『北京原人の逆襲』(1977年香港)
これは1978年の日本公開時に映画館で見たんです。我が家が中国から帰国した翌年の公開であり、北京在住時には、その化石が発掘された周口店にも見学に行ったことがあるので、とても興味があったんです。ところが映画の内容は・・・(笑)
香港の老舗映画会社のショウブラザース製作。数多くのカンフー映画を製作し、アメリカで名を馳せたブルース・リーにも出演契約を持ちかけましたが断られたエピソードがありますね。
さて、本編。冒頭部分に登場したのはゴリラ?キングコング こ、こ、これが北京原人 こんなに大きいの 確か人類と同じような背丈だったはずなのに・・・。そして金髪の女ターザン
ヒマラヤのジャングルにその生存が確認された北京原人を捕獲して、香港に連れてこようと結成された探検隊。そのリーダーのチェン(ダニー・リー)と、森林で原人によって育てられたアウェイ(イブリン・クラフト)はいい仲になってしまうのを見て、ちょいと嫉妬する可愛らしさもあるユーモアな原人。
歴史的調査をするために香港に連れてこられた原人とアウエィだが、悪徳によって見せ物にされてしまい、鎖に繋がれ檻に入れられるも、その苦しさとアウェイが悪徳に暴行されるのを見て暴れまわり、高層ビルに追い詰められた挙句に軍隊の攻撃によってビルから落下して絶命。助けようとしたアウェイも銃弾に撃たれて死んでしまう。
ジャングルに帰ろうと泣きながら息絶えたアウェイを抱き上げて100万ドルの夜景に佇むチェン。自然破壊と明るく発展する街のコントラストを表現するかのようなラストカットに、切なさを覚えました。結局現代にも通じるテーマでもありますね。
アウェイは、少女の頃に両親と共に搭乗していたセスナ機が墜落した生き残り。セスナ機の残骸は10数年たった今でも放置されたままなのですが、よく見ると機体番号の最初の二文字が「JA」。これは国際的に定められた決まりで日本籍の機体という事です。劇中では家族3人でのみ搭乗していたのに、なぜ日本のセスナ機だったのでしょう・・・。謎です。
ただ、この映画の特撮技術や美術を支えて指導したのは日本人です。すでに怪獣映画やドラマなどで名を馳せていた特撮技術スタッフに白羽の矢が立ち、ショウブラザースにが招聘していたので、それと関係があるかもしれませんね