愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

まだ癒えてはいなかったルイの哀しみ

2012-02-13 23:02:58 | 残されて

☆好転していなかったルイの拒食 
 きのうまでの暖かい日差しから一転して、きょうは雨の予報も出た鈍色の一日だった。持参した傘を使うことなく終わったのがせめてもだが、あすもあさっても天気はぐずついたままだという。そして、週の後半に空模様こそ回復を見せるが、寒さが戻ってくるという。記録的な積雪に呻吟する豪雪地帯の方々に心からのお見舞いを申し上げる。
 
 昨日の夕飯をようやく食べてくれたルイだったが、今朝はまたほとんど食べてくれなかった。ルイと一緒の散歩はぼくの歩数にして2600歩、およそ20分かけたので、空腹であるはずなのに、ドライフードとウエットフードの混合を嫌った。ドライをあたりにまき散らして終わった。ドライに飽きたからかもしれないというので、すでに二度、変えてみたがうまくいかなかった。
 
 シェラがいなくなった喪失感なのか、それとも不安なのか。やっぱり、シェラの苦悶の叫びで受けた傷、いわばPTSD(心的外傷後ストレス障害)のようなものなのだろうか。
 もっと単純に守ってくれるはずのシェラがいなくなった不安からなのかもしれない。家人によれば、昼間も、シェラがいたころのような熟睡をしていないという。ほんのちょっとした気配ですぐに目覚めてしまうらしい。
 
☆元気いっぱいだというのになぜ? 
 それでも、表面的には元気である。散歩も嫌がらずに歩くし、遊びとなるとめいっぱい活動的に反応する。ケージから解放された当初は戸惑いもあったが、いまではすっかり慣れてしまった。
 朝、ぼくが会社へ向かうために玄関に出ると、一緒にいきたいとばかり先まわりしてドアの前で待機している。家人に預けてバイバイをすると、「なんで?」と怪訝そうに見送っている。金曜日の朝と今朝のルイである。
 
 ぼくが帰宅したとき、玄関へ飛び出してきて大喜びで跳びついてくれたのは今夜がはじめてだ。その喜びぶりは若いころのシェラを彷彿とさせる。きっと明日からそうやって迎えてくれるだろう。
 「ルイはごはん食べたかい?」
 ぼくは開口一番、家人に訊いた。昼間、何度も電話して訊こうかと思っていたくらいである。朝はもちろんだが、夕方のご飯も今日は食べてくれなかったという。しかなく、病院で教わった「特別食」に切り替えて食べさせたらしい。
 
 ルイが、ドライフードは食べなくなったが、おやつやお米のご飯は食べるということで、鶏のササミなどのボイルをご飯をまぶし、まずは二割くらいドライフードを入れる。それを食べてくれたら、時間をかけてドライフードの量をふやしていくというメニューである。
 病院で教わる前からしかなく家人はそんな特別職を作ってルイに与えてきた。心配なのはルイの口がおごってしまい、ドライフードに戻せないのではないかと……。


☆シェラを失った寂しさにひたるヒマもなく 
 いま、家人がもっとも恐れているのが、ルイをデブコギ(太ったコーギー。コーギーは食欲が旺盛で太りやすい)にしてしまうことだ。シェラもむぎも肥満で苦労した。シェラはなんとか脱却できたが、むぎは腎結石を患い、手術で石を摘出したが、その後遺症なのか死ぬまで肥満に悩まされつづけた。晩年はろくに食べさせてやれないまま逝かせてしまった。家人はそれをいまでも烈しく悔いている。ルイでは同じ轍を決して踏むまいとかたく決めているはずだ。
 
 それなのに、いきなり「食べない」という不測の事態がはじまってしまった。今夜も特別食でしのいだという。それでもぜんぜん食べてくれないよりはましである。
 あらためて、ルイにとってのシェラの存在感の大きさに目をみはっている。
 
 「ルイ、頼むから、なんとか食べられるようになってくれ!」と、それだけを祈る悩みの前に、シェラを失った哀しみにくれているヒマがない。もし、これがシェラの遺言だったり、あるいはルイの知恵だったとしたら、われわれ人間のほうがわんこの掌(たなごころ)で踊らされているということになるが……。
 「まさか」と思いつつ、ちょっと怖い気もする。

*これまでいただいたコメントにきょうから少しずつレスをつけさせたいただきます。
 すべてのコメントへの返信が終わるまでに時間がかかりますがご容赦ください。