誠に失礼ながら、ジャック・ペランと聞いて誰だかピンときませんでした。
イタリア映画「ニューシネマ・パラダイス」(1989年)の主人公トトの壮年期を演じたナイスミドルとわかった瞬間、あの映画のすばらしさに再び胸を熱くし、ジャック・ペランの、出番は少ないながらも故郷を懐かしみ、老母を労わり、そして亡き映写技師への想いをスクリーンいっぱいに表現していたのを思い起こしました。
フランス出身で母国と並行してイタリアでも活躍されていたようで、その縁もあって「ニューシネマ・パラダイス」に出演したようですね。
物語は、ジャック・ペラン演じる映画監督サルヴァトーレ(子供時代の愛称はトト)の回想を中心に進んでいきます。
シチリアの村に生まれ育ったトト。先の大戦で父を亡くしたトトは、映画館の映写技師アルフレッドに可愛がられて成長。のちに火災で両目を失明したアルフレッドに代わり上映を担うまでになる。
大人になったトトはアルフレッドの後押しもあって都会に赴き、やがて映画監督として成功。
忙しさにかまけて30年もの間ずっと帰郷しなかったトトの元にアルフレッド死去の連絡が入る。葬儀参列のため帰郷したトトが、アルフレッドの形見として受け取ったのは、かつて映画を上演する際に村の司祭によって”不謹慎”として編集カットされていた美しいキスシーンをつなぎ合わせたフィルムだった・・・。
私が初めて泣いた映画です。見終わった瞬間に涙が頬をスーッとつたいました。館内が明るくなっても、誰一人すぐに席を立ちあがる人はいませんでしたね。数年前にリバイバル上映を見に行ったのですが・・・・・・また泣いてしまいました。
ジャック・ペラン、素敵です。