20年ほど前だったかなぁ。母が「のらくろって面白かったのよ」といった話をし始めて。
(画像:ネットより)
「のらくろ」って1931年より雑誌に連載が始まったようで(Wikipediaより)、ちょうど母が生まれた頃なんですね。だから子供の頃に漫画を読んでいたのでしょう。或いはWikipediaにもあるようにアニメーション映画を見に行ったのでしょうか。 そりゃ、私だって子供の頃に見たバットマンやタイガーマスク、仮面ライダーなんぞは今でも好きだし、当時のレコードや商品を買っているわけですし。だからこそ懐かしそうに話している母親に、当時の雰囲気を味わせてあげたいなと思いましてね。
時々覗きに行っていた地元ヨコハマの古書店に寄ったら、戦前のレコード、いわゆるSP盤がありまして「のらくろ」が一枚だけあったんです。
「児童劇 猛犬連隊 のらくろ一等兵」キングレコード 田川水泡原作 長谷山峻彦作曲 長谷山雛菊音楽会員
レーベルの「長谷山雛菊音楽会員」とは声と歌を担当していると思われます。また、1932年にレコードシリーズとして8枚発売されているようなのですが、製造番号が飛び飛びなので間隔を開けて発売されたと推測します。古書店での購入価格は4000円。
A面B面あわせて6分程度の会話劇。戦争の色濃くなる時期においても、子供達にはおもしろく笑ってもらえるようなユーモアがちりばめられています。「おい、のらくろ!なんで決められた場所に立って(歩哨)いないんだ。」「はい!いまあちらでカマキリとバッタがケンカしているのを見ておりました。」「まったくお前というやつは!」 のらくろの優しく愛くるしいキャラが想像できます。
SP盤を再生できるプレーヤーがなかったので、業者にお願いしてCDにした物を母親にプレゼントしました。
「あら~!あら~~!わ~!懐かしい~!」と何度も何度も喜んでいたのを思い出します