今日は胃?の調子が悪く気分が悪い。そんな状態で夕方までダラダラ過ごしつつ外出。シネマボカンでの上映会へ行く。「映画日和 ふたりの映像作家」という上映会で下倉功監督と稲葉司監督という2名の監督の映画がそれぞれ2本上映されました。下倉監督の映画は何本か見た事があるのですが稲葉監督の映画を見るのは今回が初でした。なんとなく2人の映画は似た雰囲気が感じられました。見た映画は以下の4本。
「グラウンド」(下倉功監督)
この映画は既に見た事がある。3回目?だけども今日が一番物語に気持ちよく入って行けた気がする。飽きずに見れる編集にはなってるんだけども、ちょっとカットを割りすぎたような印象も。好きなのは男が歩き去り、消える辺り。とても暖かい物語。何気に初めてこの物語に触れたラジオドラマ版が好きだったりする。
「家族日和」(下倉功監督)
ぎくしゃくとした親子の心のズレみたいなものが良く出た映画。娘の親父をウザイ?と思う気持ちがよく分かる。特に観覧車の場面で。親父の一生懸命に娘に構ってもらおうとするが、どうしたらいいのかよく分からない気持ちも良く分かる。喫茶店の場面とかで。だけども、お互いに嫌ってる訳でもないしもっと素直に義務的にでなく自然に接したいという気持ちが感じられて、何気にお互いに遠慮しつつも互いを心配し合っているというか、そういう心みたいなものは感じた。公園でのやりとりとか。ラストに今後3人で家族が再会する望みを見せるが、母親がそれを拒絶しているような印象。なんか豪華なお家に住んでるけど父母の離婚の原因とかが説明されてないので、その後どうなるのかは分からない。でも、最後に娘の気持ちみたいなものが分かりやすく説明された気はします。公園のシーンの音楽が何か聴いた事のあるメロディでなんだろう?って考えてたら分かりました。「ストリート・オブ・ファイアー」での曲でした。なんか違和感を感じましたが、それが良かったとも思えます。音楽は良かったです。
「かえり道」(稲葉司監督)
とても美しくきっちりとした撮影でした。重い内容でしたがファンタジックな印象もあります。映像や役者の綺麗な姿がプロモーションビデオを見ているようでした。なんかあっという間に終わっちゃったという感じでもう少し、物語を見せて欲しかった気がします。技術的な所や役者のキャスティングやロケ地なんかは良かったし、たいしたものだと感じ感心したんだけども何か心に来るものが少なかった気がします。中盤でオチは読めるし、その通りに美しく終わる。悪くいうと綺麗にまとまりすぎな気がしたんだなぁ。
でも、良く出来た映画だとは思いました。
「きみに会えて」完全版 (稲葉司監督)
この映画も撮影は美しくロケ地も綺麗で出演者も美男美女系の人達。前半の展開はスローでまるで写真をゆっくりと見せられているような印象でした。なんかリアリティじゃないけど映画の嘘というものを信じさせる力というのがあまり感じられなくて前半は僕にとってはそれは変じゃない?みたいな面が目立ちました。
中盤まではそんな感じであまりノレなかったんですが、後半の展開は先が読めるんだけども面白くなって行きました。そうかぁ~そういう展開かぁ。と楽しめたんだけども冷静に考えると酷い話よね。だけども、後半は映画の嘘というものに入り込む事が出来たので気持ちよく見れました。ラストの白黒写真がとてもいい写真でした。もう少し前半の展開をスムーズにして自然にすれば見やすくなったとは思います。何気に腰痛持ちの伯父さんのキャラはいい味出てて印象的。撮影がやっぱり凄く良くて全体的に写真的な映画だったなぁと思いました。
打ち上げに参加してギネス2本飲んで懐かしい人らとも会話。両監督とは殆ど話せなかったけれども最後に下倉監督からDVDを貰えた。今日の上映とは別の編集バージョンの「家族日和」と新作の「ふたりだけの同窓会」という見たかった映画が収録されているもの。早速、お家に帰ってから鑑賞した。
「家族日和」の別編集バージョン(撮影の石出さんによるもの)ですが、少し短い作品になってた。こちらの方がストレートに一本の筋だけを描いていると思う。ある意味、分かりやすいけども、下倉監督のバージョンの方が補足というものもあってより分かり易くなってるとも思える。伝えたい部分というのが2つでは微妙に違ってきているように思えるが石出版ではシンプルに1つの事を、下倉版では1つでは無く色々と他にも伝えたい事を描いてるような気がする。どちらが良いとかは言えません。っていうかどちらも良さはあると思うけど、最初に長い方を見たけどもそんなに長いとも感じなかったし、僕なりに伝わるものもあったので最初に見た方が印象的です。タイトルは最後に出る石出バージョンの方が良かったと思う。
「ふたりだけの同窓会」
オープニングからタイトルが出て室内に入るまでの流れがとても素晴らしくて一気に物語に入って行けました。タイトルから一体どんな内容なんだ?って思っていたのですが、暫くすると内容が読めてきました。
そうか、そういう展開かぁ~。と!後半で分かりやすく説明が入るのですが、それもいいんだけども、そこまで説明しなくても十分分かるよ!って気もしたな。実に上手く直接的に言わずにも内容の伝わる展開で役者さんの芝居も良かった。みな魅力的だったし、物語にも飽きずに集中して最後まで見る事が出来ました。という訳で実に良い映画だったです。今日見た映画の中で一番、この映画が好きでした。