今月17日、ウクライナで行われた試合結果です。
WBAフライ級戦:
王者アルチュム ダラキアン(ウクライナ)TKO8回2分54秒 挑戦者ヨドモンコン CP フレッシュマート(タイ)
*本来なら指名挑戦者として、2017年内に日本のリングに立つ予定だったダラキアン。前王者が突然と現役を引退してしまったため、その雄姿を日本のファンに見せる機会を失ってしまいました。路線変更を余儀なくされたダラキアンは今年の2月、16戦目にして初めてウクライナ以外の地で試合に臨み、見事に勝利。当時空位だったWBAフライ級のベルトを獲得しています。
ダラキアンが初防衛戦に迎えたのが指名挑戦者で、以前、同暫定王座の座に就いた経験があるヨドモンコン。27歳ながらもすでに50戦以上のキャリアを誇るタイ人です。そんなアジアの強豪を相手に、ウクライナ人はその能力を如何なく発揮していきます。
ガードは低く、フットワークはドタバタとして落ち着きがありません。しかしパンチを含め動き全体にスピードがあり、加えてその動きは変則的。タイ人は対戦相手の動きを見ているのが精いっぱい。ダラキアンのパンチが届く距離はヨドモンコンより長いため、ダラキアン打ち放題+当て放題。回を重ねるごとに、王者のリードは広がっていくのみ。気が付けばレフェリーが試合を止めた8回終了直前までに、ダラキアンが3度ものダウンを奪うワンサイドの試合に。
(豪快なボクシングで指名挑戦者を圧倒するダラキアン)
その全勝記録を17(12KO)に伸ばすとともに、本場米国で獲得した王座の初防衛に成功したダラキアン。軽量級らしからぬ豪快なボクシングを見せますが、穴はあります。ただ、WBAフライ級ランキングを見てみると、しばらくはその王座は安泰のようです。出来れば前王者との対戦を見てみたかった。その一言に尽きます。
(ウクライナの強豪ダラキアン。昨年、大阪のリングでその雄姿を見せてほしかった)