスポー(左構え)からの左をまともに受け続けた寿以輝。2回中盤に何もしないまま見事なワンパンチでKOされてしまいました。

辰吉家のDNAとでもいうのでしょうか、実父丈一郎同様対サウスポー対策が全く出来ていないまま完敗を喫した寿以輝。戦績を16勝(10KO)1敗(1KO)1引き分けとしています。このまま現役を続けるのか、あるいは退くのか。人生の大きな分かれ目に直面しています。

この試合が終わった時点(2024年12月12日)時点での、スーパーバンタム級の王者たちは下記のようになります。

WBA:井上 尚弥(大橋/防衛回数2)
WBC:井上 尚弥(大橋/3)
IBF:井上 尚弥(大橋/3)
WBO:井上 尚弥(大橋/3)
OPBF(東洋太平洋):中嶋 一輝(大橋/2)
WBOアジア太平洋:村田 昴(帝拳/0)
日本:下町 俊貴(グリーンツダ/3)

 

日本ウェルター級戦:
王者セムジュ デビット(ウガンダ/中日)判定3対0(98-92x2、97-93)挑戦者小畑 武尊(ダッシュ東保)

*東京五輪に出場し、今年の3月から主戦場を日本の移しているセムジュ。後半に息切れする場面もありましたが、試合全般を通し元暫定王者小畑を圧倒。8月に獲得した王座の初防衛戦に成功しています。 

下記は2024年12月22日現在の、ウェルター級の王者たちとなります。

WBA:エイマンタス スタニオニス(リトアニア/防衛回数1)
WBC:マリオ バリオス(米/2)
IBF:ジャロン エニス(米/3)
WBO:ブライアン ノーマン(米/0)
OPBF(東洋太平洋):佐々木 尽(八王子中屋/1)
WBOアジア太平洋:佐々木 尽(八王子中屋/4)
日本:セムジュ デビット(ウガンダ/中日/1)

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試合予定、いろいろ(色々:12‐22‐24)

2024年12月22日 05時16分11秒 | 世界ボクシング

最近(2024年12月22日ごろ)のニュースです。

1)元IBFスーパーバンタム級王者TJ ドヘニー(豪)が3月15日、大英帝国に乗り込みWBAフェザー級王者ニック ボール(英)に挑みます。ドヘニーは今年の9月に井上 尚弥(大橋)の持つ統一スーパーバンタム級王座に挑戦しましたばかり。再起戦で2階級制覇への挑戦が決まるなど、大幸運と言っていいでしょう。

2)これまでにIBFスーパーフェザー級、WBOライト級を獲得するも、世界の超一線級相手に敗戦を繰り返してきたホセ ペドラザ(プエルトリコ)。来月25日、16戦全勝(15KO)のエルネスト メルカド(米)と対戦する事が決まりました。新鋭に勝利を収め、再浮上か、それとも踏み台になるのか。注目です。

3)現在スーパーライト級を主戦場としているペドラザ。2月15日、同級でアーノルド バルボサ(米)とジャック カテロール(英)による注目の一戦が行われます。

4)OPBF(東洋太平洋)とWBOアジア太平洋の2つのスーパーライト級のベルトを保持している永田 大士(三迫)が2月11日、後楽園ホールのリングで星 大翔(Dangan)を迎え防衛戦を行います。

5)同じ興行には、WBOアジア太平洋スーパーフライ級王者川浦 龍生(三迫)も登場。田井 宜広(RST)を相手に保持する王座の初防衛戦を行います。

6)上記の興行から一ヶ月の3月11日、同じ会場でOPBFミニマム級王者石井 武志(大橋)が、伊佐 春輔(川崎新田)を相手に初防衛戦を行います。

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今週末の試合予定

2024年12月21日 05時15分13秒 | 世界ボクシング

2024年12月第三週末の主な試合予定です(2024年12月21日から27日まで)。

21日 土曜日
ツインメッセ静岡
IBFスーパーフライ級戦(王座決定戦):
ウィルバルド ガルシア(メキシコ)対 レネ カリスト ビビアノ(メキシコ)

ヘビー級戦(8回戦):
日本ヘビー級王者但馬 ミツロ(亀田)対 ロスメン ブリトー(ベネズエラ)

サウジアラビア
3団体ヘビー級戦:
王者オレクサンデル ウシク(ウクライナ)対 挑戦者タイソン フューリー(英)

 

26日 木曜日
タイ
WBCライトフライ級戦(王座決定戦):
カルロス カニザレス(ベネズエラ)対 パヤン プラダブスリ(タイ)

 

*本来ならこの期間には、井上 尚弥(大橋)と武居 由樹(大橋)がそれぞれの世界タイトルの防衛戦を行う予定でした。それらの試合を含めた大興行は、来月24日に延期となっています。

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南太平洋対決が実現、などなど(色々:12‐20‐24)

2024年12月20日 05時46分58秒 | 世界ボクシング

最近(2024年12月20日ごろ)のニュースです。

1)新年早々の1月8日に指名挑戦者フセイン シンカラ(独)との防衛戦を予定していたIBFクルーザー級王者ジェイ オペタイア(豪)。シンカラが足を骨折したため、この試合は中止となっています。

代わってオペタイアは、ニュージーランド出身のデビット ニイカを迎え防衛戦を行うことになりました。東京五輪の銅メダリストでもあるニイカは10戦全勝(9KO)の戦績の持ち主。新年早々、オーストラリア対ニュージーランドという南太平洋対決が実現する事になりました。

2)2012年に行われたロンドン五輪の銀メダリストで、現在WBOライト級王座に就いているデニス ベリンチク(ウクライナ)が来年のバレンタインに初防衛戦を行います。ウクライナ人が迎えるのは、2021年東京五輪の銀メダリストであるキーション デービス(米)。金メダリスト対決というのは聞いたことがありますが、銀メダリスト対決というのは中々珍しいですね。

3)WBCスーパーライト級王者アルベルト プエジョ(ドミニカ)が3月1日、指名挑戦者サンドル マーティン(伊)を迎え初防衛戦を行います。

4)同じ興行にはプエジョの対抗王者ホセ バレンズエラ(米)も登場。ゲイリー アントゥアン ラッセル(米)を相手に、保持するWBAタイトルの防衛戦を行います。

5)さらに同じ興行にはWBAウェルター級王者エイマンタス スタニオニス(リトアニア)と指名挑戦者シャハラム ギヤソフ(ウズベキスタン)による一戦も組み込まれています。

6)またしても増加し始めたWBAの暫定王座。3月8日にヤンキエル リベラ フィゲロア(プエルトリコ)とアンジェリーノ コルドバ(ベネズエラ)によるユーリ阿久井 政悟(倉敷守安)の格下王座決定戦が行われるようです。

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ヒッチキンスが新王者に(IBFスーパーライト級)

2024年12月19日 05時21分05秒 | 世界ボクシング

今月7日、プエルトリコで行われた試合結果です。
IBFスーパーライト級戦:
挑戦者リチャードソン ヒッチキンス(米)判定2対1(116-112x2、111-117)王者リアム パロ(豪)

*IBF北米(USBAとは別のタイトル)を獲得後、IBFの指名挑戦者決定戦に勝利するなどして、一段ずつ世界に近づいてきたヒッチキンス。半年前に、同地で世界王座を奪取している南半球の強豪パロに挑戦する事になりました。

サウスポー(左構え)のパロが攻め、大柄な挑戦者が迎え撃つという構成が続いたこの一戦。手数では劣るものの、左ジャブとそれに伴う右のクリーンヒットを重ねていったヒッチキンスが判定勝利。一人のジャッジは豪州人の勝利を支持していましたが、ヒッチキンスが優位に試合を進めていたのは誰の目にも明らか。

チャレンジャースピリットに欠ける戦いではありましたが、ヒッチキンスが新たな王者になると同時に、全勝記録を19(7KO)に伸ばしています。

世界王座に変動があったスーパーライト級。下記は2024年12月19日現在の、同級の王者たちとなります。

WBA:ホセ バレンスエラ(米/防衛回数0)
WBC:デビン ヘイニー(米/0)
WBC(暫定):アルベルト プエジョ(ドミニカ/0)
IBF:リチャードソン ヒッチキンス(米/0)
WBO:テオフィモ ロペス(米/2)
OPBF(東洋太平洋):永田 大士(三迫/1)
WBOアジア太平洋:永田 大士(三迫/1)
日本:李 健太(帝拳/1)

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あの試合から30年(WBOクルーザー級:1994年12月17日・その2)

2024年12月18日 05時15分29秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の昨日となる1994年12月17日、ドイツで行われた試合結果です。
WBOクルーザー級戦:
挑戦者/WBOライトヘビー級王者ダリウス ミハエルゾウスキー(ポーランド)KO10回1分25秒 王者ネストール ジョバンニー二(亜)

1990年代半ばのドイツ・ボクシング界は、今の大英帝国の大繁栄を彷彿させるような大きな盛り上がりを見せていました。特に外国籍の選手の活躍が顕著で、そのためドイツ国内には生粋のドイツ人用の国内タイトルと、ドイツ国内で活躍する外国籍向けの国内タイトルが存在していました。そんな外国籍の代表の一人がこのミハイルゾウスキーとなります。

ミハエルゾウスキーはこの年の9月に、WBOライトヘビー級王座を獲得したばかり。今回は一階級上のクルーザー級王座に挑戦する事になりました。当時のクルーザー級は190ポンド/86.18を上限としていました。しかしこの試合は、ライトヘビー級の上限を僅か5ポンド/2.27キロを超える180ポンド/81.66キロの契約で行われています。いくら地元ミハエルゾウスキーを勝たせたいとはいえ、ここまでくると度が過ぎていますね。

僅か3ヶ月前にライトヘビー級王座を獲得したばかりのミハエルゾウスキーの新たなターゲットとなったのは、一言でいえば実力は3流のジョバン二ー二。第4の世界王座が限界の選手だったと言っていいでしょう。そんな王者を相手に、一階級下の世界王者は序盤から試合を優位に進めていくことになりました。

(ミハエルゾウスキーの標的となったジョバン二ー二)/ Photo: Sport & Note

ストレートのような左ジャブと固いガードを主武器に、相手に襲いかかるミハエルゾウスキー。そのボクシングは良く言えば安定しており、逆を言えばワンパターン。しかしそのスタイルで世界の頂点まで駆け上がってきました。単調なボクシングのジョバン二ー二は、そんなミハエルゾウスキーにとり格好の相手となりました。

(回を追う毎に追い詰められていったジョバン二ー二)/ Photo: Youtube

回を追う毎に追い詰められていったアルゼンチン人。9回にはミハエルゾウスキーの見事な右でダウンを喫してしまいます。その回は何とか生き延びる事が出来たジョバン二ー二でしたが、続く10回には左のショートパンチを食らい完全にKOされてしまいました。

異国人ながらも、大歓声を背に見事なボクシングを見せ、僅か3ヶ月の間に2階級の世界王座を獲得したミハエルゾウスキー。この試合後は、本来のライトヘビー級に戻り長期政権を築いていくことになります。

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あの試合から30年(IBFミドル級:1994年12月17日・その1)

2024年12月17日 05時31分29秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前となる1994年12月17日、エクアドルで行われた試合結果です。
IBFミドル級戦(王座決定戦):
バーナード ホプキンス(米)引き分け(1対1:114-111、113-113、114-116)セグンド メルカド(エクアドル)

*この試合が行われる19ヵ月前となる1993年5月に、当時空位だったIBFミドル級王座をロイ ジョーンズ(米)と争ったホプキンス。僅差の判定で敗れはしたものの、将来のスーパースター候補生を大いに苦しめ評価を上げています。ジョーンズ戦後は、以前から保持していた全米(USBA)王座の防衛に専念しながら4連勝(3KO)と勢いをキープしていたホプキンスに、ようやく2度目の世界戦出場の機会が訪れました。

この日、南米エクアドルの首都キトで大きな興行が行われ、その一つとして組み込まれたIBFミドル級の王座決定戦。ホプキンスが対峙したのは、18勝(11KO)2敗と好戦績の持ち主であり、IBFインターコンチネンタル王者でもあるメルカド。その実力はジョーンズには及ばないものの、中々の選手です。

36分間に渡り、激しい攻防が繰り広げられた好試合。ホプキンスが攻め、それをメルカドが迎え撃つという展開が続いていきました。

(常に攻め手となったホプキンス)/ Photo: Youtube

その長大なキャリアの中盤以降には、巧みさで相手を翻弄するボクシングが多く見られたホプキンスですが、この時期はまだまだむきに攻め込む場面が多く見られました。自身のパンチは当たるのですが、相手のパンチを貰う場面もそれなりにあり、この試合では攻勢は取りながらも5回と7回にうまくパンチを合わされダウンを喫してしまいます。

(ホプキンス、メルカドに上手くパンチを合わされダウンを喫する)/ Photo: Mundi Diners

良く言えば荒々しく、逆を言うなら雑だった当時のホプキンス。試合全体を見ると、若干有利で試合を終えたように思われましたが、2度のダウンの影響もあり結果はドロー。またしても接戦の末世界のベルトまであと一歩届きませんでした。このあたりが「苦労人」と言われる所以でしょうね。

(メルカド(右)の反撃を許すホプキンス)/ Photo: Youtube

今回ホプキンスが参戦した興行は、ボクシング後進国としてはかなりの規模のものでした。IBFミドル級戦の他にもWBAスーパーミドル級王者フランク ライルス(米)が元王者マイケル ナン(米)を迎えた好カードも組み込まれていました。世界2階級制覇を達成したカリブの誇る強打のジュリアン ジャクソン(バージン諸島)や、同じく2階級制覇王サイモン ブラウン(米)、後のWBAヘビー級王者ブルース セルドン(米)、世界挑戦者のフランソワ ボタ(南ア)等も錚々たるメンバーが出場。アナウンサーはジミー レノン ジュニアが務めるなど、中々どころか、かなり豪華な興行でした。

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一ヶ月延期に(統一スーパーバンタム級ほか)

2024年12月17日 05時14分14秒 | 世界ボクシング

ちょうど一週間後となる12月24日、東京有明アリーナで予定されていた興行です。
4団体統一スーパーバンタム級戦:
王者井上 尚弥(大橋)対 挑戦者サム グッドマン(豪)

WBOバンタム級戦:
王者武居 由樹(大橋)対 挑戦者ユッタポン トンディ(タイ)

OPBF(東洋太平洋)/WBOアジア太平洋ウェルター級戦:
王者佐々木 尽(八王子中屋)対 挑戦者坂井 祥紀(横浜光)

WBOアジア太平洋ミニマムバンタム級戦:
王者小林 豪己(真正)対 挑戦者高田 勇仁(ライオンズ)

日本スーパーバンタム級戦:
王者下町 俊貴( グリーンツダ)対 挑戦者平野 岬(三松スポーツ)

*試合も残すところ半月と迫った師走の半ば、井上に挑戦する予定だったグッドマンがスパーリング中に負傷。そのため、世界スーパーバンタム級を含めたすべての試合が一ヶ月延期となってしまいました。

例年ですと、1月には日本国内で大きな興行がないだけに、この延期の影響でその空白が潤ったと考えればいいでしょう。。

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ナバレッテ、ライバルを返り討ち(WBOスーパーフェザー級ほか)

2024年12月16日 05時24分03秒 | 世界ボクシング

今月7日、米国アリゾナ州で行われた試合結果です。
WBOスーパーフェザー級戦(王座統一戦):
王者エマニュエル ナバレッテ(メキシコ)KO6回2分42秒 暫定王者オスカル バルデス(メキシコ)

*昨年2月にダウン応酬の打撃戦を制し、同王座を獲得したナバレッテ。その初防衛戦でバルデスと対戦し、判定で同胞を退けています。その後、現在は無冠となって前WBCタイトル保持者のロブソン コンセイサン(ブラジル)と引き分け。今年の5月には一階級上のライト級で4階級制覇を目指しましたが、体重の壁にぶち当たり目標達成はなりませんでした。

ナバレッテが短期間ではありましたが留守だった間、暫定王座を獲得したバルデス。今回は前回の雪辱を腫らすと同時に、「暫定」の二文字を取り除くため再度ナバレッテと対戦する事になりました。

打ち合い好きの両者の対戦は、予想通りに試合開始のゴングと同時に激しい打撃戦が展開されることに。その中で、大柄なナバレッテが得意の乱打戦に持ち込みライバルを圧倒していきます。

バルデスも世界2階級制覇を達成した実力者なだけに、そうは簡単に引き下がる事はありませんでした。しかし最後は見事なナバレッテの左ボディーが見事に炸裂しゲームセット。ナバレッテがWBOスーパーフェザー級の王座を一つにすると同時に、防衛回数を伸ばしました。

ようやく同級の体重に適合してきた感のあるナバレッテ。下記はナバレッテが活躍する、2024年12月16日現在のスーパーフェザー級の王者たちとなります。

WBA:レイモント ローチ(米/防衛回数1)
WBA(暫定):アルベルト バティルガジエフ(露/0)
WBC:オシャキー フォースター(米/0)
IBF:アンソニー カカーチェ(英/0)
WBO:エマヌエル ナバレッテ(メキシコ/3)
OPBF(東洋太平洋):波田 大和(帝拳/0)
WBOアジア太平洋:渡邊 海(ライオンズ/0)
日本:奈良井 翼(RK蒲田/1)

 

WBOフェザー級戦:
王者ラファエル エスピノサ(メキシコ)TKO6回12秒 挑戦者ロベイシー ラミレス(キューバ)

*ちょうど1年前、両者が共にダウンを喫するなど、試合内容も競った末にエスピノサが勝利を収め新王者となりました。今回の再戦も、前回と同様に接戦となりました。

試合はこれから、と言った矢先、突如としてキューバ人が降参。ラミレス曰く、エスピノサの反則打(肘打ち)と抗議しましたが、そんな事が通る筈がありません。2大会連続で夏季五輪の頂点に立ったラミレスは、あっけなく再び敗者となってしまいました。

185センチと、フェザー級としては超長身のエスピノサ。今後はどのような路線を歩んで行くのでしょうか。試合後ラミレスは、右眼窩骨底の両側骨折が判明したそうです。

群雄割拠の感がある現在のフェザー級。2024年12月16日現在の、同級の王者たちを確認しておきましょう。

WBA:ニック ボール(英/1)
WBC:レイ バルガス(メキシコ/1)
WBC(暫定):ブランドン フィゲロア(米/1)
IBF
:アンジェロ レオ(米/0)
WBO:ラファエル エスピノサ(メキシコ/2)
OPBF(東洋太平洋):中野 幹士(帝拳/0)
WBOアジア太平洋:藤田 健児(帝拳/1)
日本:松本 圭佑(大橋/4)

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あの試合から30年(WBAライト級:1994年12月10日・その3)

2024年12月15日 05時39分48秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の数日前となる1994年12月10日、米国メイン州で行われた試合結果です。
WBAライト級戦:
王者オルズベック ナザロフ(キルギスタン/協栄)KO2回2分50秒 挑戦者ジョーイ ガマチェ(米)

(旧ソ連圏出身のナザロフとアメリカ人ガマチェの対戦。「冷戦(the Cold War)」という言葉が頻繁に使われていた時代でした)/ Photo: ボクシング名勝負

この試合が行われた前年10月とこの年の3月に敵地南アフリカに乗り込み、強豪リティンガン トベラ(南ア)と2度にわたる死闘を繰り広げたナザロフ。その実力にさらに筋金を加えたナザロフは、2年前までナザロフが保持している王座のタイトル保持者だったガマチェにとり、手に負える相手ではありませんでした。

プロフィールでは168センチとされるガマチェですが、ナザロフと比べると一回り小柄に映りました。打ち合い好きで防御感に欠ける挑戦者はナザロフにとり格好の相手。王者は初回から地元ガマチェを圧倒していきます。

(リング中央で対峙するナザロフ(右)とガマチェ)/ Photo: KO Boxing Forum

2回、サウスポー(左構え)スタイルからの左ショートで先制のダウンを奪ったナザロフ。挑戦者に大きなダメージを負わせたナザロフは、連打で2度目のダウンを追加。最後はまたしても左を決めガマチェを完全にKO。敵地のど真ん中で快勝劇を演じると同時に、その名を世界に知らしめる事になりました。このガマチェとの試合後、ナザロフの国際的評価は盤石のものとなりました。

この試合と同じ時期に、ナザロフの対抗王者たちも試合を行っています。ナザロフがガマチェと対戦した同じ日に、WBO王者オスカー デラホーヤ(米)が米国西海岸でジョン アビラ(米)と対戦。マイナー団体IBOのタイトル保持者でもあったアビラを9回で退け2度目の防衛に成功しています。

13日にはWBC王者ミゲル アンヘル ゴンザレス(メキシコ/東京三太)が米国ニューメキシコ州のリングに登場。元IBFフェザー級王者カルビン グローブ(米)を一蹴し、防衛記録を7にしました。IBF王者ラファエル ルエラス(米)は、8日に同じくニューメキシコ州のアルバカーキで試合を行っています。無冠戦に登場したルエラスは、オマール パチェコ(メキシコ)を3回でKO。そのレコードに、順当に白星を加えています。

1994年師走の時点では、実績と実力でゴンザレスがトップ。それに若干遅れて続くのがナザロフ。その2人を追うのがデラホーヤで、ルエラスが4番手と言った所でしょう。ライバル王者たちの目には、ナザロフの北米のリングでのデビュー戦はどのように映ったのでしょうかね。

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