今回は、「天啓赤絵 草文 小皿(5枚組)」の紹介です。
この「小皿」も、地元の地方都市のデパートの催事場で開かれた骨董市で、昭和60年(1985年)に、今から37年前に、買ったものです。
ところで、この「小皿」を手に入れるに際しては、ちょっとした思い出があります。
それは、私が「これは幾らですか?」と聞きましたら、店主が「3,000円ですよ」と答えたんです。私としては、まさか、5枚全部で3,000円ということはないだろうけれど、もしかして、5枚全部で3,000円かもしれないと思ったものですから、念のため、「5枚全部で3,000円ですか?」と再度聞きましたら、店主が「そうですよ」と返答したわけです。
確かに、文様としては「草文」だけしか描いてないですから、面白みには欠けますが、なんとて、値段が魅力です(^-^*) それで、値下げ交渉などすることなく、即刻買い上げ、そそくさとその場を立ち去りました。「すみません、お客さん、値段を間違えました。いくらなんでも、その値段では売れません」などと呼び戻されないように、一目散に立ち去ったわけです(笑)。
今考えてみても、多分、値段は間違いではなかったのだろうと思います。これは、私の掘り出しだったのだろうと思います。でも、長いことコレクションをしていますが、このような掘り出しは滅多にないことですね。
天啓赤絵 草文 小皿(5枚組)
5枚組の表面
上段左:小皿① 上段中:小皿② 上段右:小皿③
下段左:小皿④ 下段右:小皿⑤
文様としては「草文」だけした描かれていませんので、シンプルと言えばシンプル、面白みがないといえば面白みがないわけですが、この「草文」は、天啓赤絵に登場してくる典型的な文様の一つなんですよね。
もっとも、天啓赤絵によく登場してくるといっても、多くの場合は、この「草文」の他に別な文様が追加されて描かれているようですね。しかし、天啓赤絵に登場してくる典型的な文様の一つには違いはないですよね。
5枚組の裏面
上段左:小皿① 上段中:小皿② 上段右:小皿③
下段左:小皿④ 下段右:小皿⑤
小皿①、小皿②、小皿③の裏面は無文ですが、小皿④、小皿⑤の裏面には
口縁に2本の圏線と高台脇に1本の圏線が施されています。
小皿①
表面
口縁の一部の拡大
口縁の処理はぞんざいですが、目だった虫喰いは無いようです。
裏面
小皿②
表面
口縁の一部の拡大
口縁には窯疵は見られますが、目だった虫喰いは無いようです。
裏面
小皿③
表面
口縁の一部の拡大
口縁は薄造りで、虫喰いが見られます。
裏面
小皿④
表面
口縁の一部の拡大
口縁は比較的に丁寧な造りですが、浅い窯疵が1箇所あり、
そこには釉薬が掛かっています。
裏面
小皿①、小皿②、小皿③の裏面は無文ですが、この小皿の裏面には
口縁に2本の圏線と高台脇に1本の圏線が施されています。
小皿⑤
表面
口縁の一部の拡大
口縁は比較的に丁寧な造りですが、釉薬の掛け忘れなのか、
虫喰いなのか分からない箇所が2箇所ほど見られます。
裏面
小皿①、小皿②、小皿③の裏面は無文ですが、小皿④とこの小皿の裏面には
口縁に2本の圏線と高台脇に1本の圏線が施されています。
裏面の拡大
高台内には窯疵が見られます。
生 産 地 : 中国・景徳鎮(民窯)
製作年代: 中国・明末~清初
サ イ ズ : 口径13.5~14.0cm 底径7.5~8.0cm
(各小皿には個体差があるため)
モダンなお皿ねと思いました。実際にこのお皿にご馳走を盛り
実用に使われていたものでしょうか?
すっきりとして 盛ったものが引き立つお皿 と私には見えて好きです。
下段右皿の裏の 龍にも見える模様は窯で焼いた時の疵ですか?
ところで、またまたまた、虫食いについてです(^^;
この天啓赤絵皿は5枚とも同じ窯で同じ時に焼かれたのはほぼ確実ですね。にもかかわらず、虫食いの有るのと、無いのが同居。私のすると南京赤絵と同じです(図柄は違ってました)。すると、虫食いの有る無しは、焼成法の差や素材(胎土と釉薬)の関係でないと思えてきます。
皿①の口縁の写真ですが、裏側の釉薬が表に被っているように見えますが如何でしょうか。
この辺に謎を解く鍵がありそうです。
・・・にしても、五枚三千円とは(40年前は骨董に興味なし)当時としてもお値打ち(掘り出し?)だったのでしょう。
でも、その業者さんも損はしていないのでは・・・単に専門外だとか、市で買った(ごちゃごちゃした小皿の山から出てきた!)・・・とは想像できますが、今ではそんな事もないでしょうね。(^-^)v
そう思って見ますと、モダンに見えますね(^_^)
実際に食器として使われたのだろうと思いますが、当時は、庶民が使ったものではないですね。上流階級の人が使ったのでしょうね。
くりまんじゅうさんには好みのお皿ですか(^_^) 料理を引き立ててくれそうですぅよね。
下段右皿の裏の模様のようなものは、窯の中で焼成中に出来た疵なんです。
今では、不良品として扱われ、市場に出てくることはないでしょうけれど、昔は、このようなものは疵とは扱われなかったようですね。
遅生さんもそんな体験がありましたよね(^-^*)
虫喰いについてはよく分かりませんね。
昔は、虫喰いが無いのは、清朝も安定してきて材料も良くなってきてから作られたものだというようなことが言われましたよね。つまり、明末~清初の物ではなく清朝期のものだと、、、。
しかし、この小皿のようなケースを見ますと、必ずしもそうとは言い切れませんよね。
まだまだ、虫喰いについては謎がありますね。
個人的にはシンプルで、色絵でありながら華美さの無いデザインが大好きです。
日本人好みのデザインという感じもしますが、それにしても安い・・・
ワタシだったら「五枚で三千円」とは聞けず、一枚3000円で買ったと思います。
これ以上シンプルな天啓赤絵は無い、という感じですものね(^_^)
「この下なしの天啓赤絵」というところでしょうか(笑)。
良く言えば、天啓赤絵の原点、、、(^-^*)
当時としても、5枚揃いで3,000円というのは安かったと思います。
もっとも、売る側としては、今ですと、最近作のガラクタの1枚200円の物を5枚揃いにして3,000円で売っていたというところでしょうか。
その業者としては、十分に儲かったのだろうと思います。
今でも、あり得るのでしょうね。だから、骨董市などには魅力があるんでしょうね(^-^*)
こんなにシンプルなものなので、業者も、天啓赤絵ではないと判断し、ちょっと時代はありそうだけれども、何時、何処で作られた物なのか分からない、というとことで、ガラクタの揃い物として売りに出したのだろうと思います。
私も、当初は、1枚3,000円なのかなと思いました。
だいたい、当時の相場としては、1枚10,000円くらいでしたので、、、。
それで、1枚3,000円でも安いかな、と思ったのですが、その頃には、私も、骨董ではだいぶ鍛えられ、多くの授業料を納めていましたから、簡単には、業者の言うことを信じなくなっていました(笑)。
それで、ひやかし半分で、駄目元で、「5枚全部で5,000円ですか」と聞きましたら、「そうです」ということになったわけです。
骨董では、たまに、そんなことが起こりますね。
今では、ネットの世界でもあり得ますよね。
それが掘り出しというのでしょうね(^-^*)
この気持ちよくわかります。
padaは、まさにその場面を目撃したことが有るんです。東寺の骨董市でした。若い人が店番していて、客が、いくらかのお金を払っているんです。そして品物を受け取ったら大急ぎで、その場を離れました。ほどなく主人らしき人が帰ってきて、エエ~あれ売ったのかと真っ青!主人は慌てて追いかけましたが、既に立ち去った後でした。桁を間違えたか?値札のつけ間違いかの様に見えました。主人は暫く放心状態でした。こちらの記事を読んでいて、即この話を思い出しました。これは、どう見ても1枚一万円ですよね!ヒットでしたね。
その時は、恐らく桁を間違えたか、値札の付け間違いだったのかもしれませんね。
その時は、主人はさぞかしガッカリしたことでしょうね。
私の場合は、直接主人の対応でしたし、値下げ交渉をすれば、幾らかはオマケしてくれそうな雰囲気でしたから、売値に問題はなかったと思います(^_^)
でも、考えてみれば、1枚1万としても5万ですから、5万ー3千円=4万7千円ですから、掘り出して儲かったといってもたいした金額ではないですよね。
そうそう、来年から、padaさんは東寺の骨董市にしょっちゅう行けるんですね。
私のような掘り出しの経験を多く味わえるかもしれませんね。
掘り出しは、運だけではなく、実力がものをいいますものね(^-^*)