DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

堤、拓真を破る!(WBAバンタム級)

2024年10月31日 05時31分49秒 | 世界ボクシング

今月13日、東京・有明アリーナで行われた試合結果です。
WBAバンタム級戦:
挑戦者堤 聖也(角海老宝石)判定3対0(117-110、115-112、114-113)王者井上 拓真(大橋)

*世界王者として一戦ごとに安定度を増していた井上でしたが、思わぬ形で世界王座から転落する事になりました。アマチュア時代に対戦経験のある両雄。その時は井上が勝利を収めており、プロ転向後も常に堤の前をいく形が続いてきました。

プロで実現した両者の対戦は、挑戦者のアグレッシブなペースで試合が進んでいきます。自身のボクシングを忘れたのか、それともさせてもらえなかったのか、井上は普段のリズミカルなアウトボクシングを披露できないまま回を重ねていきます。

終盤10回、この試合を決定づけるシーンが訪れます。挑戦者の攻勢に飲み込まれた王者は、ロープによろける形となってしまいました。主審はそれを「ロープが無ければダウン」とみなしカウントを数え始めます。このダウンが有る無しが判定結果に影響する事はありませんでしたが、その場面がこの試合を物語っていたのではないでしょうか。

一年前のこの時期はまだまだ日本王者だった番狂わせの主人公。今後はまず、井上との再戦が大きな山場となるでしょう。

「黄金のバンタム」に新たな新王者が誕生しました。下記はこの試合が終わった時点(2024年10月13日)での、同級の王者たちとなります。

WBA:堤 聖也(角海老宝石/防衛回数0)
WBC:中谷 潤人(MT/1)
IBF:西田 凌佑(六島/0)
WBO:武居 由樹(大橋/1)
OPBF(東洋太平洋):栗原 慶太(一力/0)
WBOアジア太平洋:空位
日本:増田 陸(帝拳/0)

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ライバル戦に決着、などなど(色々:10‐30‐24)

2024年10月30日 05時40分30秒 | 世界ボクシング

最近(2024年10月30日ごろ)のニュースです。

1)今月13日、京口 紘人(ワタナベ)ビンス パラス(比)横浜の武道館で三度拳を交えています。5月に疑惑の判定で敗者となった京口でしたが、今回は接戦ながらも勝利を収める事に成功(2対0:96-94x2、95-95)。苦しみながらもライバル戦に決着をつけると同時に、自身が目指す世界3階級制覇に向け再スタートを切っています。

2)これまでにライトフライ級、フライ級、バンタム級の3階級で世界を制してきたジョン リエル カシメロ(比)も横浜のリングに登場。世界ランカー・サウル サンチェス(米)から2度のダウンを奪うなどして、初回TKO勝利を収めています。

3)今回の試合は、カシメロの見事な勝利と賞賛したいのですが、比国人は前日計量に失敗という汚点を残してしまいました。以前より計量失敗や試合直前に出場を辞退するといった愚行を繰り返してきたカシメロは、1年間の日本での試合出場禁止の処分を受けています。1年とは言わず、複数年の処罰にすればいいのですが。

4)同じ興行には元IBFスーパーバンタム級王者小國 以載(角海老宝石)も登場。ナミビアの世界ランカー・フィリップス ンギーチュンバに143秒で仕留められてしまいました。

5)元WBO世界ミニマム級王者で、現在ライトフライ級を主戦場としている谷口 将隆(ワタナベ)もこの興行に参戦。元WBA最軽量級の暫定王者パイ パーロップ(タイ)に6回KO勝利を収めています。

6)3月にイタリアのリングで世界ランカー対決を制し、世界挑戦が目前となってきた力石 政法(大橋)。今月17日に後楽園ホールのリングで比国ランカーと無冠戦で対戦。対戦相手となったアルネル バコナヘを2回で粉砕しています。

この試合が力石にとり、大橋ジム移籍後の初戦となっています。

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カネロの後釜にスカル(IBFスーパーミドル級)

2024年10月29日 05時05分18秒 | 世界ボクシング

今月19日、ドイツで行われた試合結果です。
IBFスーパーミドル級戦(王座決定戦):
ウィリアム スカル(キューバ)判定3対0(116-112、116-113、115-113)ウラジール シシュキン(露)

*サウル アルバレス(メキシコ)が剥奪されたことにより、空位となっていたIBFスーパーミドル級王座の決定戦がドイツで行われました。

世界ランキングでは下回るシシュキンがプレッシャーをかけ、ドイツを主戦場にするスカルがそれを迎え撃つ展開が終始続きました。最終回終了時点では、「ロシア人が若干優位だったのでは?」と思われましたが、出された判定は僅差ながらもキューバ人を支持。盛り上がりに欠ける一戦でしたが、長らく同タイトルを追い続けていたスカルが新王者となっています。

下記は2024年10月29日現在の、スーパーミドル級のタイトルホルダーたちとなります。

WBA:サウル アルバレス(メキシコ/防衛回数9)
WBA(暫定):カレブ プラント(米/0)
WBC:サウル アルバレス(メキシコ/8)
IBF:ウィリアム スカル(キューバ/0)
WBO:サウル アルバレス(メキシコ/6)
OPBF(東洋太平洋)
:野中 悠樹(ミツキ/0)
WBOアジア太平洋:帝尊 康輝(一力/0)
日本:帝尊 康輝(一力/0)

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プロ18戦目での初タイトル戦(OPBFスーパーバンタム級ほか)

2024年10月28日 05時25分35秒 | 強いぞジョーさん

12月12日、後楽園ホールで予定される試合です。
OPBF(東洋太平洋)スーパーバンタム級戦:
王者中嶋 一輝(大橋)対 挑戦者辰吉 寿以輝(大阪帝拳)

*元WBCバンタム級王者辰吉 丈一郎(大阪帝拳)の次男坊寿以輝のプロ18戦目が決定。ここまでの戦績が17戦16勝(10KO)1引き分けの寿以輝。2015年4月にプロ・アマを通じて初の公式試合に臨んで以来、もう9年半になります。今回、寿以輝にとり初めてのタイトル戦が組まれました。

寿以輝が挑む王者中嶋は、プロデビューが2017年6月と挑戦者よりも2年以上も遅いながらも、これまでにWBOアジア太平洋と現在保持しているOPBFの2つのベルトを獲得してきた実力者。戦績は16勝(13KO)2敗(2KO負け)1引き分けと、勝敗に関わらずKO決着の割合が高い選手です。そんな怖さのある選手を相手に、寿以輝は一体どんなボクシングを見せてくれるのでしょうか。

とにもかくにもこの試合での内容はもちろん、確実な王座奪取をしてほしいですね。


日本ウェルター級戦:
王者セムジュ デビット(ウガンダ/中日)
対 挑戦者小畑 武尊(ダッシュ東保) 

*OPBFスーパーバンタム級戦が行われる興行では、8月に日本王座を獲得したセムジュが、元暫定王者小畑を迎え初防衛戦を行います。こちらも中々の注目度の高い試合となりそうです。

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寺地、強し!などなど(WBCフライ級ほか)

2024年10月27日 05時35分19秒 | 世界ボクシング

今月13日、東京・有明アリーナで行われた試合結果です。
WBCフライ級戦(王座決定戦):
寺地 拳四郎(BMB)TKO11回6秒 クリストファー ロサレス(ニカラグア)

*減量苦から解放された寺地。止まらない左ジャブとフットワークで強豪ロサレスを寄せ付けずにTKO勝利。以前の打たせないボクシングに加え、力強さも見せつけ見事に世界2階級制覇に成功しています。

WBAフライ級戦:
王者ユーリ 阿久井 政悟(倉敷守安)判定2対1(117-111、115-113、113-115)挑戦者タナンチャイ チャルンバック(タイ)

*左ジャブを起点に、終始攻勢を取り続けた阿久井。王者の盤石の勝利と思いきや、出された判定は2対1。不可解な採点となりましたが、阿久井が今年1月に獲得した王座の2度目の防衛に成功しました。

下記は今回の試合が終わった時点(2024年10月12日)での、フライ級のタイトルホルダーたちとなります。

WBA:ユーリ 阿久井 誠悟(倉敷守安/防衛回数2)
WBC:寺地 拳四郎(BMB/0)
IBF:アンヘル アヤラ(メキシコ/0)
WBO:アンソニー オラスクアガ(米/0)
OPBF(東洋太平洋):桑原 拓(大橋/1)
WBOアジア太平洋:タナンチャイ チャルンパック(タイ/0)
日本:飯村 樹輝弥(角海老宝石/3)

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今週末の試合予定

2024年10月26日 05時36分53秒 | 世界ボクシング

2024年10月最終週末の主な試合予定です(2024年10月26日から11月1日まで)。

26日 土曜日
英国
スーパーライト級戦(12回戦):
ジャック カテラル(英)対 レジス プログレイス(米)

*上記の試合以外にも、世界各地で多くの興行が予定されていますが、大興行の予定はありません。

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恒成、まさかの転落(WBOスーパーフライ級)

2024年10月25日 05時34分37秒 | 世界ボクシング

今月14日、東京・有明アリーナで行われた試合結果です。
WBOスーパーフライ級戦:
挑戦者ブメレレ カフ(南ア)判定2対1(114-113x2、113-114)王者田中 恒成(畑名)

*2月に念願の世界4階級制覇を達成した田中。スーパーフライ級での王座統一戦や、バンタム級での5階級制覇を目論んでいた矢先に、伏兵に思わぬ形で足元をすくわれてしまいました。

固いガードと左ジャブという基本通りのボクシングを展開するカフ。5回には右クロスを見事なカウンターで決め、王者からダウンを奪っています。

田中も決して悪くはなかったのですが、カフに比べると大雑把な感は否めず。最終回に挑戦者を追い詰めるも、結局は逆転至らず僅差の判定負け。まだまだ伸びしろの部分があった田中が、予想外の王座転落となってしまいました。試合後、さっそく現役続行の意向を示している恒成。まずは王座奪回が目標となるでしょう。

下記は世界王者の交代劇があった2024年10月25日現在の、スーパーフライ級の王者たちとなります。

WBA(レギュラー):フェルナンド マルティネス(亜/防衛回数0)
WBA(暫定):デビット ヒメネス(コスタリカ/0)
WBC:ジェシー ロドリゲス(米/0)
WBC(暫定):ペドロ ゲバラ(メキシコ/0)
IBF:フェルナンド マルティネス(亜/3)
WBO:ブメレレ カフ(南ア/0)
OPBF(東洋太平洋):KJ カタラジャ(比/0)
WBOアジア太平洋:川浦 龍生(三迫/0)
日本:高山 涼深(ワタナベ/2)

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オペタイア、圧勝でV1(IBFクルーザー級ほか)

2024年10月24日 05時14分47秒 | 世界ボクシング

今月12日、サウジアラビアで行われた試合結果です。
IBFクルーザー級戦:
王者ジェイ オペタイア(豪)TKO6回2分 挑戦者ジャック マッシー(英)

*3試合続けて同地での試合となったオペタイア。英連邦と欧州の2冠王マッシーを終始圧勝しストップ勝利。5月に再度獲得した王座の初防衛に成功しています。

下記は2024年10月24日現在の、クルーザー級の王者たちとなります。

WBA:ヒルベルト ラミレス(メキシコ/防衛回数0)
WBC:ノエル ゲボール(アルメニア/0)
IBF:ジェイ オペタイア(豪/1)
WBO:クリス ビラン=スミス(英/2)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:デビット ニーカ(Nyika)(ニュージーランド/0)

 

ミドル級戦(12回戦):
クリス ユーバンク(英)KO7回1分50秒 カミル セレメタ(ポーランド)

*実力はありながらも、不思議な事に主要団体の世界王座との縁がないユーバンク。2011年のプロデビュー当初から注目されてきましたが、もう35歳になってしまいました。

今回ユーバンクが対戦したのは、ゲナディー ゴロフキン(カザフスタン=引退)やハイメ ムンギア(メキシコ)等強豪選手たちとの対戦経験があるセレメタ。そんな経験豊富なポーランド人を初回から圧倒し続けたユーバンク。初回、6回、そして7回に2度のダウンを奪うなど快勝劇を演じています。

今回の勝利でマイナー団体IBO王座を獲得したユーバンク。この程度のベルトで満足すべき選手ではないはずです。

下記は2024年10月24日現在の、ユーバンクが主戦場としているミドル級のタイトル保持者たちとなります。

WBA:エリスランディ ララ(キューバ/防衛回数3)
WBC:カルロス アダメス(ドミニカ/2)
IBF:ジャニベック アリムカヌウェ(カザフスタン/1)
WBO:ジャニベック アリムカヌウェ(カザフスタン/3)
OPBF(東洋太平洋):テイジ プラタップ シン(豪/0)
WBOアジア太平洋:国本 陸(六島/1)
日本:国本 陸(六島/3)

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初防衛に成功、などなど(色々:10‐23‐24)

2024年10月23日 05時12分15秒 | 世界ボクシング

最近(2024年10月23日ごろ)のニュースです。

1)7月に、プロ4戦目でWBAの18番目の階級を制覇したムスリム ガジマゴメドフ(露)が先週17日、地元ロシアのリングに登場。ドイツのレオン ハースに完封勝利(3対0:120-108x3)を収め、同王座の初防衛に成功しています。

2)元スーパーバンタム級、バンタム級王者のギレルモ リゴンドー(キューバ)が来月12日、米国フロリダ州のリングに登場。イオヌート バルタ(ルーマニア)と現在空位のWBCバンタム級のインターナショナル王座を賭け対戦します。リゴンドーが試合を行うのは昨年6月以来となります。

3)8月にWBAスーパーライト級王座を賭け対戦したホセ バレンスエラ(米)とアイザック クルス(メキシコ)。その時はバレンスエラが番狂わせの判定勝利を収め、王座奪取に成功しています。この両者が来年1月25日、立場を入れ替えて再戦を行います。

4)WBCフェザー級暫定王者のブランドン フィゲロア(米)が師走の14日、前WBC/WBOフェザー級王者スティーブン フルトン(米)を迎え防衛戦を行います。暫定王者と書きましたが、フィゲロアは既にWBCフェザー級の正規王者に承認されています。

5)それに伴い、これまで正規王者だったレイ バルガス(メキシコ)は、休養王者に移行されています。

6)尾崎 優日(大成)が師走の14日、アーチェル ビラモア(比)と現在空位となっているWBOアジア太平洋ライトフライ級王座を賭け対戦します。この試合はエディオンアリーナ大阪で行われます。

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あの試合から30年(スーパーバンタム級:1994年10月22日)

2024年10月22日 05時12分28秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の明日となる1994年10月22日、米国ネバダ州で行われた試合結果です。
WBA5大陸スーパーバンタム級戦(王座決定戦):
マルコ アントニオ バレラ(メキシコ)TKO3回2分33秒 ヘスス サラビア(メキシコ)

*1990年代半ばから10年あまり、世界のボクシング界をリードした選手の一人であるバレラ。このサラビア戦が行われた時点では、まだ20歳の若者でした。しかし数年前から日本のボクシング誌には将来の世界王者候補生として注目されていました。

すでに32戦全勝(22KO)という素晴らしい戦績を築いていたバレラでしたが、驚くことにアマチュアでも56勝4敗というキャリアを積んでいました。この年の4月にはアルゼンチンに渡り、曲者カルロス サラサール(亜)を撃破しているバレラ。その試合にはWBCスーパーフライ級王座への挑戦権が賭けられていましたが、バレラは計量に失敗したため、試合には勝利を収めるも挑戦権は戦う前に放棄した形となっています。

減量苦と戦っていた若きバレラはサラサール戦後、一気に2階級を上げ再起。新階級での3戦目で今回のサラビア戦に臨むことになりました。

バレラと拳を交えたサラビアは、3連敗中と振るわない時期に将来のスーパースターと対戦する事になりました。しかしWBCの北米タイトルであるNABFバンタム級王座を保持していた時期もあり、この試合の後にはメキシコ国内タイトルを獲得。数年後には世界王座にも挑戦した中々の選手です。

(対峙するバレラ(左)とサラビア)Photo: Youtube

2011年まで戦い続けたバレラですが、そのボクシングスタイルは1994年の時点で出来上がっていました。ややルーズなガードから、丸太棒を振り回すような左右なパンチを上下に散らし相手を追い詰めていく。サラビアもそのボクシングに飲まれた結果となっています。

3回終盤に左右のワン・ツーでダウンを奪ったバレラ。それまでのダメージもあり、サラビアは試合を続ける事が出来ませんでした。

新鋭対決に勝利を収め、また一歩世界初挑戦に近づくこととなったバレラ。精力的に試合をこなしていた当時のバレラですが、この試合が1994年の5試合目となっています。

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